この曲は日本ではハイ・ファイ・セットの日本語の歌で有名ですよね。
はい、今回取り上げたモリス・アルバートさんの「フィーリング」がオリジナルですね。

モリスはブラジルの歌手。この曲は作詞・作曲の両方が彼の手によるものです。1974年にシングルとしてリリース、翌年1975年にデビューアルバムがリリースされ、そのタイトルトラックに収録されます。レコードワールド誌で最高位4位、ビルボードホット100では6位、キャッシュボックスで10位という世界的打ヒットになりました。



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Songwriter(s) Morris Albert, Louis Gasté

Released in 1975
US Billboard Hot100#6
From the Album “After We've Left Each Other”

*原詞の引用は太字

Feelings
Nothing more than feelings
Trying to forget my feelings of love
Teardrops
rolling down on my face
Trying to forget my feelings of love

心に感じる思い
ただ心で感じたことでしかないのに
僕は 心に感じた愛を忘れようとしてる
涙のつぶ
頬をつたって落ちていく
僕は 愛の感情を忘れたいと思ってる

Feelings,
for all my life I'll feel it
I wish I've never met you, girl
You'll never come again
Feelings,
whoa, oh, oh, feelings
Whoa, oh, oh, feel it again in my arms

心に感じる思い
この先 僕は一生感じ続けるだろう
きみに会わなければよかった
もう二度と戻ってはこないのに
心の感じる思い
ああ ふるえるような思い
ああ 腕の中でもう一度感じたい

Feelings
feelings like I've never lost you
And feelings
like I've never have you again in my heart

心に感じる思い
きみを心から消すことはできないという思い
そしてきみを
もう二度と心に抱くことはできないという思い


Feelings
for all my life I'll feel it
I wish I've never met you, girl
You'll never come again

心に感じる思い
この先の人生 僕は一生感じ続けるだろう
きみに会わなければよかったと

Feelings,
feelings like I've never lost you
And feelings
like I've never have you again in my life

心に感じる思い
きみを心から消すことはできないという思い
そして僕の人生でもう二度と
きみを抱くことはできないという思い

Feelings, whoa, oh, oh, feelings
Whoa, oh, oh, feel it again in my arms
Feelings, whoa, oh, oh, feelings
Whoa, oh, oh, feel it
Whoa, oh, again

心に感じる思い ああ 
この腕のなかにもう一度
否定したくても感じてしまうんだ
ああ この心に浮かぶ思い
ああ 感じてしまうんだ
ああ またその思いが…

日本語訳 by 音時


MorrisFeeling

◆んー、歌詞はシンプルですが、単純な“Feelings”という言葉をどう和訳するか…ちょっと悩みました。
この曲の主人公、相手を愛してしまったことを後悔しているのに、心に感じることをどうにも押さえきれない。頭のなかで思うことと、心で感じることが違ってしまう。しかも“Feelings”という複数形になっているところが「色んな思い」でぐちゃぐちゃにまとまらない状況を表しているように思います…。


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◆この曲がモリス自身の作品ということで情報がありましたが、作者にもう1人“Louis Gasté“という名前がありました。

調べてみると…なんとモリス、著作権侵害で訴えられ、敗訴していました…(^_^;)。

これもWikipedia情報ですが…

1986年、フランスのソングライター、ルイ・ガステは、この曲がガステの1957年の曲「Pour Toi」から取られているとして、著作権侵害でアルバートを訴え、勝訴した。ガステは現在この曲の共作者としてクレジットされている。

◆こちらが“Pour toi“。どうですか?



(おまけです…この曲を巡って…Loulou GastéのWikipediaより)

1956 年 9 月、ガステは、アルベール・シモナンと妻のマリー=エレーヌ・ブルカンの作詞による「Pour Toi」(「あなたのために」)を作曲しました。これは、映画「Le Feu aux Poudres」で歌った歌手ダリオ・モレノのために作曲されました。後にリネ・ルノーが歌い、フランス国内や海外でさまざまな歌手によって再解釈されました。

1974 年、モリス・アルバートが英語で歌い、「Feelings」の原作者としてクレジットされました。この曲は、サンパウロでアウグスタ・ド・ブラジルによって発売されました。1975 年、マイク・ブラントが「Dis-Lui」(「彼女に伝えて」)というタイトルでフランスに持ち帰りました。

1976 年、「Feelings」は世界中でヒットし、エルビス・プレスリー、フランク・シナトラなどが録音しました。

1977 年、ガステはこの曲が自分のメロディーの 1 つであることを発見し、モリス・アルバートを訴えました。 1988年12月22日、裁判所はガステに有利な判決を下し、彼はこの曲の唯一の創作者として認められ、全印税の8分の7を獲得し、アルバートは歌詞の提供に対して残りを受け取った。



◆あらためて日本語のこの歌の歌詞を味わいましたが…んー、こっちはちょっと現代ではあまり受け入れられない歌詞かなぁ…。「フィーリング」という言葉も深くなく、薄っぺらい感じがしてしまう…(この曲が好きな人、ごめんなさい)