B面4曲めのこの曲 「手紙が欲しい」(Why Don’t You Write Me)。
この曲もやはりアルバムの「名曲」の数々の間にちりばめられた小曲であるには違いないかもしれませんが、いくつか重要なことがあると思います。

◆一つは、ポール・サイモンが初めてレゲエに挑戦した曲であること(と言われてる)です。

Wikipediaにありましたが、ポール・サイモンはこの曲を“スカ”として録音しようとしたようです。2012年7月のMojo誌のインタビューで「ロサンゼルスでアメリカ人ミュージシャンと過ごしたのですが、何かしっくりこなかった」と語っています。
 数年後、ポールは自分自身でレゲエを取り入れた「母と子の絆」(Mother and Child Reunion)を作ります。これは、白人ミュージシャンによるレゲエの要素を顕著に取り入れた一曲となります。

◆もう一つは、当時の2人にとって、歌詞の意味合い、です。

この曲のgenius.comから引用します。

・アルバム『明日に架ける橋』の制作中、アート・ガーファンクルは映画『キャッチ22』に出演するためメキシコへ旅立つことを決意します。サイモンはこの選択に不満を抱き、音楽仲間から全く連絡がないという事実にさらに傷つきました。

・現代の「既読無視」のフラストレーションと同様に、語り手は返事や更なるコミュニケーションの兆候を待ち続けるため、宙ぶらりんの状態にあったように感じます。待つ時間が長引くほど、彼らの疑念と絶望は深まり、たとえそれが拒絶(「あなたは私から離れていく」)であっても、どんな返事でも受け入れてしまうようになります。

ポールはアートからの連絡を待ち、この曲の歌詞では「ヨード剤を半瓶飲んじゃった」(自殺まで考えた)…ようです。

そうしたことがあったことを思うと、実に意味深な歌詞です。
(それを、スカ、の明るいリズムで歌ってしまうのがなんともいえません…)


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Songwriter Paul Simon

Released in 1970 
From the Album“Bridge Over Troubled Water” 

*原詞は太字

Why don’t you write me?
I’m out in the jungle
I’m hungry to hear you
Send me a card
I’m waiting so hard
To be near you

手紙をくれないか?
ジャングルに取り残された気分だよ
きみの声が聞きたくてたまらない
カードを送ってよ
ずっと待ってるから
きみのそばにいたいんだ

Why don’t you write?
Something is wrong
And I know I got to be there
Maybe I’m lost
But I can’t make the cost
Of the airfare

手紙を書いてくれないかい?
何かがおかしいよ
僕はそこに行かなくちゃいけないんだよね
もしかしたら
僕は道に迷ってしまったのかな
だけど飛行機代なんて払えやしないよ

Tell me why, why, why
Tell me why, why, why

どうして手紙をくれないの?
なぜ? なぜ?

Why don’t you write m?
A letter would brighten
My loneliest evening
Mail it today
If it’s only to say
That you’re leaving me

僕に手紙を書いてよ
一通の手紙さえあれば
僕の一番寂しい夜だって明るくなるさ
今日中に投函してよ
ただその内容が
きみから離れるってことであっても

Monday morning, sitting in the sun
Hoping and wishing for the mail to come
Tuesday, never got a word
Wednesday, Thursday ain’t no sign
Drank a half a bottle of iodine
Friday, woe is me
I’m gonna hang my body from the highest tree
Why don’t you write me?
Why don’t you write me?

月曜日の朝  太陽の下に座って
手紙が来るのを待ちわびてる
火曜日  一言も返事がない
水曜日  木曜日  何の兆候もない
ヨード剤を半分も飲んじまったよ
(もうやけっぱちだ)」
金曜日 もう最悪だ
いっそ一番高い木に
ぶら下がってやろうかって気分さ
なぜ手紙を書いてくれないのかな
僕に連絡してくれよ


日本語訳 by 音時


◆Why Don't You Write Me, Simon & Garfunkel, Live in Miami 1969