この曲“The Little Girl I Once Knew”は、アルバム「Pet Sounds」作成中に作られた曲、1965年11月22日に単独シングルとして発売されたそうです。
 
◆雑誌「レコード・コレクターズ 」2016年7月号の「特集 ビーチ・ボーイズのベスト100」でこの曲は第29位。解説を萩原健太さんが書いていらっしゃいます。

 “敬愛するフィル・スペクターお得意の“音の壁”をブライアン・ウィルソンなりに再構築した作品”…この音の厚み、よくわかります。
 一方で、“曲中に当時のポップ・ミュージックの常識では考えられないほど長いブレイクを挿入するなど、冒険心に満ちた音像が楽しめる“
 
とあり、はい、この“ブレイク”の存在…僕もびっくりしました。初めてこのナンバーを聴いたとき、えっ“終わり?”と一瞬思うひと、多いでしょうね(^_^;)。

◆ブライアン・ウィルソンは、この曲はイントロはいいが、自分の歌唱には満足しておらず、「女々しすぎる」と呼んでいた、そうです(^_^;)。

 「素晴らしい曲だったが、イントロだけが良かっただけで、残りはそれほど良く聞こえなかった。曲自体は最低だと思った。ハーモニーは好きではなかった。不快で調子外れだと思った」
 (1995年のインタビュー)


Beach_Boys_-_The_Little_Girl_I_Once_Knew


(Brian Wilson)

Released in 1965
US Billboard Hot100#20

*原紙は太字

We met when she was younger
Then I had no eyes for her
A few years went by and I saw her
Now I'm gonna try for her

出会ったのは 彼女がもっと若い頃
その時は彼女を何とも思ってなかったよ
数年が経って  彼女に会った
僕はいま 
彼女をものにしたいと思うんだ

Look out babe

見てごらん

She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew

あの娘は僕が知ってた娘じゃない
僕がかつて知ってた娘と違うんだ
あの娘は僕が知ってた娘じゃない
僕が知ってた頃の彼女と違うんだ


How could I ever have known that
She'd be what she is today
And look at how her boyfriend holds her
I'll be moving in one day

僕にはわからなかったよ
あの娘が今日のような姿になるなんて
見てみろよ あの娘のボーイフレンドが
彼女を抱きしめてるぜ
いつかは僕だってアタックするよ

Split man

ちょっと待てよ

She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew

あの娘は僕が知ってた娘じゃない
僕がかつて知ってた娘と違うんだ
あの娘は僕が知ってた娘じゃない
僕が知ってた頃の彼女と違うんだ

La doo day pow pow pow
La doo day pow pow pow
La doo day pow pow pow

She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew

She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew
She's not the little girl I once knew

(Words and Idioms)
have an eye for=
~の鑑識眼を持っている、~を見る目がある
[try] for=
〔物・賞・地位など〕を得よう[獲得しよう・手に入れよう・勝ち取ろう]とする[試みる・努力する]

日本語訳 by 音時


20200503_780eba

◆面白いですね。この曲、最初はメロディやコーラス、テンポやブレイク、など、わかりにくくて覚えにくかったのですが、5〜6回くらいから、沢山の聞き所が出てきた感じがします。

◆和訳ですが、下記の箇所、

And look at how her boyfriend holds her
I'll be moving in one day

の“move in”ですが、彼女がボーイフレンドに抱きしめられてるのを見て、いつか僕は“引っ越すよ“だと意味がわかりません(^_^;)。
 ですので、今すぐじゃないけど、(未来には)「彼女に引っ越す」=彼女にアタックする、という意味かな、と思いました。少し自分を磨いてから…ということかな。

◆また、2007年のインタビューでブライアン・ウィルソンは次のように述べているようです。

これは、僕が生涯で最も気に入っている曲のイントロなんだ。毎回、僕を魅了するよ。レコードで音楽が止まって再び始まるのは、これが初めてだったかもしれないね。僕はスタジオでイントロを書き、それをカットした。そして、セッションミュージシャンのラリー・ネクテルが、音楽を流し続けるというアイデアを出したのさ。ひとつ試し、次にもうひとつのギターの上に2番目のギターのオーバーダブを入れた。そして、残りは歴史の通り。僕たちはステレオでやっていたけど、モノラルしか聞こえなかった。いつもミックスでボーカルを前面に出すんだよ。モノラルでミックスすると、左耳には良い。右耳は壊れて、終わりだね。

パーフェクトな曲だとは思いませんが、キラッと光るものがある、愛しすべき曲ですよね…!