コステロの全米でのヒットは、1983年の‘Everyday I Write The Book’(全米#36位)から6年後、アルバム「スパイク」からのこの曲‘ヴェロニカ’。このポップな曲が前回の最高位を大きく上回り、1989年に6月に最高位#19位を記録しました。
◆この曲が最高位19位を記録した週のビルボードチャートです。
US Top 40 Singles Week Ending June 24, 1989
TW LW TITLE Artist – Weeks on Chart (Peak Position)
1位はNKOTBに代わってリチャード・マークス。ベットの‘愛は翼に乗って’はいい曲だったのですが、2位で力尽きて6位に後退しました。ナタリー・コールの9位もいい曲だった。僕は10位のウォーターフロント、好きだったなぁ。
1 4 SATISFIED –•– Richard Marx – 8 (1)
2 1 I’LL BE LOVING YOU (FOREVER) –•– New Kids On The Block – 13 (1)
3 5 BUFFALO STANCE –•– Neneh Cherry – 13 (3)
4 6 BABY DON’T FORGET MY NUMBER –•– Milli Vanilli – 9 (4)
5 7 GOOD THING –•– Fine Young Cannibals – 8 (5)
6 2 WIND BENEATH MY WINGS –•– Bette Midler – 17 (1)
7 9 THIS TIME I KNOW IT’S FOR REAL –•– Donna Summer – 10 (7)
8 3 EVERY LITTLE STEP –•– Bobby Brown – 14 (3)
9 12 MISS YOU LIKE CRAZY –•– Natalie Cole – 11 (9)
10 10 CRY –•– Waterfront – 12 (10)
19 23 VERONICA –•– Elvis Costello – 10 (19)
◆作者にご注目! この曲はコステロとポール・マッカートニーの共作。バックでヘフナーでベースを弾いているのはポールですよ!
1989年、ポールとコステロは電話を通じて知り合って、多くの曲を共作しました。うち4曲はポールのソロアルバム「フラワー・イン・ザ・ダート」に、2曲はこの「スパイク」に収録されました。
ん?この曲はポールが関わってるのか...と思うと、歌詞はあのポール作のビートルズの名曲「エリナー・リグビー」を思い出させます…。

Songwriter(s) Elvis Costello, Paul McCartney
Released in 1989
US Billboard Hot100#19
From The Album‘Spike’
*原詞は太字
Is it all in that pretty little head of yours?
What goes on in that place in the dark?
Well I used to know a girl and I would have sworn
that her name was Veronica
that her name was Veronica
みんなきみのそのかわいい頭で考えたことかい?
暗闇のその場所で何が起こってるんだい?
ああ 昔 ある女の子を知っていたんだ
彼女の名前はヴェロニカって言ってたよ
彼女の名前はヴェロニカって言ってたよ
Well she used to have a carefree mind of her own
And a delicate look in her eye
These days I'm afraid she's not even sure
if her name is Veronica
if her name is Veronica
ああ 彼女はずっと気楽な感じの子だったよ
それに 目には 繊細な表情が映ってた
最近は僕も不安なんだ だって彼女は自分の名前が
ヴェロニカってことさえよくわからないみたい
ヴェロニカってことさえよくわからないみたい
Do you suppose, that waiting hands on eyes
Veronica has gone to hide
And all the time she laughs at those who shout
Her name and steal her clothes
Veronica
Veronica
きみは両手で目を隠して‘もういいかい?’って
ヴェロニカはとっくに隠れちゃったのに
彼女はいつも笑ってる
彼女の名前を叫んだり 服を盗む人たちを...
彼女の名前を叫んだり 服を盗む人たちを...
ヴェロニカ
ヴェロニカ
Did the days drag by, did the favors wane
Did he roam down the town all the time
Will you wake from your dream, with a wolf at the door,
Reaching out for Veronica
日々はゆっくりと過ぎ 好きな気持ちも薄れていった
彼はいつも 街をうろついていたのかい?
夢から覚めると 狼がドアの前にいて
手を伸ばしているんだ ヴェロニカに
手を伸ばしているんだ ヴェロニカに
Well it was all of sixty-five years ago
When the world was the street where she lived
And a young man sailed on a ship in the sea
With a picture of Veronica
そう それは65年も前のことさ
世界は 彼女の住む通り それがすべてだった
そして若い男が 海に船で出航したんだ
写真を持って…ヴェロニカの写真を抱いて...
写真を持って…ヴェロニカの写真を抱いて...
On the "Empress of India"
and as she closed her eyes upon the world
and as she closed her eyes upon the world
And picked upon the bones of last week's news
She spoke his name out loud again
"Empress of India"という名の客船の難破
先週のニュースで遺体を回収したという話を耳にして
彼女は 世界にたいして 目を閉じた
先週のニュースで遺体を回収したという話を耳にして
彼女は 世界にたいして 目を閉じた
彼女は また彼の名前を声に出して言った…
Do you suppose, that waiting hands on eyes
Veronica has gone to hide
And all the time she laughs at those who shout
Her name and steal her clothes
Veronica
Veronica
Veronica sits in her favorite chair
and she sits very quiet and still
And they call her a name that they never get right
And if they don't then nobody else will
ヴェロニカはお気に入りの椅子に座って
とても静かにじっとしている
みんな彼女を正しい名前では呼ばないんだ
彼らが呼ばなかったら 誰も正しく呼ばないよね
But she used to have a carefree mind of her own,
With a devilish look in her eye
Saying "You can call me anything you like,
But my name is Veronica"
だけど 彼女は以前は気楽に思っていたんだよ
目には悪魔のような表情を浮かべてね
「私の 名前 好きなように呼んでいいけど
私の名前は ヴェロニカよ」ってさ
Do you suppose, that waiting hands on eyes
Veronica has gone to hide
And all the time she laughs at those who shout
Her name and steal her clothes
Veronica
Veronica
きみは両手で目を隠して‘もういいかい?’って
ヴェロニカはとっくに隠れちゃったのに
彼女はいつも笑ってる
彼女の名前を叫んだり 服を盗む人たちを...
彼女の名前を叫んだり 服を盗む人たちを...
ヴェロニカ
ヴェロニカ…
日本語訳 by 音時

◆‘ヴェロニカ’とは一体誰?なんでしょうか。
この曲のSongfacts からの情報です。
この曲は、老人ホームに住む老婦人の話です。彼女は静かに静かに暮らしながら、徐々に記憶を失っていきます。アルツハイマー病を患っていたコステロの祖母にインスピレーションを受けたものです。
また、この曲を作るのにはとても苦労したようです。
コステロが 1996 年に NME に次のようにコメントしています。
レコードを作ったら、特に大成功を収めたら、それはもう自分のものではなくなり、あの『ワッ ブー!』になるのです。」状況は変わりました。アメリカでも「Veronica」で同じようなことがありました。私は決して好きではありませんでした。最近、スティーブ(アトラクションのキーボード奏者、ニーヴ)と一緒にショーをやったのですが、キーを変えたら曲全体が完全に変わりました。突然、レコードについて考える必要がなくなりました。なぜこの曲を書いたのか、祖母について書いたのか、そしてこの曲は私にとって本当に意味のあるものだったということに立ち返り、ある意味取り戻したのです。この曲がもたらした悪しき成功から、この曲を取り戻したのです…。
…老人ホームで人生の最後の時を過ごしている老婦が登場し、途切れとぎれの思い出のように少女時代や若女時代の映像が流れる。(役:Zoe Carides(英語))この“ヴェロニカ”のビデオはコステロがカメラに対しモノローグを語るところから始まり、ビデオの途中で時たまソフトにヴォーカル音源にかぶせる形で歌っている...。
ビデオを観て聴くのと、観ないで聴くのと感じ方が違ってくるもの、と思います。冒頭は「スパイク」のアルバムカバーのBGMとなるYouTubeでしたが、こちらはどう感じますか…?
(Spoken)
I remember this place...I remember her and this place....
Sometimes she was happy you know she'd say
Oh so and so said such and such
Sombody said this and that...
and she talk about who knows what one minutes you'd be here
and next minutes it'll be 40 years later...
So you just sit there and bounce around the ears with her
この場所を覚えている...彼女とこの場所を覚えている...
時々彼女はうれしそうに こう言うんだ
ああ 誰かがあんなこと言った
誰かがあれこれ言った...って
そして彼女は誰にもわからないと話してた
たった今ここにいるのに
次の瞬間には40年後になっているなんて...
たった今ここにいるのに
次の瞬間には40年後になっているなんて...
だからただそこに座って 彼女と一緒に耳をすませるんだ...
*bounce around…(他)〈計画などを〉あれこれ考える,議論するSometime we just sit there
and she wouldn't say anything and I wouldn't say anything
and you could try and work out what was going on in her head
but I think it's something we don't understand...
時々僕たちはただそこに座っているんだ
そして彼女も僕も何も言わない
彼女の頭の中で何が起こっているのか考えてみることもない
それは僕たちには理解できないことだと思うから...
◆生ギター一本、アコギで歌う‘ヴェロニカ’.
コメント
コメント一覧 (6)
音時
が
しました
歌詞を知って、PVを見ると、だいぶ印象は変わりました。そんな曲だったのか。エルビス・コステロの曲、奥が深いです。
音時
が
しました
音時
が
しました
https://x.com/mixjamyo/status/618406747296804864/photo/2
音時
が
しました
宣伝のためにトラック?に乗って演奏して回った初来日
というようなことがあったんですね!
この曲も作った当時の「息子」の想い、推しはかられます...。
音時
が
しました
当時のツライ思い出が呼び起こされるようで、重たい気分になります。
そんなわけで、ポップな曲調ながら、歌詞は示唆に富んでいてヘヴィですね。
何かで読んだのですが、当時のポールは曲作りに行き詰っており、
かつてのジョン・レノンのように「お前のこの曲はクソだ」みたいに
ハッキリ言ってくれる存在が欲しかったと述懐しています。
そんな中でコステロと出会い、ポールは「フラワーズ・イン・ザ・ダート」
「オフ・ザ・グラウンド」、コステロは「スパイク」「マイティ・ライク・ア・ローズ」
とお互いの2枚のアルバムで共作曲を収めています。
自分は「マイティ~」のツアーの武道館公演を見ましたが、パブロック期から
円熟味を増していった当時の新曲まで、非常に楽しめました。
それにしても、宣伝のためにトラック?に乗って演奏して回った初来日公演の
ことを思うにつけ、現在のコステロが「巨匠」のような存在になるとは
思いもしませんでした。
音時
が
しました