この曲“Wild Wild West”は、イギリスのポップロックバンド「The Escape Club」の曲。1988年11月12日の週に米国ビルボードホット100で第1位を獲得しますが、彼らは本国の英国では一度もチャートインすることなく、米国で第1位を獲得した唯一のイギリス人アーティストとなりました!

このあと、彼らは「シェイク・フォー・ザ・シェイク」(1989年28位)と「アイル・ビー・ゼア」(1991年8位)をチャート入りさせますので、決して一発屋ではありません(^_^;)。 
 ところで、上記のPVの奇妙な手足の切り離された映像は、鏡を使って撮ったようですよ。デジタル画像編集ソフトウェアはまだなかった時代のことでした。

◆この曲のWikipediaにこの曲を作った際のコメントが出ていました。

リードシンガーのトレバー・スティールは次のように語っている。

ジョン(ギタリストのジョン・ホリディ)は前夜、テレビでRun-DMCの曲を聞き、急いで階上に上がり、ドラムマシンにヒップホップのドラムビートをセットした。ドラムマシンに着くまでにスピードが2倍になったが、翌朝ジョンに会いに行き、その上で歌い始めたら、「ワイルド・ワイルド・ウェスト」になった。この曲は2時間で書いたと思う。当初は3分間の予定で、ラップの入った延長部分は12インチシングル用に用意されていた。でも、フルレングスでとても気に入ったので、全部リリースしたんだ。

◆“Wild Wild West”って言葉は、一般的には、アメリカ合衆国の「西部」を指す言葉だと思いますが、この曲を作詞した、エスケイプ・クラブのトレバー スティールはインタビューで次のように説明しています。

 「(この曲は)80 年代に生きていたヤッピーたちが一攫千金をつかみ、冷戦とエイズの恐怖に怯えていた時代を反映しただけだよ…」

むむっここでピン!と来ました。ここでいう“Wild Wild West”とは…米国西部ではなく、「西側の国」のことではないか…? ちなみに「ロニーが新しい銃を手にした」という歌詞の“ロニー“とは当時の米国大統領「ロナルド・レーガン」のことらしい…。


Wild_Wild_West_-_01


Songwriter(s) The Escape Club

Released in 1988
US Billboard Hot100#1
From the Album “Wild Wild West“

*原詞の引用は太字


Forty-seven dead beats living in the back street
North east west south all in the same house
Sitting in a back room waiting for the big boom
I'm in a bedroom waiting for my baby

裏通りには47人の疲れ切ったヤツらが暮らしてる
東西南北 みんな同じ家さ
裏の部屋に座って大爆発を待っている
俺はベッドルームであの娘を待ってるんだ

She's so mean but I don't care
I love her eyes and her wild wild hair
Dance to the beat that we love best
Heading for the nineties
Living in the wild wild west
The wild wild west

彼女はすごく意地悪だけど  気にしないよ
彼女の瞳とワイルドで野性的な髪が大好きさ
俺たちが一番好きなビートに合わせて踊るんだ
90年代に向かってね
ワイルドなワイルドウェストに暮らす
なんてワイルドな西側の国

Mandy's in the backroom handing out Valium
Sheriff's on the airwaves talking to the D.J.'s
Forty-seven heartbeats beating like a drum
Got to live it up live it up
Ronnie's got a new gun

マンディは裏の部屋でバリウムを配っている
保安官はラジオでDJと話している
47の鼓動がドラムのように波打つんだ
思いっきり楽しもう  人生謳歌しよう
ロニーは 新しい銃を持ったんだ

She's so mean but I don't care
I love her eyes and her wild wild hair
Dance to the beat that we love best
Heading for the nineties
Living in the wild wild west
The wild wild west

彼女に意地悪されても 気にしない
瞳とワイルドで野性的な髪が好きだから
一番好きなビートに合わせて 踊ればいいよ
90年代に向かって行こう
ワイルドなワイルド・ウェストに暮らしてる
なんてワイルドな西側の国

Now put your flags in the air and march them up
and down
You can live it up live it up all over the town
And turn to the left, turn to the right
I don't care as long as she comes tonight

さあ旗を空に掲げて 行進しようぜ
思いきり楽しもう  町じゅう練り歩こう
左に曲がって  右に曲がって
俺は気にしないよ
今夜 彼女が来てくれるなら 

She's so mean but I don't care
I love her eyes and her wild wild hair
Dance to the beat that we love best
Heading for the nineties
Living in the wild wild west
The wild wild west

Brrr, here come a musical disc
'Cause some people them a-keep waitin' for
This one's called the outlaw, wow
Say 'bout me
Ride the rhythm like a-ridin' a bike
Jah know me
Murder me chatter when me chat on the mic
Shorties thought this could keep them rockin'
'til the broad daylight

And here comes this Escape Club to rock,
it's alright, say


これがCDってヤツさ
ずっと待ってる人もいるんだよ
こいつは“アウトロー“って呼ばれてるんだ
俺について話してくれよ
自転車に乗るように リズムに乗ってさ
俺を知ってるかい?
マイクで喋ってる時は 俺のしゃべりを殺してくれ
わけーヤツらはこれで
真昼間までロックし続けられると思ってたのさ
ロックするために エスケイプ・クラブが来たぜ
さあ 準備できてるよ


Live it up, live it up
Live it up, live it up

楽しもうじゃないか
楽しんでるかい?

Heading for the nineties living in the eighties
Screaming in a back room
waiting for the big boom

Give me give me wild west
Give me give me safe sex
Give me love give me love
Give me time to live it up

80年代に生きながら 90年代へ向かおう
核爆発を待って 防空壕で叫ぶがいいさ
俺に ワイルド・ウェストをくれ
俺に 安全なセックスをくれ
俺に 愛をくれ 愛を
思いきり楽しむ時間をくれ

She's so mean but I don't care
I love her eyes and her wild wild hair
Dance to the beat that we love best
Heading for the nineties
Living in the wild wild west
The wild wild west

彼女に意地悪されても 気にしない
瞳とワイルドで野性的な髪が好きだから
一番好きなビートに合わせて 踊ればいいよ
90年代に向かって行こう
ワイルドなワイルド・ウェストに暮らしてる
なんてワイルドな西側の国

(Words and Idioms)
dead beat. 《be ~》〈話〉疲れ果てている、くたくたである
shorty 〈俗〉若者{わかもの}


日本語訳 by 音時


Escape_Club_WWW

◆数字の「47」とはなんだろう?

この曲の歌詞についてファン達がコメントしているWebページでは、

「ビッグ ブーム」とは1980 年代の「西洋世界」に住むすべての人が抱く共通の恐怖である核攻撃の可能性を指しています。
「バック ルーム」は、物理的な防空壕を指しているとも、あるいは、常に潜在意識の中にある世界で起きている出来事に対する人の偏執症を暗示する言葉とも解釈できます。


と書かれていたのも和訳の参考にしました。

数字の「47」は分からずじまいです...。

◆なお、ちなみにこの 曲の一部がエルヴィス・コステロの「Pump It Up」に非常に似ているという指摘があります。(ドラムビートとベースラインで始まり、ビデオも似てなくもない…)