1987年に新生ピンク・フロイドの第一弾アルバムとして発売されたのが「momentary lapse of reason」。「「理性の一時的喪失」と訳されますが、当時の邦題は「鬱(うつ)」と付けられました。(漢字で書けない…)(^_^;)。
(現在のアルバム名は「モメンタリー・ラプス・オブ・リーズン」となっています)

◆ピンク・フロイド名でのアルバム発売には少々トラブルが発生しました。(^_^;)
 
 前作『ファイナル・カット』発表後の1985年、ウォーターズが正式にピンク・フロイドを脱退。デヴィッド・ギルモアとニック・メイスンはバンドの存続を表明。新作のレコーディングに入ることを発表した。しかし、自分自身こそがピンク・フロイドであると考えていたウォーターズはそのことを認めず、「ピンク・フロイド」という名称を使用しないよう訴え、裁判を起こした。結局は、フロイド側がウォーターズ側に対して使用料を支払うこと、『ザ・ウォール』の権利をウォーターズ側が独占的に保有することなどを条件として和解し、ギルモア主導の形でピンク・フロイドが始動することになった。
 (ウィキペディアより)


◆ヒプノシス作のこのアルバムジャケットも印象的。今だったらPCでの特殊加工でできてしまうかもしれませんが、これ、ほんとに700以上のベッドを海岸に並べてます。
 並べていたら雨が降り出して、慌てて回収し、止んだあとにもう一度並べ直して…という苦労もあったようですよ(^_^;)

こちらの方のサイトに、米国盤と英国盤の違いや、「ベッド並べ直し事件」の様子が動画で出ています。


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◆シングルにもなったこの曲“Learning To Fly”(邦題“幻の翼”)ですが、「飛行機を操縦できるまでの教習の様子」を歌ったものです。サウンドはヘヴィながらもポップ。冒頭のPVがとても印象的です。(1988年のMTVビデオ・ミュージック・アワード「ベスト・コンセプト・ビデオ賞」を受賞しました)

畑で働く先住民の青年が、「飛ぶ」ことに魅せられて、走って崖から飛び降ります。すると…。(演じてるのは、カナダの俳優ローレンス・ベインとのこと)

歌詞も「飛ぶこと」への憧れや情動…がよく描かれています。どうしようもないはぐれ者の俺だけど、その衝動が抑えられない…。途中で飛行機運転時の無線や風の音なども効果的に使われます。

(和訳はちょっと難しかった…)(^_^;)


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Songwriter(s)
David Gilmour、Anthony Moore、Bob Ezrin、Jon Carin

Released in 1987
US Billboard Hot100#70
From the Album “A Momentary Lapse of Reason”

*原詞の引用は太字

Into the distance a ribbon of black
Stretched to the point of no turning back
A flight of fancy on a windswept field
Standing alone my senses reeled
A fatal attraction is holding me fast how
How can I escape this irresistible grasp?

遥か彼方に黒いリボンが
もう引き返せないところまで伸びてしまった
風が吹きすさぶ野原での空想飛行
目まいを感じながら 一人立ちつくす
生命に関わる激情が俺を強く縛り付ける
この抗えない支配からどうしたら逃れられる?

Can't keep my eyes from the circling skies
Tongue tied and twisted just an earth bound misfit, I

巡り巡る空から 俺は目を離すことができない
ろくに話すこともできない この世のはぐれ者
それが俺なんだ


Ice is forming on the tips of my wings
Unheeded warnings I thought I thought of everything
No navigator to find my way home
Unladened, empty and turned to stone

翼の先が凍りつく
警告は無視されて  俺はすべてを考えていたと思ってた
家に帰る道を見つける案内役もいない
荷物も空っぽ  虚しく石と化す

A soul in tension that's learning to fly
Condition grounded but determined to try
Can't keep my eyes from the circling skies
Tongue-tied and twisted just an earth-bound misfit, I

緊張した魂で臨む 飛行訓練
条件は整ってなくても 挑戦すると決めてるんだ
無限に巡る空に目は釘付け
ろくに口もきけない この世のはぐれ者
それが俺さ


*******

Friction lock, set
Mixtures, rich
Propellers, fully forward
Flaps, set, ten degrees
Engine gauges and suction, check

フリクションロック、セット
ミックス、リッチ
プロペラ、完全前進
フラップ、セット、10 度
エンジンゲージとサクション、チェック

Mixture set to maximum percent, recheck
Flight instruments
Altimeters, check both
Navigation lights, on
Strobes, on
Confirm three-eight-echo ready for departure
Hello again, this is now 129.4
129.4, it's to go
You may commence your takeoff, winds over ten knots
Three-eight-echo
Easy on the brakes, take it easy, its gonna roll this time
Just hand the power gradually, and it

混合物が最大パーセントに設定されている。再確認せよ
飛行計器
高度計、両方チェックせよ。
航海灯、点灯
ストロボ、オン
スリーエイトエコーで出発の準備ができていることを確認する
こんにちは。現在は 129.4 です。
129.4、もう行きます
離陸を開始して、10ノット以上巻き上げろ
スリーエイトエコー
ブレーキを緩めて、ゆっくりして、今度は転がるよ
徐々に力を与えるだけで

**********

Above the planet on a wing and a prayer,
My grubby halo, a vapor trail in the empty air
Across the clouds I see my shadow fly
Out of the corner of my watering eye
A dream unthreatened by the morning light
Could blow this soul right through the roof of the night

惑星の上で翼を広げて祈る
俺の汚い後光 空虚な空気の蒸気跡
雲の向こうに俺の影が飛んでいくのが見える
涙ぐむ目の端から
朝の光などには 脅かされない夢
この魂を夜の屋根から吹き飛ばしてしまうかもしれない

There's no sensation to compare with this
Suspended animation, a state of bliss
Can't keep my mind from the circling skies
Tongue-tied and twisted just an earth-bound misfit, I

これに匹敵するような感動はない
仮死状態 だが それが至福の状態なんだ
巡り巡る空が 俺の頭から離れない
ろくにしゃべれない この世のはぐれ者
そんな俺だけど


(Words and Idioms)
windswept 【形】 〔場所が〕風当たりの強い、吹きさらしの
reel =〔体が突然〕よろめく、ふらつく、目まいがする、頭がクラクラ[混乱]する
Fatal Attraction=致命的な魅力
irresistible 【形】 抵抗できない、圧倒的な、いや応なしの たまらないほど
grasp =統御,支配; 占有.
circling 【形】円形に動く、旋回する
tongue-tied= (驚いたり、人前ではにかんだりして)ものをすらすら言えない、口ごもった
earth-bound=地表から離れられない、世俗にとらわれた
misfit 【名】 〔周りの状況などからの〕はみ出し者、不適応者
tongue-twisting 【形】〔言葉・名称などが発音しにくくて〕舌をかみそうな
unheeded【形】〔忠告・警告などが〕無視された
suspended animation 〔窒息などによる〕仮死状態


日本語訳 by 音時
***に囲まれた部分はGoogle 翻訳


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◆この曲の歌詞について(ウィキペディアより)

歌詞はデヴィッド・ギルモアが元スラップ・ハッピーのアンソニー・ムーアと共同で書き下ろした。飛行機操縦のライセンスを習得するまでの教習について歌ったもので、「アンソニーがスタジオにて一生懸命に歌詞を考えているのに、僕が姿を見せないという朝が何回かあった。僕が誰かに理由を話す。するとそいつが『デイブは今日は来ないよ。空を飛ぶ練習をしているから』と伝える」とのエピソードから生まれた。

アルバムレコーディング中に、デヴィッド・ギルモアが飛行機の操縦を習ってることから生まれた歌…ではあるのですが、同時に新しいことを始めたり、人生の急激な変化を経験したりすることの比喩を感じます。また、当時のピンク・フロイドの状況からは、ロジャー・ウォーターズの脱退後、ピンク・フロイドの新しいリーダーとして飛び出そうとするデヴィッド・ギルモアの気持ち、とも解釈されているようです。

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(リミックスのアルバムジャケット。空にグライダーが飛行しています)