A面ラスト前は“Highway Patrolman”。(LPレコードでは、A面6曲、B面4曲なんですね…)

PVがありますね。 パトカーが逃走する犯人を追いかけて、そして犯人らしき男を撃つ警察官。
ここでイントロが流れ出し…撃った男のアップの表情...なかなかショッキングなPVです。

その後、彼と思われる子どもの幼い頃やオフショットの映像が出てきます...。
ブルースは静かにアコギとブルースハープで歌います。

◆Wikipediaより:
「ハイウェイ・パトロールマン」は、法を執行する義務と血縁関係に結びついた家族の忠誠心を対比させている。ジョー・ロバーツという名の正直な警察官が、犯罪を犯した自分の兄弟を警察に突き出すか、釈放するかの選択を迫られ、最終的に後者を選んだ物語である。


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(Bruce Springsteen)

Released in 1982
From the Album“Nebraska”

*原詞は太字

My name is Joe Roberts
I work for the state
I'm a sergeant out of Perrineville
Barracks Number 8
I always done an honest job
As honest as I could
I got a brother named Frankie
And Frankie ain't no good

俺の名はジョー・ロバーツ
州の役所で働いてる
ペリネヴィルの第8兵舎に所属する警察官
いつも正直に働いてきた
できる限り正直にね
俺にはフランキーという弟がいる
フランキーは素行がよくないヤツさ

Now, ever since we was young kids
It's been the same comedown
I get a call on the shortwave
Frankie's in trouble downtown
Well, if it was any other man
I'd put him straight away
But when it's your brother
Sometimes you look the other way

俺たちは 子どもの頃からずっと
同じような落ち込みを味わってきた
無線連絡が入って来たんだ
フランキーがダウンタウンで
トラブルを起こしてるってさ
ああ 他のヤツだったら
すぐに牢屋にぶち込むところだが
それが兄弟ってこととなると
見て見ぬふりをすることもある

Yeah, me and Frankie laughing and drinking
Nothing feels better than blood on blood
Taking turns dancing with Maria
As the band played "Night of the Johnstown Flood"
I catch him when he's straying
Like any brother would
A man turns his back on his family
Well, he just ain't no good

そうさ 俺とフランキーは笑って酒を飲む
血のつながりがあることほど気持ちいいことはない
バンドが「ジョンズタウン洪水の夜」を演奏する中
俺たちはマリアと交互に踊った
ヤツが道を外れそうになったら
俺は気づいて引き戻してやる
どんな兄弟でもそうするようにな
家族に背を向けるようなヤツ
ああ アイツはダメなんだ


Well, Frankie went in the army
Back in 1965
I got a farm deferment
Settled down, took Maria for my wife
But them wheat prices kept on dropping
'Til it was like we were getting robbed
Frankie came home in '68
And me, I took this job

そう フランキーは軍隊に入った
1965年のことだった
俺は農場で働いた執行猶予が下りて
マリアと結婚し所帯を持った
だけど 小麦の値段は下がり続けた
まるで泥棒に入られたみたいだった
フランキーは68年に帰郷して
そして俺はこの仕事に就いた

Yeah, we're laughing and drinking
Nothing feels better than blood on blood
Taking turns dancing with Maria
As the band played "Night of the Johnstown Flood"
I catch him when he's straying
Teach him how to walk that line
A man turns his back on his family
He ain't no friend of mine

そうさ 俺たちは笑って酒を飲んでる
兄弟っていうのは何よりも気持ちいい
マリアと交互に踊るなか
バンドが「ジョンズタウン洪水の夜」を演奏
ヤツが道を踏み外しそうになったら
俺がヤツを捕まえて
あの境界線を歩く術を教えてやる
家族に背を向けるようなヤツは
俺の友だちじゃない

Well, the night was like any other
I got a call 'bout quarter to nine
There was trouble in a roadhouse
Out on the Michigan line
There was a kid lying on the floor, looking bad
Bleeding hard from his head
There was a girl crying at a table
And it was Frank, they said

ああ いつもと何ら変わらない夜
9時15分頃 無線が入って来た
ミシガン州の州境に近い飲食店で
トラブル発生とのことだ
若いヤツが床に倒れて 重症の様子
頭からひどく血を流していた
テーブルで泣いている女の子がいて
「フランクがやった」と言っていた

Well, I went out and I jumped in my car
And I hit the lights
Well, I must've done a hundred and ten

それで 俺は外に出て車に飛び乗った
明かりを点けて
110マイルは走ったはずさ


Through Michigan County that night
It was out at the crossroads
Down 'round Willow Bank
Seen a Buick with Ohio plates
Behind the wheel was Frank

Well, I chased him through them county roads
'Til a sign said
"Canadian border, five miles from here"
I pulled over on the side of the highway
And watched his tail lights disappear

あの夜 ミシガン郡を抜けて
交差点のウィローバンクあたり
オハイオナンバーのビュイックを見つけた
運転してたのはフランクだった

郡道を走り抜けてヤツを追いかけた
「カナダ国境まで ここから5マイル」
という標識が目に入った
俺は 高速道路の脇に車を停めて
ヤツのテールランプが消えるのを見送った


Me and Frankie laughing and drinking
Nothing feels better than blood on blood
Taking turns dancing with Maria
As the band played "Night of the Johnstown Flood"
I catch him when he's straying
Like any brother would
A man turns his back on his family
Well, he just ain't no good

俺とフランキーは笑いながら酒を飲んでる
血縁関係より気持ちいいことはないよな
マリアと交代で踊るなか
バンド演奏は「ジョンズタウン洪水の夜」
ヤツが道を踏み外したら俺が捕まえる
どんな兄弟でもそうするだろう
自分の家族に背を向けるようなヤツ
ああ アイツはろくでなしだ…

(Words and Idioms)
shortwave=短波
put him straight away=彼をすぐに正す
straying=迷い出た, (動詞)迷い出る 
farm deferment =農場で働いていることによる徴兵猶予
*農業は国の食糧供給に不可欠だったため、農場労働者は兵役を免除・延期されることがあった
Roadhouse=高速道路や主要道路の近くに位置し、旅行者を対象とした飲食店や宿泊施設
Buick=1903年にアメリカのビュイック・モーター・カンパニーによって設立された自動車ブランド

RBuick

Behind the Wheel=運転席に居る
pull over=車を路肩に停車する

日本語訳 by 音時


Springsteen_–_Deliver_Me_from_Nowhere_(poster)


「カナダ国境まで ここから5マイル」という標識
 高速道路の脇に車を停めてヤツのテールランプが消えるのを見送った…

ジョーはおそらくカナダ側にフランキーを逃がしたんだろうな…。

一部、歌詞で

I catch him when he's straying
Teach him how to walk that line

“line”の歩き方を教える…と歌っているのが「州境(line)」を越えて逃がす、ことを匂わしてるように思いました。(こういうところが優れたソングライティングですよね)

◆いつまでもトラブルを繰り返す弟フランキーも「家族に背を向ける ろくでなし」とののしる一方で、「家族に背は向けられない」と「弟を逃がす」自分自身についても肯定してるわけじゃないでしょう…。

 ただ、ブルースは「ネブラスカ」や「ジョニー99」などの犯罪事件について、犯人の家族との人間関係を考えたんじゃないかな。そしてこの曲は「犯罪者の兄弟など血縁関係にある者たち」をイメージして歌ったんだろうと思いました。


◆Songfactsからの情報です。

歌詞「バンドがジョンズタウン洪水の夜に演奏した時」は、1889年5月21日の夜、ペンシルベニア州ジョンズタウンを襲った洪水について歌っています。この洪水は、上流15マイル(約24キロメートル)のサウスフォークダムを決壊させた猛烈な嵐によって引き起こされました。2,000万トンの水が町を飲み込み、2,000人の命が失われました。長年にわたり、この洪水を題材にした歌がいくつか作られてきましたが、スプリングスティーンが言及しているのは、マック・ムーディーが1963年に作曲した伝統的なフォークソング「ジョンズタウン洪水」のことではないかと考えられています。

◆ ネブラスカのアルバムは全10曲なので、5曲終わったこの曲でA面終わりかと思ったら、次の“State Trooper"までがA面だったんですね。(A面6曲、B面4曲)このあたりもブルースの意図があるのかなあ…。