ニール・セダカの「The Immigrant」(イミグラント)。
タイトルにもなっているこの単語は、僕はレッド・ツェッペリンⅢの「移民の歌(The Immigrant Song)」で覚えました。同じっていう人も少なくないでしょう。
この曲、ニールセダカとフィル・コーディの共作で歌詞は主にフィルが書いていますが、もとはと言えば1930年にシチリア島からアメリカに移住した、フィルの父アンソニー・フェリシオットへのトリビュートとして書かれたようです。またニールはこの曲をジョン・レノンのために書いたと言っています。ジョンがグリーンカードを取得するのにとても苦労していたことから制作に至った、とのこと。
◆古くは、コロンブスが発見したアメリカ大陸。アメリカは、それ以降、ヨーロッパの人々が移民として居住し、様々な人種の人々が集まる国として発展してきました。まさしく移民大国と呼ぶに相応しい国となりました。
この曲は、アメリカが世界中の移民にとって希望の光だった時代、そしてその夢が過ぎ去った時代を歌っているんだろうと思います…。

Songwriter(s) Neil Sedaka, Phil Cody
Released in 1975
US Billboard Hot100 #22
From The Album“Sedaka's Back”
*原詞は太字
Harbors open their doors
to the young searching foreigner
Come to live in the light of the big L of liberty
Plains and open skies,
bill boards would advertise
Was it anything like that when you arrived?
Dream boats carried the future
to the heart of America
People were waiting in line
for a place by the river
港は 若くて探究心を持つ外国人に門戸を開く
みんな 自由の大きな光のもとに
生きようとやってくる
平原と広大な空 看板には広告が溢れるアメリカ
きみが来た時も そんな感じだったかい?
夢の船が夢のある未来を
アメリカの中心へと運び
人々は河のそばに居場所を求めて列をなした
It was time when strangers were welcome here
Music would play
They tell me the days were sweet and clear
It was a sweeter tune,
and there was so much room
That people could come from everywhere
かつては 初めて足を踏み入れた人が
歓迎されていた
いつだって音楽が流れて
人々は 優しく澄み切った日々だったと言う
さらに甘美な調べが流れ
空間はありあまるほどあって
どこからでも人々がやって 来られるほどだった
Now he arrives with hopes,
and his heart set on miracles
Come to marry his fortune
with a hand full of promises
To find they've closed the door,
they don't want him anymore
There isn't any more to go around
Turning away,
he remembers he once heard a legend
That spoke of a mystical,
magical land called America
いま彼らは希望を胸に
奇跡を待ち望んでやって来た
幸運と結婚するために
約束の手を握りしめて来たのさ
ところが扉は閉ざされ
もう彼らは必要とされていないことに気づいた
もう何も残っていない
振り返りながら
かつて聞いたことのある伝説を思い出す
そこでは アメリカと呼ばれる
神秘的で魔法のような国について語られていた
It was time when strangers were welcome here
Music would play
They tell me the days were sweet and clear
It was a sweeter tune,
and there was so much room
That people could come from everywhere
かつては初めての人がここに歓迎されていた
いつだって音楽が流れて
人々は 優しく澄み切った日々だったと言う
さらに甘美な調べが流れ
空間はありあまるほどあって
どこからでも人々がやって 来られるほどだった
(Words and Idioms)
set one's heart on …に望みをかける、…に熱中する、…したいと心に決める
日本語訳 by 音時

◆1st Verseはアメリカに次々と移民がやってくる時代の光景が歌われているのだろうと思います。皆、自由な国で新しい出発をしようと、夢を大きくもってやってきました。
そしてアメリカも初めて足を踏み入れる人々を受け入れ...。
ところが2nd Verseになると状況が一変します。
扉は閉ざされ 、もう移民たちが歓迎されることはなくなっています。
1st Verseからだいぶ時が経った何年のことでしょうか。
その時かつて聞いたことのある伝説を思い出します。
It was time when strangers were welcome here
Music would play
The days were sweet and clear
It was a sweeter tune,
and there was so much room
That people could come from everywhere
かつてはここもそんな時代があったんだ...。
たとえいま、どんなに暗い時代であっても、必ずかすかな光はあり、新たなスタートを切ることができる希望がある、そんな精神を思い出したい、ニールは1975年にそう歌って呼びかけたんじゃないかなと思います。
和訳にあたっては、こちらのサイトを参考にしました。
Meaning of The Immigrant by Neil Sedaka
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