“Across the river”…「かわを渡って」…この場合は「川」と「河」のどちらの漢字を当てるべきでしょうか。…僕は「河」を選びました。

「川」でイメージするのは“せせらぎ”、“四季折々の美しい自然”、“川沿いを散歩…”などなど。
「可」でイメージするのは“県境”、“とうとうと流れる”、“洪水が心配”?などなど。
 (みなさんと違いますか?)

この曲で言う「river(河)」ですが、渡った向こう側とこっち側は「違った世界」であるようで、河を渡るのか渡らないかで、生活・人生も大きく変わるようです。



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Songwriter(s)
Bruce Hornsby、John Hornsby

Released in 1990
US Billboard Hot100#18 
From the Album “A Night on the Town ”

*原詞の引用は太字

Then she moved back around here
Thirty-five weeks ago today
Oh down the lane
At night she walks on the banks
And remembers how she dreamed of rowing away
And how she left one day

そして 彼女はこの辺りに戻ってきた
今日から 35週間 前からね
ああ 小道を下って
夜になると彼女は河岸を歩く
そして思い出すのさ ボートで出かける夢を
ある日  どうやって出発したかを

She left with a driven look in her eyes
Came back around with it still inside
They said give it some time
and you'll forget about it too
We know they always do
Well I know

彼女はやる気に満ちた表情で出発した
その気持ちをまだ抱えたまま 戻ってきたのさ
しばらく時間を置けよ
そしたら忘れるだろうと言われてた
いつだってそうなんだよ
そう わかってるんだ

Some fine day
You will find your way across the river
Across the river
Row down slow
And there's a long way to go
Across the river
Across the river

いつか晴れた日に
おまえは河を渡る道を見つけるさ
河を渡るんだ
ゆっくり漕いで行け
長い道のりがあるけれど
河を渡るんだ
河を渡っていけ


She was proud and so strong
But she tried not to listen to idle talk
Downtown where she walked
Well, they sit around and they say
That she came back with her tail between her legs
Like they always said she would

彼女は誇り高くとても強かった
くだらない話に耳を傾けないようにしてたんだ
ダウンタウンを歩いて
そう  誰もが座ってこう言うんだ
彼女は尻尾を巻いて戻ってきたんだぜって
そんな風に いつも言われてた

Well I hear it's better on the other side
They say you'll never do it so don't even try
Well you may be beaten down with your closed mind
But don't try and make it mine
Well I know

そうさ 聞いたよ 向こう側の方がましだって
自分が試すこともないくせに
おまえはそんなことをするはずがないと言うのさ
打ちのめされて  心を閉ざしてしまうかもしれない
それを自分のものにしようとしなくちゃダメさ
そう わかってるよ

Some fine day
You will find your way across the river
Across the river
Row down slow
And there's a long way to go
Across the river
Across the river

いつか晴れた日に
河を渡る道を見つけるだろう
河を渡るのさ
ゆっくり 漕いで行く
その道のりが長くても
河を渡っていけ
河を渡るんだ


Your wild days are through is what they said
I dreamed she came, when I was down
And I walked where she led

もう若い日々は終わったと言われるけど
落ち込んでいたとき 彼女が来るのを夢に見た
そして僕は歩いた 彼女に導かれるままに

Standing on the shore
She looks to the west with a look of longing
Where the grass seems greener
But there's a hard and distant prize
It probably won't happen but I think I'll try
Well even if it doesn't happen for me
It still beats hanging 'bout here
Well I know

河岸に立って
西側をうらやましげな表情で見つめる
そこは草がより青く見える場所
だけどそこは 困難でなかなか手に入らないものだ
奇跡が起きることはないだろうが
挑戦してみようと思う
たとえ自分の身に起こることがなくても
ここでぶらぶらしてるよりはまだましさ
わかってるんだ

Some fine day
You will find your way across the river
Across the river
Row down slow
And there's a long long way to go
Across the river
Across the river

いつか晴れた日に
おまえは河を渡る道を見つける
河を渡るんだ
ゆっくり 漕いで行く
その道のりが長くても
河を渡っていけ
河を渡るんだ

River
Won't cross the river

Across the river
Across the river
Long long way
Across the river
Across the river

河を渡ろう
どんなに遠くても
河を渡ろう
河を渡ろう

(Words and Idioms)
look in one's eyes 《the ~》目つき[目の表情・まなざし]
drive=やる気満々の、モチベーションの高い、意欲的な
tail between legs
〔人が勝負に負けた後などに〕しっぽを巻いて、しょげかえって

日本語訳 by 音時

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 この曲“Across The River”はブルース・ホーンズビー(&The Range)のサード・アルバム「A Night On The Town」(ロッド・スチュワートに同名のアルバムがありましたね)からのシングル。全米では最高位18位で、」米国での彼のトップ40ヒットとしてはラスト、となった曲でもあります。

◆「物語」は、退屈な田舎町での生活を捨てる少女が主人公。だけど彼女は打ちのめされて?戻ってきます。「河を渡る」は“都会に゙行って、そこでの生活に挑戦する”といったような意味なんでしょうね。

 落ち込んでは、また自分のなかで想いを高めていき、そしてまた挑戦する彼女、「ゆっくりでいいさ」と励ましてくれる歌でもありますね。

◆ここで、思い出すのは1988年の1つ前のアルバム「Season From the Southside」からのシングル“The Valley Road”。この曲は、ブルース・ホーンズビーと弟ジョンが作者で、彼らが育ったバージニア州でよくある話(金持ちの娘が田舎の男性と関係を持ち、無責任な行動をとって、その結果に対処しなければならなかった)を元にしていました。

 この曲も作者はホーンズビー兄弟。やっぱりバージニア州南部の田舎町の若者(女性?)によくある話ってことなんでしょうかね。

◆歌詞に出てくる「35週」というのが気になります。約8ヶ月、というところでしょうか。まあ、都会に出て生活し、くじけて戻って来るのに「半年とちょっと」。感覚的にもある話かと思うのですが、であれば「ヶ月」で表現してもいいところではあります。
 一般的に「妊娠〜出産」に要する期間は日本では「10日10日」(とつきとうか)、海外では「9ヶ月」と表現するようです(こちらのサイトを参照)。
 だとすると、「妊娠して出産して」…という話も成り立つのかもしれません…。

◆最後になりますが、“The Valley Road”でコメントをいただいた、ダーク・ディスコさん、ありがとうございました。
 2つの曲が同じ登場人物を歌ってる、とは言い切れないものの、バージニア州の田舎町でのよくある話を曲にした、という点で、この曲は“The Valley Road”の続編とも言えると思いました。


◆おー、ライブの“Across The River”では、イントロにピアノ・ソロが入るんだな。いい感じ。