1曲目のタイトルトラック“Running On Empty”が終了すると、ジャクソンが静かに語りかけるようなこの曲“The Road”が始まります…。タイトルも“The Road”とミュージシャンのツアーの生活のことをそのまんま歌った曲、ということですね。

◆この曲、スタジオレコーディングのような感じがしますが、途中2分53秒あたりでブレイクが入り、観客の声、ああ、ライブレコーディングだったんだな、と気が付きます。
(ジャクソン一行が宿泊していたホテルでのレコーディングと、9月7日のニュージャジー州でのライブ音源をつなぎ合わせて一曲にしているようです)

この曲のSongfactsページの解説によると、「The Road」がアルバムの2曲目として「Running On Empty」に続いて配置された曲順は「意図的」。

 「Running On Empty」はブラウンとバンドがステージに登場した瞬間に高まるアドレナリンによって推進されている。この曲の前後には観客の歓声が聞こえるが、その後フェードアウトし、「The Road」ではブラウンがデヴィッド・リンドレーのフィドルの伴奏で静かに歌う。最初の3分間はスタジオ録音のように聞こえるが、その後観客が歓声を上げ、バンドがフルで登場し、再びショーのステージに戻る。これは、ショーが始まるまでの過程とバンドがステージに登場した時のコントラストを表現することを意図している。


◆おや?僕はジャクソンのオリジナルかと思っていたら、違うんだ。
作者ダニー・オキーフ(1943年5月20日生まれ)は、アメリカのフォークシンガー兼ソングライター。
1968年、オキーフは4人組のヘヴィ・サイケデリック・ロックバンド「カリオペ」のメンバーでしたグループは解散前に、ブッダ・レコードでアルバム『Steamed』を1枚レコーディングしました。

s-RunEmpty


(Danny O'Keefe) 

Released in 1977
From the Album“Running On Empty” 

*原詞は太字

Highways and dancehalls
A good song takes you far
You write about the moon
And you dream about the stars

Blues in old motel rooms
Girls in daddy's cars
You sing about the nights
And you laugh about the scars

ハイウェイとダンスホール
いい歌はきみを遠くへ連れて行く
きみは月について曲を書き
星を夢見てる

古いモーテルの部屋でブルース
女たちは 父親の車に乗ってる
きみは夜のことを歌い
傷跡のことを笑い飛ばす


Coffee in the morning
Cocaine afternoons
You talk about the weather
And you grin about the rooms

Phone calls long distance
To tell you how you've been
You forget about the losses
You exaggerate the wins

朝はコーヒー
午後はコカイン
きみは天気のことを話し
部屋でニヤリと笑ってる

長距離電話は
きみの様子を伝えてくれる
負けたことは忘れるけど
勝った時は 大げさに言うんだ

And when you stop to let 'em know
You've got it down
It's just another town along the road

立ち止まって知らせようとする時
きみも実感するんんだ
ここは道沿いにあるただの町なんだって


The ladies come to see you
If your name still rings a bell
They give you damn near nothin'
And they'll say they knew you well

So you tell 'em you remember
But they know it's just a game
And along the way their faces
All begin to look the same

女たちがきみに会いに来る
もしきみの名前がまだ耳に残っていたら
彼女たちはきみにほとんど何も与えない
だけどきみをよく知っていたと言うだろう

だからきみは覚えていると伝える
でも彼女たちにはそれはただのゲーム
そして途中で彼女たちの顔は
最初から皆同じなのさ

And when you stop to let 'em know
You got it down
It's just another town along the road

立ち止まり わかってもらおうとして
きみは思い出すんだ
ここはただの道沿いの町なんだって


Well it isn't for the money
And it's only for a while
You stalk about the rooms
And you roll away the miles

Gamblers in the neon
Clinging to guitars
You're right about the moon
But you're wrong about the stars

いいやお金のためじゃない
ほんの少しの間だけ
きみは部屋をうろついて
そして 何マイルも走り去る

ネオンに照らされたギャンブラー
ギターにしがみついてるんだ
月についてはきみは正しいけど
星については間違ってるよ

'Cause when you stop to let 'em know
You got it down
It's just another town along the road

だって止まって わかってもらおうとして
きみは理解したのさ
ここは ただの道沿いの町なんだ

(Words and Idioms)
exaggerate- (…を)(実際以上に)大げさに言う、誇張する

日本語訳 by 音時

R-4989610-1398712457-4762

ミュージシャンにとっての「ロード」。

ファンの僕らはその日を楽しみに仕事もそうそうに切り上げて、はやる気持ちを抑えながら会場に向かい、そして思い切り楽しむ特別な日、ですが、ミュージシャンにとってはそれが生活。何日もいろんな町を渡り歩きながらセットリストを演奏し歌う…。ホテルでの生活、見知らぬ人々に毎日会って…とても不自由で…。こんな気持ち…なんですね。
(想像するだけですが、わかったような気持ちになります)

◆こちらもSongfactsから…

この曲の作者は、1972年に「Good Time Charlie's Got The Blues」でヒットを飛ばしたダニー・オキーフです。「The Road」はあのヒット曲の後に書かれたように聞こえますが、実際にはもっと前に作曲されたものです。この曲はオキーフの運命を予兆していました。

 彼はヒット曲のプロモーションツアーで、この曲を体現することになったのです。Songfactsのインタビューで、ダニー・オキーフはこう語っています。「僕にとってツアーとは、基本的に6週間もツアーに出ることだった。6週間も経つと、大抵はツアーにうんざりして、ひどく疲れ果て、貧乏になっていた。なぜなら、長期間ツアーに出続けなければ、バンドを率いているとかかる費用を回収するのは非常に難しいからだ。」


◆ダニー・オキーフ“Good Time Charlie's Got The Blues”(1972年 全米9位)