アルバム「シンクロニシティ」からシングルカットされたこの曲。
チャートでは、英国では最高位17位、米国では16位でした。
この曲のWikipediaを見たら、「3rdシングル」と紹介されており、僕の記憶も合っているのですが、Discographyの表は下のような順番に。これは英国でのリリース順のようですね。
米国では“King Of Pain”が2ndシングルで、次が“SynchronicityⅡ”、そして4thが“Wrapped Around Your Finger”ですね。

◆冒頭のMVの監督はゴドリー&クレーム、撮影はロンドン郊外のサウンドステージで、ギター、ドラム、廃材、車の部品、電線などが山積みになった巨大な山の上で演奏するバンドの姿が映し出されます。バンドメンバーそれぞれが高さ約7.6メートルのタワーに立ちました。彼らの下は未来のゴミ捨て場のような雰囲気で、ある場面ではスチュワート・コープランドのタワーの下で火事が起こりました。監督たちはその様子を捉えるためにフィルムを回し続けましたと言います。
湖の映像はネッシーがいると言われる「ネス湖」です。
◆難解なこの曲、Wikipediaにこの曲についてのスティングのコメントが出ていました。(タイム誌インタビュー)
「ユングは人生には大きなパターンがあり、単なる混沌ではないと信じてたんだ。僕たちの曲『シンクロニシティII』は、論理的または因果関係ではなく、象徴的に繋がる二つの並行した出来事について歌ってるんだ。」
サウンド面ではアンディ・サマーズのコメントもありました。
「スタジオでストラトキャスターとマーシャル2台をフル・ボリュームで鳴らし、トラックの再生を待っていたんだ。ヘッドフォンをつけてフィードバックをいじり始めたんだ。6分間、ギターを弾きながら自分の人生が目の前を通り過ぎていくような、まさに叫び声のような音だったんだ!」
「スタジオでストラトキャスターとマーシャル2台をフル・ボリュームで鳴らし、トラックの再生を待っていたんだ。ヘッドフォンをつけてフィードバックをいじり始めたんだ。6分間、ギターを弾きながら自分の人生が目の前を通り過ぎていくような、まさに叫び声のような音だったんだ!」
アンディ・サマーズによると、「Synchronicity II」は当初、アルバム『Synchronicity』収録の「Synchronicity I」の直後に、短いインストゥルメンタル曲をつなぎとして収録する予定だったそうです。
「『シンクロニシティ』には『ザ・ロック』というセクションがあって、それを僕たちはハ長調にデチューンしたんだ。すると、素晴らしい音の広がりが生まれた。美しい音色だ。その上にアコースティックギター、シンバル、オーボエを重ねて、実に穏やかな音色に仕上げた。『シンクロニシティ I』の最後、ネス湖の怪物に使う予定だったんだけど、そこから『シンクロニシティ II』に繋げる予定だったんだ。でも、うまくいかなかった。マイルス(・コープランド)は気に入らなかったんだ…彼にはサイケデリックすぎると。」
曲自体は歌詞もスティングのものだけど、アルバムを作るにあたっては、やっぱりグループとしての意見で決まっていったのかなと思います。
◆アルバム「シンクロニシティ」と当時のポリスの状況はこの記事に詳しいです。曲自体は歌詞もスティングのものだけど、アルバムを作るにあたっては、やっぱりグループとしての意見で決まっていったのかなと思います。
ザ・ポリス(The Police)『Synchronicity』は〈エベレスト〉な名盤だ。
40周年盤から振り返る収録曲秘話や後世への影響
(Mikiki by Tower Records)2024年08月01日

(Sting)
Released in 1983
US Billboard Hot100 ♯16
From the Album“Synchronicity”
*原詞は太字
Another suburban family morning
Grandmother screaming at the wall
We have to shout above the din of our rice crispies
We can't hear anything at all
郊外のとある家族の朝の話
ばあちゃんが壁に向かって叫んでいる
“ライスクリスピー”(シリアル)の
パチパチいう音にかき消されないよう
こっちも声をはりあげるが
パチパチいう音にかき消されないよう
こっちも声をはりあげるが
何も聞こえないんだ
Mother chants her litany of boredom and frustration
But we know all her suicides are fake
Daddy only stares into the distance
There's only so much more that he can take
Many miles away something crawls from the slime
At the bottom of a dark Scottish lake
母親は退屈と苛立ちを延々と繰り返す
彼女の自殺騒ぎは全部ポーズだってわかってる
父親はただ遠くを見つめるだけ
もうこれ以上持ちこたえられないよ
遥か彼方で何かがスライムから這い上がってくる
暗いスコットランドの湖の底でね
Another industrial ugly morning
The factory belches filth into the sky
He walks unhindered through the picket lines today,
He doesn't think to wonder why
こちらは ひどすぎる 工業地帯の朝の話
工場は汚物を空に吐き出してる
今日も彼はストライキの列に
邪魔されることなく歩く
なぜか?なんて考えようともしない
邪魔されることなく歩く
なぜか?なんて考えようともしない
The secretaries pout and preen
like cheap tarts in a red light street,
like cheap tarts in a red light street,
But all he ever thinks to do is watch,
And every single meeting with his so-called superior
Is a humiliating kick in the crotch
Many miles away something crawls to the surface
Of a dark Scottish loch
秘書たちはふくれっ面で服装を整える
赤線街の安っぽい女みたいに
赤線街の安っぽい女みたいに
でも彼はただ見ているだけさ
いわゆる上司とのミーティングはどれも
股間を蹴られるような屈辱だ
一方
遥か彼方で何かが水面に這い上がってくる
遥か彼方で何かが水面に這い上がってくる
暗いスコットランドの湖の出来事
Another working day has ended
Only the rush hour hell to face
Packed like lemmings into shiny metal boxes
Contestants in a suicidal race
また一日の仕事が終わった
あとはラッシュアワーの地獄に立ち向かう
まるでレミングのように
ぴかぴかの金属の箱に詰め込まれるんだ
ぴかぴかの金属の箱に詰め込まれるんだ
まるで自殺レースの出場者みたいだ
Daddy grips the wheel and stares alone into the distance
He knows that something somewhere has to break
He sees the family home now, looming in his headlights
The pain upstairs that makes his eyeballs ache
Many miles away there's a shadow on the door
Of a cottage on the shore
Of a dark Scottish lake
父親はハンドルを握りしめ 一人遠くを見つめる
どこかで何かが壊れなくちゃと分かっている
ヘッドライトに照らされた自宅が目の前に迫る
二階の“痛み”が
目玉を軋ませるほど彼を締めつける
目玉を軋ませるほど彼を締めつける
何マイルも離れたドアに影が差す
湖畔のコテージの影が
スコットランドの暗い湖の影が
Many miles away
Many miles away
Many miles away
Many miles away
Many miles away
Many miles away
picket line (s)=労働者が目に見える形で抗議活動を行うために、特定の場所で人々が並んで列を作ること
preen =〔鳥がくちばしで〕羽繕 をする 〔人が〕身繕 いをする
tarts(タルト=果物やクリームなどを詰めた甘い焼き菓子。スラング→意地悪な女性、売春婦
lemming=タビネズミ。夜行性。北欧に分布。数年ごとに大繁殖し、群れをなして大移動をする。
日本語訳 by 音時
何マイルも離れた場所で
何かが起こってる
何マイルも離れた場所で
何かが起きている
何マイルも離れた場所で
何かが起こってる
(Words and Idioms)picket line (s)=労働者が目に見える形で抗議活動を行うために、特定の場所で人々が並んで列を作ること
preen =〔鳥がくちばしで〕羽繕 をする 〔人が〕身繕 いをする
tarts(タルト=果物やクリームなどを詰めた甘い焼き菓子。スラング→意地悪な女性、売春婦
lemming=タビネズミ。夜行性。北欧に分布。数年ごとに大繁殖し、群れをなして大移動をする。
日本語訳 by 音時

「シンクロニシティ」とは、一見偶然のように思える出来事がその意味を通して繋がっているという理論。心理学者カール・ユングは、超常現象を説明するために創った用語です。
「とある郊外の家庭」の様子...祖母や母親の不平不満がうずまいていて、それを延々と聞かされる父親。彼は満員電車で死にそうになりながら会社へと向かい、会議でも上司に屈辱的な仕打ちをされている。帰る町では、何かを抗議するストライキも行われているが、なんで?なんて関心も持たない。
最寄り駅には車が置いてあるのかな?家に帰る途中、近づくにつれだんだんユーウツに…2階にいる妻の愚痴をまた延々と聞かされると思うと、眼球がずきずき痛くなってくる…。
...こうした労働者の生活が町では繰り返されるその一方で、何マイルも離れたスコットランドの湖では何かが湖の底の粘土から這い上がってきている…それは何かのモンスター?
「シンクロニシティ」理論で言うと…
・工場での汚物 → 考えようともしない住民→湖の汚染→モンスターの誕生?
というすべてが関連していることを暗示?
または、
・「湖からモンスターが現れる」ことと「家庭内で耐えられなくなった父親が爆発!」することの予見なのかな?と思いました…。
◆「コパ君」はこの曲についてどう思ってる?
すると「コパ君」は冷静にこんな風に言いました。
郊外の家庭や労働者の日常が静かに崩れていく一方で、遠いスコットランドの湖では“何か”が目覚めつつある。日常の鬱屈と見えない破局を対比させた、不穏で寓話的な物語だよね。
なるほど「日常の鬱屈」と「見えない破局」の対比か...。
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