「バンド・オン・ザ・ラン」のA面4曲めは“Mrs.Vandebilt”。
ホ!ヘイホ!
ホ!ヘイホ! の掛け声を掛けながら聴きましたね〜。
このアルバムはナイジェリアのラゴスで制作されたと聞いていますが、なんとなくアフリカの原住民の掛け声なのかしら?なんて想いますね。(なんでも、セッション中にスタジオは停電に見舞われましたが、バックアップ発電機でレコーディングは続行したそうです)
(ホ!ヘイホ!はB面の「ピカソの遺言」のエンディングでも登場します)
◆ポールがボーカル、ギター、ベース、ドラムを務めています。この曲は、ヨーロッパとオーストラリアではシングルとしてリリースされました。(米国、英国ではシングル発売なし)
◆Wikipedia情報ですが…冒頭の歌詞は、イギリスのコメディアンであるチャーリー・チェスターのキャッチフレーズから取られているとのこと。
チェスターのキャッチフレーズは「ジャングルの奥地でテント暮らし、バンガローよりいい、家賃もかからない」だったのですが、「ジャングルの奥地でテント暮らし、お金も使わないから家賃もかからない」に変更されています。また曲の最後の笑い声も、チェスターのショウでの観客の笑いを模しているとのことです。

(Paul and Linda McCartney)
Released in 1973
From the Album“Band On The Run”
*原詞は太字
When your bus has left the stop,
you'd better drop your hurrying
バスが停留所を出発したら
急ぐのはやめたほうがいい
僕を放っておいてくれ ヴァンデビルト婦人
僕にはたんまり時間があるんだ
心配したところで何がある?
心配したってしょうがいない
何の価値もないんだろ?
心配したってしょうがない
急ぐ意味なんてないんだよ
意味なし!
何の価値もありやしないさ
(Words and Idioms)
pile = 積み重ね、積み重なり、〔本・書類・仕事などの〕山

◆さて、「Mrs. Vandebilt(ミセス・ヴァンデビルト)」って誰なんでしょう?
Wikipediaに「Vanderbilt family」についての情報がありましたので引用します。
・ヴァンデビルト家は、金ぴか時代(Gilded Age.)に名声を博したアメリカの一族です。彼らの成功は、コーネリアス ・ヴァンデビルトの海運および鉄道帝国から始まり、一族は産業や慈善活動のさまざまな分野に拡大しました。子孫は、ニューヨーク市の 5 番街に大邸宅を建て、ロードアイランド州ニューポートに豪華な「夏の別荘」を、ノースカロライナ州アッシュビルに宮殿のようなビルトモア ハウスを、そしてその他のさまざまな豪華な家を建てました。
一族はまた、マサチューセッツ州西部のバークシャー コテージも建てました。その例としては、エルム コート (マサチューセッツ州レノックスとストックブリッジ) があります。
…この金持ち一族のヴァンデビルトは綴りは“Vanderbilt”なので“r”が入るのですが、ミセス・ヴァンデビルトとは、間違いなく、この一族をイメージした「お金持ち」の総称なんでしょう。
ポールは、ビートルズ時代には“エリナ・リグビー“、ウイングスではこの後作る“幸せノノック”などで「人物」をよく登場させますよね。でも必ずモデルがいたり、何かを指す人物であったり…。
◆ちなみに歌詞の後半では「ミセス・ヴァンデビルト」は「ミセス・ワシントン」になっていて、歌詞も
I've got plenty of time of my own から
I've done plenty of time on my own に変わっています。
“ワシントン“は言うまでもなくアメリカ合衆国の首都。「お金」だけでなく「権力」の話になったところで、僕はもう時間をたんまり使ってるから興味ないね、という意味なのかな。
◆僕の持っているポールの「Lyrics」にも、ポールの作ったMから始まる曲のページに“Mr.Vandebilt”が掲載されていました。(Mの付く曲は10曲載っています)
ミセス・ヴァンデビルトは、この曲の主人公が知りたくもない、権威、財産、ルール、そしてお金の象徴だ。主人公はひとりになりたがっている。それは僕であり、僕らしさそのものだ。僕にとって、森の中で馬に乗り、踏み分け道を作っているときほど幸せなことはない。機会があれば、いつだって森の中でひとりで過ごしたいと思っているよ。 (Paul McCartney 「Lyrics」)
この曲はアフリカでのレコーディングで、ポールがあらためて気付いた、文明や人間の生き方について自分の思いを込めて作った歌なんだろうと思いました。
◆やっぱりポールはすごいな。この曲、2009年にウクライナで聴衆と歌ってます…!メッセージを感じますよね。
Down in the jungle, living in a tent
You don't use money, you don't pay rent
You don't even know the time, but you don't mind
ジャングルの奥地でテント暮らし
お金も使わないし 家賃の支払いもない
時間もわからないけど 気にしないよ
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
When your light is on the blink,
you never think of worrying
you never think of worrying
What's the use of worrying?
When your bus has left the stop,
you'd better drop your hurrying
What's the use of hurrying?
ライトが点滅しているときは
心配なんて要らないよ
心配なんて要らないよ
心配しても無駄じゃないかい?
バスが停留所を出発したら
急ぐのはやめたほうがいい
急いだところで何になるんだ?
Leave me alone, Mrs. Vandebilt
I've got plenty of time of my own
僕を放っておいてくれ ヴァンデビルト婦人
僕にはたんまり時間があるんだ
What's the use of worrying?
What's the use of worrying?
What's the use of anything?
心配したところで何がある?
心配したってしょうがいない
何の価値もないんだろ?
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
What's the use of worrying?
What's the use of worrying?
What's the use of anything?
心配したところで何がある?
心配したってしょうがいない
何の価値もないんだろ?
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
When your pile is on the wane
You don't complain of robbery (Oh, no)
Run away, don't bother me
What's the use of worrying? (No use)
What's the use of anything?
築いた財産が減っていってしまったとき
強盗に文句は言わないよね (ああ いやだ)
逃げるんだ 僕を煩わせないでくれ
心配しても何の役にも立たない(役に立たないよ)
何の価値もないんだから
Leave me alone, Mrs. Washington
I've done plenty of time on my own
僕を放っておいてくれ ワシントン婦人
僕は時間をたっぷり過ごしたんだから
僕は時間をたっぷり過ごしたんだから
What's the use of worrying?
What's the use of hurrying?
No use!
What's the use of anything?
心配したってしょうがない
急ぐ意味なんてないんだよ
意味なし!
何の価値もありやしないさ
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
Ho, hey ho
(Words and Idioms)
pile = 積み重ね、積み重なり、〔本・書類・仕事などの〕山
on the wane=
(1) 〈月が〉欠け始めて. (2) 〈光・勢力など〉衰えかけて, 落ち目になって.
日本語訳 by 音時
日本語訳 by 音時

◆さて、「Mrs. Vandebilt(ミセス・ヴァンデビルト)」って誰なんでしょう?
Wikipediaに「Vanderbilt family」についての情報がありましたので引用します。
・ヴァンデビルト家は、金ぴか時代(Gilded Age.)に名声を博したアメリカの一族です。彼らの成功は、コーネリアス ・ヴァンデビルトの海運および鉄道帝国から始まり、一族は産業や慈善活動のさまざまな分野に拡大しました。子孫は、ニューヨーク市の 5 番街に大邸宅を建て、ロードアイランド州ニューポートに豪華な「夏の別荘」を、ノースカロライナ州アッシュビルに宮殿のようなビルトモア ハウスを、そしてその他のさまざまな豪華な家を建てました。
一族はまた、マサチューセッツ州西部のバークシャー コテージも建てました。その例としては、エルム コート (マサチューセッツ州レノックスとストックブリッジ) があります。
…この金持ち一族のヴァンデビルトは綴りは“Vanderbilt”なので“r”が入るのですが、ミセス・ヴァンデビルトとは、間違いなく、この一族をイメージした「お金持ち」の総称なんでしょう。
ポールは、ビートルズ時代には“エリナ・リグビー“、ウイングスではこの後作る“幸せノノック”などで「人物」をよく登場させますよね。でも必ずモデルがいたり、何かを指す人物であったり…。
◆ちなみに歌詞の後半では「ミセス・ヴァンデビルト」は「ミセス・ワシントン」になっていて、歌詞も
I've got plenty of time of my own から
I've done plenty of time on my own に変わっています。
“ワシントン“は言うまでもなくアメリカ合衆国の首都。「お金」だけでなく「権力」の話になったところで、僕はもう時間をたんまり使ってるから興味ないね、という意味なのかな。
◆僕の持っているポールの「Lyrics」にも、ポールの作ったMから始まる曲のページに“Mr.Vandebilt”が掲載されていました。(Mの付く曲は10曲載っています)
ミセス・ヴァンデビルトは、この曲の主人公が知りたくもない、権威、財産、ルール、そしてお金の象徴だ。主人公はひとりになりたがっている。それは僕であり、僕らしさそのものだ。僕にとって、森の中で馬に乗り、踏み分け道を作っているときほど幸せなことはない。機会があれば、いつだって森の中でひとりで過ごしたいと思っているよ。 (Paul McCartney 「Lyrics」)
この曲はアフリカでのレコーディングで、ポールがあらためて気付いた、文明や人間の生き方について自分の思いを込めて作った歌なんだろうと思いました。
◆やっぱりポールはすごいな。この曲、2009年にウクライナで聴衆と歌ってます…!メッセージを感じますよね。
コメント
コメント一覧 (2)
音時
が
しました
「ホ!ヘイホ!」の掛け声と主旋律との関連が絶妙。落ち着いた場面のメロディが美しい。サックスや笑い声も、実に効果的です。
演奏については…。ボーカルとベースは当然ですが、ドラムスもポール。アコースティックとエレクトリックのギターもポールが演奏しているとのこと。こういう人を天才と言うのでしょうね。
ウイキペディアにあったのですが…。アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』は、ジョン・レノンも絶賛していた。二人の関係も修復されていたのですね。よかった。
音時
が
しました