このブログを始めてもう8年くらいになりますが、まだ取りあげてこなかった洋楽の名曲が数曲あります。その理由は、「好きな曲だから(お楽しみは取っておきたい)」とか「解釈が難しく 後回し」とか、いろいろですが、この曲は和訳する機会をなんだか逸しておりました。

 星船さんのブログで1973年の全米No1曲ということで取り上げていただいたので、訳すタイミングとしては「いま」かな…!

 ビルボードチャート日記  by 星船
 スティーヴィー・ワンダー Stevie Wonder - Superstition 


◆「迷信」…超有名曲ではありますが…【基本情報】をウィキペディアから引用すると…

・スティーヴィーはこの曲を、『トーキング・ブック』のセッションに参加したジェフ・ベックへの返礼のために書いた。
・しかし彼のマネージャーが反対したので、自らレコーディングして同アルバムに収録して先に発表した。ベックの演奏は、当時彼が結成したベック・ボガート & アピスのデビュー・アルバム(1973年)に収録された。スティーヴィーは先に発表したお詫びとして、ベックの1975年のアルバム『ブロウ・バイ・ブロウ』に「哀しみの恋人達」を提供している。


このあたりの経緯、僕の持っている「スティービー・ワンダー 心の愛」(シンコーミュージック)のP.152~155に詳しく載っています。

 ちょっとだけ書くと…アルバム「Taking Book」が完成しモータウンに届けた時、第一弾シングルを何にしようという話になり、スティービーは“迷信”を避けて“サンシャイン”にしたいと言ったそうです。そしたらモータウン側は「おい、正気か?」と言ったそうです。やっぱり「迷信」の出来は誰が聴いてもずば抜けていました。
 スティービーも「僕はベックがやると思っていたんで、いろんな問題が起きることになるとモータウンに言ったんだが、彼らは“問答無用”さ。シングルのリリースは会社の管理下なんだ。トラブルは目に見えてた…」
等々...。

はい、あとは皆さん、本買って読んでね(;^_^A。

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この本を紹介している方のブログへリンク


◆なんといってもこの曲で印象的なのはクラビネット(Clavinet)。弾むような電子キーボードの音が独特です。クラビネットについての説明と弾き方について解説している動画です。



◆“Superstition”...スティービーは「迷信」なんて信じるな!と言っていて、メッセージとしては、自分自身で見て感じて確認したことを信じるんだ!と伝えてるんだろうな、と僕は思います。


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(Stevie Wonder)

Released in 1972
US Billboard Hot100 ♯1
From the Album“Taking Book”

*原詞は太字

Very superstitious
Writing's on the wall
Very superstitious
Ladder's 'bout to fall

そいつは「迷信」さ
壁に書かれた文字なんて
まったく「迷信」だよ
倒れそうなハシゴなんて

Thirteen month old baby
Broke the looking glass
Seven years of bad luck
The good things in your past

13か月の赤ん坊が
鏡を割ったらさ
そっから7年の不運だなんて
良かったことも全部帳消し だぜ

When you believe in things
That you don't understand
Then you suffer
Superstition ain't the way, yeah

自分で理解できないことを
信じ込んでしまうんだ
だから 苦しむことになる
「迷信」なんて信じちゃいけないぜ

Ooh, very superstitious
Wash your face and hands
Rid me of the problem
Do all that you can

ああ  また「迷信」だぜ
自分の顔や手を洗えば
悩みまで洗い流せるなんて
全部やってみるがいいさ

Keep me in a daydream
Keep me going strong
You don't want to save me
Sad is my song

白昼夢の中 に逃げ込んで
俺を強くなった気にさせるけど
救う気なんてないんだよな
だから俺の歌は悲しみばかり

When you believe in things
That you don't understand
Then you suffer
Superstition ain't the way, yeah

信じ込んでしまうのさ
自分で理解もできてないのに
だから 苦しむことになる
「迷信」なんて信じるもんじゃない

Very superstitious
Nothing more to say
Very superstitious
The devil's on his way

まさに「迷信」さ
これ以上 言うことはない
またも「迷信」だ
悪魔が来るなんてさ

Thirteen month old baby
Broke the looking glass
Seven years of bad luck
Good things in your past

13か月の赤ん坊が
鏡を割ったらそれで
そこから7年の不運が続く
良かったことも全部帳消し だぜ

When you believe in things
That you don't understand
Then you suffer
Superstition ain't the way
No, no, no

自分で理解できないことを
信じ込んじゃいけないぜ
自分が苦しむだけになる
「迷信」なんて信じるんじゃないぜ

(Words and Idioms)
get rid of=取り除く、駆除する、一掃する〔不要な人を〕追放する

日本語訳 by 音時


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◆この歌詞を理解するうえで、歌詞のなかで書かれた「迷信」について調べました。
(Copilotくんありがとう)

【1】“Writing’s on the wall” ― 壁に書かれた文字

これは単なる「落書き」ではなく、旧約聖書の『ダニエル書』に出てくる有名な不吉の象徴です。
(元ネタ)
バビロン王国の宴会の最中、突然、壁に“神の手”が文字を書く。その文字は「王国の終わり」を告げる預言だった。

【2】“Ladder’s ’bout to fall” ― 倒れそうなハシゴ

西洋の迷信で「ハシゴの下をくぐると不運が訪れる」というものがあります。
理由は諸説あるようですが、代表的なのは…
ハシゴが壁に立てかけられると三角形ができる
→ 三角形は「聖なる形(キリスト教の三位一体)」
→ その下を通るのは“神聖な空間を乱す”行為
中世では、処刑台のハシゴの下を通るのは死刑囚だけで不吉の象徴になった…ようです。

【3】“Thirteen-month-old baby broke the looking glass” ⁻13か月の赤ん坊が鏡を割る

これは鏡にまつわる迷信と“13”という不吉な数字が重なっているとのこと。

 鏡の迷信「鏡を割ると7年間不運が続く」
古代ローマでは「人の運命は7年周期で変わる」と信じられていたそうです。
鏡は「魂を映すもの」と考えられていた→ 魂を傷つける=7年間の不運。
西洋では 13 は不吉な数字(Friday the 13th など)つまり「不吉 × 不吉」のダブル迷信ということですね。

【4】Wash your face and hands Rid me of the problemー顔や手を洗えば厄が落ちる

これは世界中にある“浄化”についての迷信”ですね。

【5】Keep me in a daydream Keep me going strong⁻ 白昼夢に逃げ込む


これは“迷信”というより「現実逃避」って言う意味かな。


◆その他、この曲に関わるエピソードです。(ウィキペディアより)

・スティーヴィー自ら演奏するドラム・ビートから始まり、続いてリフがクラビネットにより入ってくる。曲中至るところでバス・ドラムが目立つように構成されている。トントズ・イクスパンディング・ヘッド・バンドのマルコム・セシル(Malcolm Cecil)とロバート・マーゴレフ(Robert Margouleff)がモーグ・シンセサイザーでゲスト参加している。

・スティーヴィーは1972年に子供向けテレビ番組『セサミ・ストリート』に出演して、この曲を演奏した。チャック・マンジョーネがトランペットで参加した。





◆ベック、ボガート&アピスの“Superstiton”.