作者バート・バカラック(ピアノ演奏)とキャロル・ベイヤー・セイガーの前で歌うクリストファーの動画がありました。







◆この曲には3つのタイトルがありますね。
・「ニューヨーク・シティ・セレナーデ(邦題)」
・「Auther's Theme(原題))」
・「Best That You Can Do(副題:君ができる最良のこと)」


 ダドリー・ムーア主演のラブ・コメディ映画「ミスター・アーサー(原題:Arthur)」(1981年)の主題歌としてChristopher Crossが書いたのですが、この映画の舞台が「ニューヨーク」であるから、日本では邦題として「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」と名付けたわけです。

(「ニューヨークシティ・セレナーデというと、ブルース・スプリングスティーンの初期に同名の大作があります。もちろん違う曲です。)

共作はピーター・アレン、バート・バカラック、キャロル・ベイヤー・セイガーのそうそうたるメンバー。名曲にならないはずがない!

◆歌詞に「アーサー」と出てきますが、これは映画の主人公のお名前。まあ、金持ちの放蕩息子が街娘に恋して…ということのようですね。
 映画のあらすじ(ウィキペディア「ミスター・アーサー」より)を読むと、歌詞の意味もよりわかります。

“ニューヨークの大富豪の御曹司のアーサー・バックは何不自由なく遊び回る毎日を送っていたが、あるとき父親から政略結婚を命じられ、逆らえば遺産を相続させないと告げられた。遺産が欲しいアーサーは観念して結婚しようとするが、街で出会ったリンダと恋に落ちてしまう”

とあります。

◆"When you get caught between the moon and New York City." という印象的な歌詞は、複数の作者クレジットがありますが、ピーター・アレンが書いたそうです。"月とニューヨーク・シティ"に挟まれる"…ってどういうことなんでしょうね。

"月"というと…ムードがあって、ロマンティックなイメージでしょうかね。さらには「夢」や「想像」の世界ということになるのかな。
一方、"NYC"は…やっぱり"大都会"で「機械的」で「現実」ってことなのかも。


夢に生きるのか、現実に流されるのか…その選択に悩んだとき、一番の解決方法は「恋に生きる」(心に従う?)ことなんだ。


ってことなのかなと解釈しました。


それでは曲の紹介です。
「月とニューヨークシティに挟まれた」とき、あなたはどうしたらいいか?
考えてみてください(^▽^)。


Songwriters: ALLEN, PETER W. / BACHARACH, BURT F. / CROSS, CHRISTOPHER C. / SAGER, CAROLE BAYER
lyrics c Universal Music Publishing Group, Warner/Chappell Music, Inc.


Released in 1981
US Billboard Hot100#1
From The Album“Arthur Original Soundtrack”


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"Authur's Theme"lyrics(英語詞はこちらのサイトからいただきました)
:原詞は太字


Once in your life you will find her
Someone who turns your heart around
And next thing you know
You're closing down the town

誰でも一度は見つけるんだ
心をときめかせてくれる女性をね
そしたら次にきみは
街を出て行こうとするのさ

Wake up and it's still with you
Even though
you left her way across town
Wonderin' to yourself
Hey what have I found

寝て起きても
彼女はまだ頭のなかにいる
彼女は街の向こうに置いてきたのに
そしてきみは自分に問いかける
“おい、この出会いはなんだったんだ?”

When you get caught
Between the moon and New York City
I know it's crazy but it's true

If you get caught
Between the moon and New York City
The best that you can do
The best that you can do
Is fall in love

もしきみが
月とニューヨークの街の間で
はさまれてしまったら…
ばかげてるってわかってるさ
でもそれが真実

もしきみが
月とニューヨークの街の間で
はさまれてしまったら…
一番いいことはね
一番いいのはね
…恋に落ちることなんだよ

Arthur, he does as he pleases
All of his life his master's toys
And deep in his heart he's just
He's just a boy

アーサーは
何でも自分勝手にしてきた
彼は人生の間ずっと
主人のおもちゃにすぎなかった
彼の心のなかはずっとずっと
少年のまま

Living his life one day at a time
He's showing himself
a pretty good time
He's laughing about the way
they want him to be

彼は明日を気にせず生きてきた
楽しい時を過ごそうとしてきただけさ
周りが彼に求める生き方なんて
笑い飛ばしてきたのが彼の人生

When you get caught
Between the moon and New York City
I know it's crazy but it's true

If you get caught
Between the moon and New York City
The best that you can do
The best that you can do
Is fall in love

もしきみが月とニューヨークの街の間で
はさまれて悩んでしまったら…
馬鹿げたことだと思うけど
それが目の前の真実

もしきみが月とニューヨークの街の間で
はさまれてしまったら…
きみができることの
最良の選択はね…
...恋に落ちることなんだ

恋に飛び込んでいけばいいんだよ…

日本語訳 by 音時


◆この曲のWikipediaに「月とニューヨークに挟まれたら…」の解説?が出ていました。

ピーター・アレンは、ジョン・F・ケネディ国際空港に夜間に到着し、飛行機が待機状態にあるときにこの歌詞を思いついた。

どうも飛行機が空港には到着したのに、着陸の順番待ちで、なかなか着陸せずに空で待機状態にあった…そのときに空には月が出ていて…ということのようですね。

矢口さんの「全米トップ40 the80’s」(2024年11月7日)でも、この時のキャビン・アテンダントさんのコメント(2012年の取材)があることを紹介してくれていました。
 なんでもある時、乗客の男性の一人が機を降りるときに「きみたちのおかげでいい曲が書けそうだよ。きっと聴けばわかるよ」と声をかけられたそうです…!

◆優しい声のクリストファー。この風貌でこの声、っているのも彼の魅力の一つですよね。ホメてますよ(^▽^;)。





◆映画のシーンから。うん、ニューヨークを舞台に、恋の出会いを歌ってるのがわかりますね。