「P.P.Mの代表曲=“パフ”」というのは知っていましたが、知ってたのはその知識だけ、だったんだ!

原題は“Puff, the Magic Dragon“。

“Puff”というのはこの歌に出てくるドラゴンの鳴き声=それが愛称になった、ということなんですね。
(ジョニ黒さん、教えていただきましてありがとうございます!)

「ドラゴン・ソング」を取り上げるなら、やはりこの年頭で…!と思います。


◆歌詞については、レナード・リプトンの詩からピーター・ポール・アンド・メアリーのピーター・ヤーロウが書きました。 リプトンがこの詩を書いたのはコーネル大学に通っていた19歳(1959 年)の時とのこと。 Ogden Nashという詩人の書いた "The Tale of Custard the Dragon"という詩からインスピレーションを得たとのことです。(この曲のWikipedia情報)

◆全米シングルチャートでは惜しくも2位止まり。“Puff The Magic Dragon”の首位を阻んだ曲は…?


US Top 40 Singles for the Week Ending 11th May, 1963
TW LW TITLE –•– Artist (Label)-Weeks on Chart (Peak To Date)

リトル・ペギー・マーチの“アイ・ウィル・フォロー・ヒム”が首位。“パフ”の2位はこの1週だけでした。ブレンダ・リーも10位に入ってます。あなたが歌ったクリスマス・ソングは、2023年にも全米No1になるんですよ!と時を越えて教えてあげたい…(^_^)。

1 1 I WILL FOLLOW HIM –•– Little Peggy March (RCA Victor)-8 (3 weeks at #1) (1)
2 3 PUFF THE MAGIC DRAGON –•– Peter, Paul and Mary (Warner Brothers)-9 (2)
3 6 IF YOU WANNA BE HAPPY –•– Jimmy Soul (S.P.Q.R.)-7 (3)
4 4 PIPELINE –•– The Chantays (Dot)-11 (4)
5 2 CAN’T GET USED TO LOSING YOU –•– Andy Williams (Columbia)-11 (2)

6 13 FOOLISH LITTLE GIRL –•– The Shirelles (Scepter)-8 (6)
7 8 SURFIN’ U.S.A. –•– The Beach Boys (Capitol)-8 (7)
8 5 HE’S SO FINE –•– The Chiffons (Laurie)-12 (1)
9 14 REVEREND MR. BLACK –•– The Kingston Trio (Capitol)-6 (9)
10 18 LOSING YOU –•– Brenda Lee (Decca)-6 (10)


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Songwriter(s) Leonard Lipton、Peter Yarrow
Released in 1963
US Billboard Hot100#2 
From the Album “Moving”

*原詞の引用は太字

Puff, the magic dragon
lived by the sea

And frolicked in the autumn mist
in a land called Honalee


パフ 魔法のドラゴン
海のそばに住んでいた
秋の霧の中  遊んでた
ホナリーと呼ばれる土地で

Little Jackie Paper
loved that rascal Puff
And brought him strings and sealing wax
and other fancy stuff


小さなジャッキー・ペーパーは
わんぱくなパフが大好き
持ってきたのは ヒモ や ろう
その他のワクワクするおもちゃ


Puff, the magic dragon
lived by the sea
And frolicked in the autumn mist
in a land called Honalee

Puff, the magic dragon
lived by the sea
And frolicked in the autumn mist
in a land called Honalee


Together they would travel
on a boat with billowed sail

Jackie kept a lookout
perched on Puff's gigantic tail


二人は一緒に旅をした
ボートに帆を波立たせて
ジャッキーは見張役
パフのでっかい尻尾の上で

Noble kings and princes
would bow whene'er they came

Pirate ships would lower their flags
when Puff roared out his name


高貴な王や王子たちは
二人が来ると お辞儀をするよ
パフが自分の名前を大声で叫ぶと
海賊船だって旗を降ろすよ


Oh, Puff, the magic dragon
lived by the sea

And frolicked in the autumn mist
n a land called Honalee

Puff, the magic dragon
lived by the sea

And frolicked in the autumn mist
in a land called Honalee



A dragon lives forever
but not so, little boys

Painted wings and giants'rings
make way for other toys


ドラゴンは不老不死
だけど少年はそうではない
色が塗られた翼とでっかい指輪も
他のおもちゃに取って代わられる

One grey night it happened
Jackie Paper came no more

And Puff, that mighty dragon
he ceased his fearless roar


ある灰色の夜 それは起こった
ジャッキー・ペーパーはもう来なかった
そしてパフ あの強かったドラゴンも
恐れ知らずの雄叫びを止めた

His head was bent in sorrow
green scales fell like rain

Puff no longer went to play
along the cherry lane


彼はの頭は悲しみで垂れて
緑のうろこが雨のように剥がれ落ちた
パフはもう遊んだりしない
桜の道にも行かなくなった

Without his lifelong friend
Puff could not be brave

So Puff, that mighty dragon
sadly slipped into his cave


生涯の友人がいなかったら
パフは勇敢にはなれなかった
それでパフ その強力なドラゴンは
悲しそうに彼の洞窟に滑り込んでいった


Puff, the magic dragon
lived by the sea
And frolicked in the autumn mist
in a land called Honalee

Puff, the magic dragon
lived by the sea
And frolicked in the autumn mist
in a land called Honalee

パフ 魔法のドラゴン
海のそばに住んでいた
秋の霧の中  遊んでた
ホナリーと呼ばれる土地で…


(Words and Idioms)

frolic=【自動】はしゃぐ、浮かれ騒ぐ
rascal=《戯言》 いたずらっ子,わんぱく小僧.sealing wax =封蝋(ふうろう、シーリングワックス)
ヨーロッパにおいて、手紙の封筒や文書に封印を施したり、主に瓶などの容器を密封したりするために用いる蝋。
billow=【自動】大きく波うつ、大きくうねる
perch ·〔人や鳥などを〕高い所に止まらせる[座らせる]
make way for=道を譲る,道をゆずる 退く
cease 【自動】終わる、やむ、止まる、停止する
fearless=大胆な、不敵な、勇敢な、恐れない

日本語訳 by 音時

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◆少しずつ大人になっていったジャッキー。“パフ”の淋しさが伝わってきてセツナいですね。
でも、この曲は「反戦歌」として取り上げられることも多いようですが、ウィキペディア情報によると、

歌詞にある「ジャッキー・ペーパーが現れなくなった」のは、ジャッキーがベトナム戦争に行き戦死したためだと解釈されているからのようですね。また、アメリカではドラッグ・ソングと曲解され、ヒッピーの聖歌になっているとの噂が流れ、マリファナ所持に極刑を科しているシンガポールなどで放送禁止になった、とありました。

ただ、作詞者であるピーター・ヤーロウはこれを強く否定している、とのことです。
1985年10月9日にアメリカ合衆国テネシー州のナッシュビルで行なわれたコンサート『Peter, Paul and Mary 25th Anniversary concert 』では、ピーター・ヤーロウ自らが「歌詞の解釈に誤解があるようだが、他意はなく、子どもの成長の歌だ」という内容のコメントをしているそうです。

僕もそう思いますが、米国ではベトナム戦争との関係で捉えられても不思議ではない状況だったんでしょうね。

◆あっこんな情報もありました。

ヤーロウは現在、少年少女に公平を期すために、「ドラゴンは永遠に生きるが、小さな男の子はそうではない」という歌詞を「ドラゴンは永遠に生きるが、女の子や男の子はそうではない」と歌っている 。

確かに歌詞に登場するジャッキーは男の子なので、

A dragon lives forever but not so, little boys

という歌詞になっていますが、「女の子はどうなの?」という声も出たんでしょうね(^_^;)。





◆その他情報を見ると、この曲は日本語でも歌われていて、「みんなのうた」で流された、とか「教科書に載っていた」とかいう思い出のある方も多くいらっしゃるようですね。僕はそうした経験ないんですよね〜。僕のちょっと前の世代の方々の経験なのかな…?