73歳になったスティーヴン・ビショップ。

8月15日にリリースを予定している20枚目のアルバム「THIMK」を最後の作品として、音楽に携わってきた彼の50年の幕を閉じる予定です。
 まだ先行シングルとして発表されたこの曲しか聴いてはいませんが、このアルバムには彼の人生の物語が凝縮されていて、また、スティーヴンの友人や過去に共に仕事をした経験を持つ豪華アーティストたちが参加しています。

◆アート・ガーファンクル、ジミー・ウェッブ、グラハム・ナッシュ、デイヴ・グルーシン、マイケル・マクドナルド、ケニー・ロギンス、クリストファー・クロス、デヴィッド・パック、ジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、マリリン・マーティン、エリック・クラプトン、スティング…などなど、すごい顔ぶれです!

◆特にこの先行のデジタル・シングルとなった“Now That I’ve Hit the Big Time”(今やようやく僕も有名になったよ)はギターにはエリック・クラプトン、バックボーカルにはスティングが参加。
 この曲をスティーヴンが書いたのは1970年代初頭とのこと。彼の母親への想いを歌にしたようです。


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(Stephen Bishop)

Released in 2025
From the Album“THIMK” 

*原詞は太字

She picked me up in her station wagon
We drove on down Fairfax avenue
I bought her thanksgiving dinner at Thrifty's
And I bought her an ice cream sundae too

母はステーションワゴンで迎えに来てくれて
フェアファックス通りを走り続けたもんさ
僕は スリフティーズで母に
感謝祭のディナーとそれから
アイスクリーム・サンデーもおごったよ

We talked about the way it was
When I was living at home
And how it was, and what we were
If I had enough underwear

僕たちはあの頃のことを話した
僕が実家に住んでた頃のこと
どんな暮らしで  僕たちがどんなだったかとか
下着はしっかり足りてたかとかね

We talked about the man she married
My father and my brother
Seems like we never talk about no other

おしゃべりしたんだ
母が結婚した男のこと
父のこととか 兄貴のこと
そんな話ばかりで 他のことに
ちっとも話題がいかなかったみたいさ

Dear ol' mom
She did me no harm
And now that I've hit the big time
Seems like the big time still hasn't hit me

愛しい 母さん
ずっと僕に良くしてくれた
そしていま 僕は有名になったんだけど
なんだかまだ あまり実感がないんだよ


She told me to shave the stuff off my face
Get a job and face tomorrow
But I keep trying these same old record people
With there bushy hair, there plucked out eyebrows
They say the rich get richer
The poor get poorer

母さんはよく言ってた
顔のひげを剃りなさいとか
仕事に就いて  明日を見つめなさい とか
でも 僕は試してるのさ
おなじみのレコード会社の
あのふさふさした髪と眉毛を抜いた人たちをね
金持ちはますます金持ちになり
貧乏人はますます貧乏になるって言われるけれど

Well, I'm somewhere in between in the middle
I'm tired of playing second fiddle
To these dreams
These dreams of mine

まあ 僕はその中間くらいのどこかにいるよ
こんな夢の脇役を演じるのはもう疲れたよ
僕の夢もいろいろあったけど

Dear ol' mom
She did me no harm
And now that I've hit the big time
Seems like the big time still hasn't hit me

愛しい母さん
母さんは僕を大事にしてくれた
今はなんとか僕も売れるようになったけど
自分としてはそんな実感はまだ湧いてないんだよ

So drop me off there's so much to do
Before I hit the big time
That's right I'm there already
Well, we've had a nice day

“このへんで降ろしてよ
まだまだ売れるために
やるべきことがたくさんあるんだよ
そうさ 僕はもう大丈夫だから
ああ 今日は素敵な一日だったよね“

Come around anytime, but then
Don't ask me what I'm doing
Ever
Again
Don't ask me what I'm doing
Ever
Again

いつでも来てよ  でもその時は
僕が仕事 何してるかなんて聞かないで
覚えてよ
シンガーなんだって
僕が何してるかなんて聞かないで
覚えていてよ
夢がかなったんだよ


(Words and Idioms)
hit the big time =大成功する、とても有名になる
Pluck out=抜取る;抜きとる
play second fiddle=二番目のフィドルを弾く
【他の誰かよりも重要でない、または弱い立場にあること】

日本語訳 by 音時

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◆後半、ちょっと意訳をはかりました。70年代初期にこの曲を書いたとありますが、歌詞のすべてがその頃(=スティーヴンが売れるまえ)に書かれたとなると、ちょっと歌詞と時制が矛盾するような?(僕が成功したときのことを考えて書いた、とも言えるかもしれませんが…?)。
まあ、でも「下着が足りてるか」とか「ひげを剃れ」「仕事には就け」とか世話焼きで、車で送り届けてくれるいい母さんです。

そんな想い出を元に、その頃書いた曲を、現在のスティーヴンの母への気持ちを書き足して完成させたんじゃないかなあ。

冒頭に貼ったMVが歌詞とともにイラストが描かれていて、物語を和訳するのにイメージを沸かせてくれました。

 歌詞の最後に「Don't ask me what I'm doing(僕が何してるか 聞かないで)」とあるのは、お母さんが年齢柄、やはり忘れっぽくなってしまっている? スティーヴンがアルバム「ケアレス」でブレイクしたり、ソングライティングした“Separate Lives”が映画の主題歌になって全米1位になったとか、さすがにお母さんも当時喜んでくれただろうと思うのですが、息子がミュージシャンとして成功したことも忘れて「おまえ何仕事してるんだっけ?」と何回も聞いてくるような…^_^;。
 そういうことって…あるだろうな…。

それでも母親に感謝し、いつまでも大切いしたい息子としての想い、クラプトンのギターとスティングのコーラスがより素敵な曲に仕上げてくれていると思います…。


◆このアルバムのニュースのなかで、スティーヴンのコメントが出ていました。ニューアルバムについて、そしてなぜこれが最後のスタジオアルバムとなることを決めたのかについても語っています。

「50年にわたる音楽のレコーディングとパフォーマンスを経て、音楽キャリアのこの章に終止符を打つ時が来たと思ったんだ。20枚目にして最後のアルバムとなるTHIMKは、友情、レガシー、そしてこの長く素晴らしい道のりを共に歩んできたすべての人々への祝福なんだ。」

「ここ数年、手の関節炎が少し悪化したので、この最後のアルバムには、まだできるうちにすべてを出し切りたいと思ったのさ。このアルバムを誇りに思うし、好きなことを人生でできる機会に感謝しているよ。」

「『THIMK』は単なる音楽的な送別作品ではないんだ。ファン、コラボレーター、そして歌に捧げた人生へのラブレターだよ。聴いてくれて、応援してくれて、そしてこの長く素晴らしい道のりに加わってくれてありがとう」

◆ちなみにアルバムタイトルの「THIMK」。

「THINK」じゃなくて“N”じゃなくて“M”。
これはスティーヴンが1980年代に購入した風変わりなピンバッジについていた名前であるとのこと。

「THIMKは“think”と同じように発音するけど、“M”が付くんだ。僕は変わったピンバッジを集めるのが好きで、当時はたくさんつけていたんだ。このピンバッジは今でも忘れられない。」

「何年もの間、THIMKをアルバムタイトルに使うことを考えてたんだ。だけど結局はあまりにも奇抜すぎると判断して…。数年経って、妻がそのTHIMKのピンバッジを見つけて僕と同じように、面白くて風変わりに感じ、付けることになったんだ。興味深いことに、THIMKという言葉は、映画「タクシードライバー」にも登場していたことが最近分かったんだ」

えっそうなんだ。「タクシー・ドライバー」大昔観る機会あったけど、覚えてない…(;^_^A。誰か、教えてくれるとありがたいです…(;^_^A。

◆スティーヴン・ビショップ、そしたらもうビルボードライブの来日は難しいかな…。
2017年に観ることができて…ヨカッタ…。でももう一回観たいな…。

その時のライブ・レポートです。“On And On”も“It Might Be You”…も懐かしい…。
ビルボード・ライヴもレイパーカーJr.、クリストファー・クロスと目白押しだったところ、やっぱりステーヴン・ビショップを選びました!(;^_^A

Stephen Bishop @ Billboard Live Tokyo 2017 行ってきました

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