“FM”って…FM雑誌を買って“エアチェック”してましたよね!
僕は「FMレコパル」派だったかなあ。好きなアーティストの新譜が出ると、「FM fan」の表紙に使われることが多いのでその週(隔週で発売)は「FM fan」にチェンジ。透明な下敷きに入れてクラスの友達に見せて「おぉー」っと言われるのが快感でした笑。

このあたりは80年頃の表紙だな。(ヤフオクより写真をいただきました) ビリーのグラス・ハウス、ハートのベベル・ストレンジ、竹内まりやさんのLove Songs、ボズのミドル・マン、ドゥービーのワン・ステップ・クローサーの週はFM fanを買った記憶があります…(^_^;)
なんでFM放送が良かったかというと…はい、皆さんそうですよね。
AM放送のような雑音や障害がほとんどなくカセットテープに録音して半ば保存版として聴けるから(レコードを買わずに済むから)、ですよね。
(AM放送じゃそうはいかない)
◆この曲“FM“は、スティーリー・ダンが、アルバム「Aja」から“麗しのペグ(Peg)”が78年に全米11位、“Deacon Blues”が全米19位のヒットを出して、その次、まだアルバム「Aja」がヒットしていた最中にいきなり全米チャートに登場してきて、最高位22位のヒットになりました。
一瞬、アルバム「Aja」からのサード・シングルかと勘違いしちゃいそうになりましたがここは全米トップ40を聴いていましたので、曲解説から「Aja」には収録されてない!ということがわかっていましたので間違えずに済みました(^o^)
(アルバム「Aja」からは、このあと“Josie”が全米36位のヒットとなります)
◆“FM”は、2枚組のサウンドトラック「FM」からのシングル。このサントラは、当時の色んなアーティストのヒット曲が収められていましたね。
(中学生のとき、友達の石関くんがLPを買ったので、借りてカセットに収めることができました)
<サウンドトラック「FM」について>
いっぱい色んな曲、リンダやイーグルス、ビリ−・ジョエルやクイーンなども入っていて、絶対のお買い得だったよな。

こんな曲が入っていました!
Side One
"FM (No Static at All)" - Steely Dan – 4:52
"Night Moves" - Bob Seger – 3:27
"Fly Like an Eagle" - Steve Miller Band – 3:04
"Cold as Ice" - Foreigner – 3:20
"Breakdown" - Tom Petty & The Heartbreakers – 2:44
"Bad Man" - Randy Meisner – 2:38
Side Two (Order of songs on inside jacket show side three songs before side two songs)
"Life in the Fast Lane" - Eagles – 4:46
"Do It Again" - Steely Dan – 5:54
"Lido Shuffle" - Boz Scaggs – 3:42
"More Than a Feeling" - Boston – 4:45
Side Three
"Tumbling Dice" - Linda Ronstadt – 4:51 (Live Version)
"Poor, Poor Pitiful Me" - Linda Ronstadt – 4:15 (Live Version)
"Livingston Saturday Night" - Jimmy Buffett – 3:10
"There's a Place in the World for a Gambler" - Dan Fogelberg – 5:41
"Just the Way You Are" - Billy Joel – 4:49
Side Four
Side Four
"It Keeps You Runnin'" - The Doobie Brothers – 4:13
"Your Smiling Face" - James Taylor – 2:43
"Life's Been Good" - Joe Walsh – 8:05
"We Will Rock You" - Queen – 2:04
"FM - Reprise" - Steely Dan – 2:54
◆このLPが「サウンドトラック」ということで、では、映画の方はどうだったか?というと…日本で公開もなかったので、当時の中学生が見られるはずもなく見られておりません…。

(Wikipediaより)
・『FM』は、ジョン・A・アロンゾ監督、マイケル・ブランドン、アイリーン・ブレナン、アレックス・カラス、クリーヴォン・リトル、マーティン・マル、キャシー・イェーツ主演のFMラジオ局の内部抗争を描いた1978年のアメリカのコメディドラマ映画です。 脚本はエズラ・サックスが書いた。
・ユニバーサル・ピクチャーズが製作し、1978年の春に劇場公開された。映画の興行成績は振るわなかったが、サウンドトラックはプラチナ認定ディスクとなった。
◆そしてタイトルトラックとなっている、この渋〜い曲“FM”ですが、ちょっと意味がわからない箇所もあったのですが、サブタイトルの (No Static at All)がダブルミーニングになっていて、しゃれてる歌詞です。まずは音時和訳をどうぞ。

Songwriter(s) Walter Becker, Donald Fagen
Released in 1978
US Billboard Hot100#22
From the Album “FM”
*原詞の引用は太字
Worry the bottle, Mama
It's grapefruit wine
Kick off your high-heeled sneakers
It's party time
The girls don't seem to care what's on
As long as they play 'til dawn
Nothin' but blues and Elvis
And somebody else's favorite song
ボトルを口で開けちゃおうか ママ
グレープフルーツのワインなんだ
ハイヒールの靴を脱ぎ捨てて
パーティーの時間だよ
女子たちは何が起きてるか気にしちゃいない
遊び続けるんだ 夜明けまでずっと
FMじゃ ブルースとエルヴィスばかり
そして誰かの好きな曲がかかってる
Give her some funked-up Muzak
She treats you nice
Feed her some hungry reggae
She'll love you twice
The girls don't seem to care tonight
As long as the mood is right
ファンクアップした 曲を流せば
彼女はきみ優しくしてくれる
久しぶりのレゲエを「食べさせて」あげれば
彼女はきみを二度愛してくれる
女子たちは気にしていないみたい 今夜はね
この雰囲気が続く限りは…
No static at all
(No static, no static at all)
FM (No static at all)
静電気はまったくない
( 雑音もない スムーズに進んでく)
それがFM (文句や抵抗もまったくないんだ)
Give her some funked-up Muzak
She treats you nice
Feed her some hungry reggae
She'll love you twice
The girls don't seem to care tonight
As long as the mood is right
ファンクアップした 曲を流せば
彼女はきみ優しくしてくれる
久しぶりのレゲエを「食べさせて」あげれば
彼女はきみを二度愛してくれる
女子たちは気にしていないみたい 今夜はね
この雰囲気が続く限りは…
No static at all
(No static, no static at all)
FM (No static at all)
(Words and Idioms)

◆はい、サブタイトルの“No Static At All”の意味は、
・「静電気や雑音がまったくない」という意味 と
・「妨害や生意気な口答えがまったくない」という意味のダブル・ミーニングなんですね。
◆スティーリー・ダンの2人のことですから、歌詞に皮肉やひねりがあるはずだ…と思っておりましたが、どうもそういうことのようです。
この曲のWikipediaに歌詞についてのコメントを参考にしました。
なんでも、米国では1978年当時、ほとんどのFM局は24時間放送局で、対照的に、多くの AM 放送局は夕暮れ時に放送を終了するか大幅に電力を下げる必要があり、聴取が中断されたり、信号品質が低下したり、つまり静的信号が発生したりする可能性があった、とのこと。
この曲の主人公の男性は音楽には詳しいのでしょう。彼は、「(FM放送は)ブルースやエルヴィス、誰かの好きな曲ばかりかけている」と思ってるようですね。
…と解釈しました。
◆ウォルター・ベッカーは2017年9月3日に天国に旅立っています(享年67歳)。死因・死亡場所など詳しい状況は当初彼自身のウエブサイトで何も述べられていませんでしたが、ご夫人(Delia Becker)のコメントにて、極度に進行した食道癌の治療中にニューヨークの自宅で逝去した…と報告されています。
ご冥福をお祈りいたします…。
スティーリー・ダンは現在はドナルド・フェイゲンのソロ・ユニットとして活動が行われています。
(イーグルスのファイナルツアーのゲストはスティーリー・ダン。こちらも見納めになりそうです…)(^_^;)
スティーリー・ダン Official Website
静電気はまったくない
( 雑音もなく スムーズに進んでく)
それがFM (文句や抵抗もまったくないのさ)
worry=〔口でくわえて何度も〕引く[ゆする・ちぎる]
static=
日本語訳 by 音時static=
〔放送電波の〕空電、雑音
《電気》静電気◆【同】static electricity
〈米話〉〔人からの〕干渉、妨害、反対
〈米話〉〔痛烈な〕非難、批判
〈米話〉〔生意気な〕口答え

◆はい、サブタイトルの“No Static At All”の意味は、
・「静電気や雑音がまったくない」という意味 と
・「妨害や生意気な口答えがまったくない」という意味のダブル・ミーニングなんですね。
◆スティーリー・ダンの2人のことですから、歌詞に皮肉やひねりがあるはずだ…と思っておりましたが、どうもそういうことのようです。
この曲のWikipediaに歌詞についてのコメントを参考にしました。
なんでも、米国では1978年当時、ほとんどのFM局は24時間放送局で、対照的に、多くの AM 放送局は夕暮れ時に放送を終了するか大幅に電力を下げる必要があり、聴取が中断されたり、信号品質が低下したり、つまり静的信号が発生したりする可能性があった、とのこと。
この曲の主人公の男性は音楽には詳しいのでしょう。彼は、「(FM放送は)ブルースやエルヴィス、誰かの好きな曲ばかりかけている」と思ってるようですね。
彼自身は、女子をいいムードにして口説くには自分の好きな音楽、たとえば“funked-up Muzak“(ファンキーで最新なミューザック!)や“hungry reggae“を聴かせれば、効果は倍増!と思っていたようですが…女性たちはBGMが誰の何という曲か、などは気にもせず、この雰囲気さえあれば、オールナイトで一緒にいてくれる様子…。
そうです、何も障害も、妨害もなく、スムーズに…それが「FM」なんだ…!
彼にとって、音楽的には一言言いたいってあるのですがそれは心に秘めて、一晩中、女性とロマンスをするためには信頼できる放送が必要…だから「FM」はいいんだよ!(^_^;)そうです、何も障害も、妨害もなく、スムーズに…それが「FM」なんだ…!
…と解釈しました。
◆ウォルター・ベッカーは2017年9月3日に天国に旅立っています(享年67歳)。死因・死亡場所など詳しい状況は当初彼自身のウエブサイトで何も述べられていませんでしたが、ご夫人(Delia Becker)のコメントにて、極度に進行した食道癌の治療中にニューヨークの自宅で逝去した…と報告されています。
ご冥福をお祈りいたします…。
スティーリー・ダンは現在はドナルド・フェイゲンのソロ・ユニットとして活動が行われています。
(イーグルスのファイナルツアーのゲストはスティーリー・ダン。こちらも見納めになりそうです…)(^_^;)
スティーリー・ダン Official Website
コメント
コメント一覧 (9)
この曲やスティーリー・ダンと云うより、FM雑誌のくだりに思わず反応してしまいました。
私が最初に購入したのは週刊FMでした。なぜ隔週なのに週刊なのかと思いながら(多分昔は週刊だったのだろう)も、クラスメイトはレコパルかfanのどちらかだったので、唯のへそ曲がりだったのでしょう。音楽好きの少しミーハーな人は、レコパル、オーディオにシフトを切った人はfanだったような。近所の本屋が週刊FMを平積みしなくなったので、段々レコパルに変えていった記憶があります。ただ週刊FMは私にとって読むところが一杯あったような。レコパルは漫画とか掲載されていたし、(チャイコフスキーの交響曲6番のことが載っていたのは覚えています。内容はすっかり忘れてしまいましたが)Fanは長岡さんの自作のページとか実験のページがありましたが、手先の不器用な私にとって興味が湧かないところでした。
音楽には全く関係ない事で申し訳ありません。
音時
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“FM”は彼らの曲の中でも特に好きな部類に入るのですが、例によって歌詞の日本語での意味は全然知りませんでした。副題の”(No Static At All)”ってそもそもどんな意味なんだろうって。スティーリー・ダンの歌詞はかなりひねっていることが多いので難解なもの多く、仮に大意がわかったとしても本当にこれでいいんだろうかみたいな感じになってしまうんですよね。
私も”funked-up muzak”が気になって調べてみたのですが、正確かどうかはわかりかねるものの、どうやら”funked-up”はそのまんまで、”muzak”はエレベーターなどでかかっている音楽、言ってしまえばBGMみたいなもののようです。つまりは、「ファンキーなBGM」みたいな意味があるのかなと思っています。ただ、イカして”muzak”としただけかもしれません。
リアルタイム世代ではないのでサントラに入っていたオリジナルバージョンではなく、「シチズンズ」などのベスト盤に入っているリプライズのサックスをラストに取り入れ、5分ほどになっているバージョンの方がなじみがあります。どちらのバージョンも歌よりも前奏間奏後奏を足した時間の方が長いのですが、そこが彼ららしくていいなと思っています。
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スティーリー・ダン、いいですね。ギターをはじめ、様々な音が効果的。さすがです。
この曲の最高位は22位でしたか。(もっと上位だったイメージが…)
ボクもFM放送をよく聞いていました。「静電気や雑音がまったくない」ので…。
でも、「妨害や生意気な口答えがまったくない」女性というような意味も含んでいるのですね。とても興味深いです。
あっ、ボクもFMレコパル派でした。
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Steely Dan、かっこよかったなあ〜 。この曲あたりはリアルタイムでした。全米TOP40のチャートに入ってきたこと、同時期のその他の曲もよく覚えています。
しかしながら、『Aja』の中の一曲ではない?そうですよね。確かに。
それと、そう、2枚組のサウンドトラック『FM』ありましたね。そんな記憶は、曲とは、まったく裏腹に色褪せてしまってました。
音時さん、和訳、解説、楽しく、曲を聴きながら読ませて頂きました。
No Static At Allのダブルミーニングの解釈の話は、確かに、そうですよね。
それを知って感動しました。
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