アルバム「麗しのベラ・ドンナ」のラストはこの“The Highwayman”。
やっぱりラストに配置される曲はそのアーティストの思い入れのある曲...だよね…?

バックのミュージシャンも豪華!です。
ドン・ヘンリーがバックコーラスに参加、ドン・フェルダーもギターを弾いてます。

Davey Johnstone – acoustic guitar 
Benmont Tench – organ
Michael Campbell – guitar 
Don Henley – backing vocals &drums
Don Felder – guitar
Richard Bowen – bass guitar


◆スティーヴィーの書く歌詞は、和訳する僕にとってはかなり難解(;^_^Aで意味がわからないものが多かったんですが、今回のアルバム全曲和訳では、こちら「Steve Nicks Info」のサイトのお世話によくなりました。
オフィシャルサイトなので信用していいと思いますが、その一方、スティーヴィー、こんな赤裸々でいいのか?と思ったりもしました(;^_^A。

The Highwayman - STEVIE NICKS INFO

この曲については…

「『ハイウェイマン』はたぶん1975年頃に書いたと思うの。基本的には、アルフレッド・ノイズの古い詩『ハイウェイマン』(1947年)のアイデアを基に書いた。ハイウェイマンが馬に乗ってやってきて、宿屋の女主人ベスが待ち構えている。彼女はライフルを構え、ハイウェイマンがドアをくぐった瞬間に発砲するように準備してる。蹄の音が聞こえてくる。

The Highwayman


つまり、ハイウェイマンは金持ちから盗んで貧しい人に分け与える、素晴らしい人物だったのよね?マントを羽織った、馬に乗ったロマンチックな人物。それを現代の男性ロックンロールミュージシャンに重ね合わせたの。彼らは皆、ハイウェイマンのような存在。他に言いようがないわ。彼らは金持ちから盗んで貧しい人に分け与えることもあるし、ロマンチックな旅人のような存在。7頭の黒馬に引かれた馬車に乗っていてもおかしくないわ。」

スティーヴィーはこの詩を読んで、“Highwayman”とそして彼を待つ宿屋の娘=黒い瞳を持つベス、に自分を例えたんだろうな...。

アルフレッド・ノイズの原詩より...。

「愛しい人よ、キスを一つだけ。
今夜は獲物を手に入れる。
だが、夜明け前には黄金を持って戻ってくる。
もし彼らが私を厳しく追い詰め、
昼間中私を苦しめるなら、
月明かりの下で私を探してくれ。

月明かりの下で私を待っていてくれ。
たとえ地獄が道を阻もうとも、
月明かりの下で君のもとへ必ず行く。」

詳しく知りたい人は原詩をどうぞ(英語)。
The Highwayman | The Poetry Foundation


◆現代に生きる僕は、The highwaymanというとどうしても「高速道路」を思い浮かべますが、アルフレッド・ノイズの書いた詩は(1947年)の作品であり、また挿絵の人物が「馬」に乗っていることン度から考察しても「高速道路」ではないでしょう?では“Highway”とはどんなことを指しているのでしょうか?

結論から言う(Copaくんに聞いた)と、Alfred Noyes の “The Highwayman” に出てくる “highway” は、現代の「高速道路」ではなく、18世紀イギリスの “公道(主要街道)” を意味する、とのこと。
そして “highwayman” は「街道で旅人を襲う馬上の盗賊」 のこと、を指すそうです。

まあ、金品を盗るのが金持ちからだったにしても、法を犯している点では“悪者”ではあるのですが、ここではそうではなく(;^_^A、悪だくみをして金儲けをしている金持ちから、貧しい者たちへ金品を分配している「いいひと」「ヒーロー」って位置づけ、なんでしょうね…!



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(Steivie Nicks)

Released in 1981
From the Album“Bella Donna”

*原詞は太字

Alas he was the highwayman
The one that comes and goes
And only the highway-woman
Keeps up with the likes of those

And she in all her magic
With hands as quick as light
Took him to be a challenge
And went into the night

ああ 彼は街道を渡り歩く男
現れては消えていく ひとなのよ
そんな男に肩を並べられるのは
同じ道を生きる女だけ

彼女は持ちうるすべての魔法を働かせ
光のように速い手つきで
彼を挑むべき相手と見定めて
夜の闇へと駆け出していった

And he in all his glory
Was far ahead of her
But she was never sorry
For wishes that would burn

Enter competition
She chases beneath the moon
Her horse is like a dragonfly
She is just a fool

そして彼は栄光に満ちて
彼女のはるか先を走っていた
けれど彼女は後悔などしない
燃え続ける願いを胸に

競争の世界へ飛び込んでいく
彼女の馬は月の下を駆けていく
蜻蛉のように軽やかで...
彼女はもう夢中になってしまったの

And she wonders is this real
Or does she just want to be Queen
And he fights the way he feels
Is this the end of the dream

彼女は自問する これは現実なの?
それとも私はただ女王になりたいだけ?
そして彼は自分の感情と戦ってる
これは夢の終わりじゃないのか?と


And then he sees her coming
Heartbeats on the wind
Considers slowing down
But then, he could never win

And she, out in the distance
Sees him against the sky
A pale and violent rider
A dream begun in wine

彼は彼女が近づいてくるのを感じる
風が彼女の鼓動を運んでくる
速度を落とそうかと一瞬思う
けれど―彼は彼女に勝てるはずがない

そして彼女は遠くから
空を背にした彼の姿を見つける
蒼ざめた激しさを秘めた乗り手
ワインから始まった夢のようだけど

And she wonders is this real
Or does she just want to be Queen
And he fights the way he feels
Is this the end of the dream

彼女は問いかける これは現実なの?
それとも私はただ女王になりたいだけ?
そして彼は自分の感情と戦ってる
これは夢の終わりなのか?と


A dream as the thunder wakes her
And her highwayman disappears
On a life already lived before
In eyes welled with tears

雷鳴に揺さぶられ
彼女は夢から覚める
そして彼女の“ハイウェイマン”は消えていく
まるで前にも生きたことのあるような
そんな人生の中で
涙がにじみ出た瞳のままで

Today and still today they ride
Will they ever win
He the glory
She the love
Still they try again
He the glory
She the love
Still they try again
He the glory
She the love
And still they try again

今日も そして今もなお
二人は走り続ける
いつか勝利を手にできるのだろうか
彼は栄光を
彼女は愛を
それでも二人はまた挑む
彼は栄光を
彼女は愛を
それでも二人はまた挑む
彼は栄光を
彼女は愛を
そして二人は今日も挑み続ける

(words and Idioms)
welled=(液体が)湧き出た・込み上げた

日本語訳 by 音時

R-26840177-1683300018-5033


なんか曲の終わりの物語が「深い」なぁ…と思いました。

男(highwayman)が求めるものは「栄光」
女(主人公の彼女)が求めるものは「愛」
そう、2人の人生の価値観が違うんです。
でも、それでも一緒に歩んでいこうとする二人...これが彼と彼女の「挑戦」なのかな。

この曲は、愛と自由、そして夢と現実...走る速度や求めるものが違う二人が、それでも互いを追い続ける物語 ...と言えるのかな…。

◆さて、実は、この曲についてのスティーヴィーのコメント、まだあります。
というか、かなりネタバレ。僕にとっては…ちょっと興ざめ感!?(;^_^Aもあったので解説記事としては最後にしました(;^_^A。

The Highwayman - STEVIE NICKS INFO

スティーヴィーのコメントが続きます…。

*******

要するに、ドン・ヘンリーはハイウェイマンそのものです。
私は彼を…私のアイデアはイーグルス、つまりツアー中のことだったんです。当時はまだ私が有名になる前で、あの男性たちにはただただ畏敬の念しか抱けませんでした。私はソングライターで、本当にやりたかったのは、ただの女の子としてではなく、女性ソングライターとして彼らに認められることだったんです。でも、結局、誰からも女の子としてしか認められなかったんですよね。でも、この曲を書いて、ドンが一緒に歌ってくれたんです。デモも作りました。私は彼を「古きハイウェイマン」と呼んでいます。

はい...そうなんですね(;^_^A。
続きます。

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それで、これは物語なんです。基本的には、予知夢のような夢を見る女の子の話です。
彼女はロッキングチェアで眠っていて、目が覚めると、歌の最後にこう歌われます。「雷鳴が彼女を目覚めさせる夢/ハイウェイマンは消える/あるいは、涙で濡れた瞳の中に、すでに生きた人生/今日も、そして今も彼らは馬を走らせる/彼らはいつか勝つのだろうか?/彼は栄光、彼女は愛/それでも彼らは再び挑戦する」――これがドンで、ええと、つまり、私たちは何度も何度も挑戦するんです。

 それはまるで昔ながらの、優雅で、何というか…とてもロマンチックです。この曲でビデオを作りたいんです。だって完璧なんですから。つまり、「遠くの彼女は空を背景に彼を見る/青白い、荒々しい騎手/ワインから始まった夢」という歌詞があるでしょう?そして私は、彼が月を背景に、黒馬に乗って去っていく姿を思い浮かべるんです。

レコーディング
「ドンがドラムを叩いてくれて、その様子をビデオに撮ったんです。ちょっとクールなホームビデオカメラで全部撮影しました。ドン・フェルダーがボトルネック・スライドを弾いて、ドンがドラムを叩いて、デイヴィー・ジョンストンがアコースティックギターを、ベンモントがオルガンを弾いて、その他にも素晴らしいミュージシャンたちが勢揃いしていました。まるで目の前にイーグルスが立っているような気分でした。ドン・ヘンリーとドン・フェルダーがいれば、イーグルスそのものに見えるでしょう?
 レコーディングセッションはどれもとてもロマンチックでした。部屋の真ん中に立って歌いながら、何年も前から一緒に歌っていた、信じられないほど有名な人たちを見つめていたんです。まだ彼らの音楽に深く関わっていた頃は、私は全くの無名でした。

「だから、彼らとファーストアルバムを一緒に作れたなんて、言葉では言い表せないくらいです。まるでホームカミングクイーンになったような気分でした。
 本当に、人生で一番素晴らしい出来事でした。ドン・フェルダーは素晴らしいギターを演奏しました。彼自身もそれを分かっていて、自分が素晴らしかったことを自覚していました。みんな自分が素晴らしかったことを分かっています。だって、そう感じていたから。みんな部屋を出て行ったとき、満面の笑みを浮かべていたんです。」

***********:

 Wikipedia情報では、この曲「The Highwayman」は1975年に書かれたとのこと。スティーヴィーはまだイーグルスと共演する前で、ドン・ヘンリーに憧れてこの曲(の下書き?)を描いていたのでしょう。そして、実際のレコーディングを、ドン・ヘンリーを始め、素晴らしいアーティスト・ミュージシャンに囲まれて「ホームカミングクイーンになった気分」…。これは本当にうれしかったんでしょうね。歌詞のなかで、Or does she just want to be Queen?と歌っているのが、現実になったような想いがしたでしょうね。

 この曲は、やっぱりスティーヴィーが憧れのような想いを抱く“ドン・ヘンリー”にたいしての想いをまとめた曲...ってことなんだろうなあ…。(その一言を最初には言いたくなかったので最後の最後に…笑)


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◆アーリー・テイクバージョン。ドンヘンリーや、Sharon Celani、 Lori Perryの女性のバックコーラスの存在感が大きい感じ。(僕はこっちの方が好きだな)




*********::

さてスティーヴィー・ニックス「Bella Donna」の全曲和訳、いかがだったでしょうか?
女性ソングライターの曲を和訳するのは…僕にはけっこうキツかったけど、スティーヴィー・ニックスというアーティストが僕のなかでしっくり…ときました。

いや、このアルバム、やっぱりいいよ!
そしてこのアルバムを味わうには、この【アルバム全曲和訳】記事の数々はとってもいい!のではないかと思います。(自画自賛)


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