“恋のマッチ・ポイント”というタイトルの歌。
あなたはどんな内容を思い浮かべますか?

あと1点で、勝つか負けるかが決まってしまう局面。
この1球に集中するんだ…。

◆作者はブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴ。
リード・ボーカルは…この声、ブライアンなんだ。


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 (Brian Wilson/Mike Love)

Released in 1978
from the album“M.I.U. Album“

*原詞の引用は太字


It's been a long, long while
Since we've been strung out on love
And there's no mask of a smile
That can hide what we're thinkin' of

ずいぶんと時間が経ったね
僕たちが恋に疲れちゃってから
笑顔という仮面を付けても
僕たちが考えていることはもう隠せない

From your heart I hear
Only distant echoes of empty love
I guess this must be the matchpoint of our love

きみの心から聞こえるのは
空虚な愛の遠い響きだけ
間違いないよ これが僕たちの愛のマッチポイント

Early in the game when you broke me
Just like a serve
(matchpoint matchpoint)
We shoulda walked off the court
But we both didn't have the nerve
(matchpoint matchpoint)

試合の序盤で まるでサーブのように
きみが僕を打ち負かしたね
(マッチポイント マッチポイント)
僕たちはコートから立ち去るべきだった
でも僕たちには勇気がなかったんだ
(マッチポイント マッチポイント)

So we volleyed a while with small talk
And a smile and as push comes to shove
I'd say this must be the matchpoint of our love

僕たちは雑談しながらボレーをしたのさ
いざという時には 笑顔も交わしたよ
そうさ  これが僕たちの
愛のマッチポイントに違いない


No one ever held me the way you did
No one could ever love me the way you did
How could love slip away from me?

きみのように僕を抱きしめてくれた人はいなかった
きみのように僕を愛してくれた人はいなかった
愛は どうやって僕から逃げていったのか?


In life's lonely game love too often
Can let you down
(matchpoint matchpoint)
And tho' no one's to blame
Love is stil the only game in town
(matchpoint matchpoint)


人生という孤独なゲームで 
愛はあまりにも頻繁に失望させる
(マッチポイント  マッチポイント)
誰も責めることはできないけれど
愛はいまだに この町でただ一つのゲームなのさ
(マッチポイント マッチポイント)

When it's love's last play
you can only say by the stars above
That this must be the match point of our love

愛の最後のプレー  それは
天上の星にお願いするしかないんだ
そしてこれが
僕たちの愛のマッチポイントに違いない

Da da da, da da da da da da
(matchpoint matcpoint)
Da da da da da, da da da da da da
(matchpoint matchpoint)
Da da da da da, da da da da da da
(matchpoint matchpoint)
Da da da da da, da da da da da da
(matchpoint matchpoint)

それが愛のマッチポイントさ…


(Words and Idioms)
strung out=麻薬を常用して、体が衰弱して、疲労して
[have] the nerve...する度胸がある、ずうずうしく(も)~する
when push comes to shove ... 必要なら(ば)、いざとなったら、いよいよとなれば

日本語訳 by 音時


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うーん、愛のマッチ・ポイント…。たぶんこのゲームは…負ける運命なんだろうな…。
マッチ・ポイントを決めて、愛が勝つ歌を誰か作ってくれ(^_^;)。


◆この曲がリリースされた1978年。
僕は雑誌「ミュージック・ライフ」とラジオ番組「全米トップ40」を情報源に、洋楽を聴きまくっていた頃でした。でも当時のビーチ・ボーイズのこの「M.I.U. アルバム」(M.I.U. Album) を耳にはしなかったなあ。
全米でもアルバムチャートで151位という結果で「売れなかった」アルバム。でもそれにしても知らなかったなあ。ちなみにこの「M.I.U」というのはアイオワ州の“マハリシ国際大学“のこと。当時、超越瞑想 (TM) 信奉者であったマイク・ラヴは、マハリシ国際大学で新作のレコーディングを提案したことから付けられています。

◆ビーチ・ボーイズの書籍でこの頃のことを調べてみると…このアルバムの参加メンバーは、アル・ジャーディン、マイク・ラヴ、ブライアン・ウィルソンのみがアルバム全体を通して一貫して登場し、カールとデニス・ウィルソンの貢献は2つのトラックに限られている。ブライアンは「エグゼクティブプロデューサー」としてクレジット。

 ブライアンの精神状態は悪化していて、妻マリリンとの関係も修復不可能となり離婚…。マイクとアルは上述した「TM思想」にのめり込んでいて、それを快く思わないカールとデニスは彼らを非難…。

この曲、「M.I.Uアルバム」はそんな時期の作品だったんですね…。