LP“ダディーズ・スマイル”(Dad Loves His Work)のラスト曲。アカペラで歌うこの曲“That Lonesome Road”…これがなかなかいいんです。

この曲はブルース・ブラザースで人気を博したジョン・ベルーシの葬儀にて、ジェイムスは演奏したそうです。ビル・マーレイの著書「Live From New York」のインタビューで、ジョン・ベルーシの葬儀でジェームスがこの曲を演奏したことを鮮明に覚えており、今でもこの曲を聴くと身がゾクゾクし、ジョンの墓前を思い出すと述べているそうです。 


1_11780148



 (Taylor, Don Grolnick)

Released in 1981
From the Album “Dad Loves His Work”

*原詞の引用は太字


Walk down that lonesome road all by yourself
Don't turn your head back over your shoulder
And only stop to rest yourself when the silver moon
Is shining high above the trees


その寂しい道を一人で歩いて行くんだ
肩越しに 後ろを振り返ったりしないで
そして銀色の月が出たときだけ
立ち止まってう休むがいい
月は木々より高く 空で輝いてる

If I had stopped to listen once or twice
If I had closed my mouth and opened my eyes
If I had cooled my head and warmed my heart
I'd not be on this road tonight

もしも 一度か二度立ち止まって聞いていたら
もしも 口を閉ざしても 現実を見つめられていたら
もしも 頭を冷やして心を温めていたら
今夜  この道にはいないだろう

Carry on進んでいこう…

Never mind feeling sorry for yourself
It doesn't save you from your troubled mind

自分を憐れむことはない
そうしたところで
混乱した心から救ってはくれないよ

Walk down that lonesome road all by yourself
Don't turn your head back over your shoulder
And only stop to rest yourself when the silver moon
Is shining high above the trees

その寂しい道を一人で歩いて行くんだ
肩越しに 振り返ってりしないで
銀色の月が出たときだけ 立ち止まって休むがいい
月は木々よりも高く おまえを空から照らしてくれる

日本語訳 by 音時


DadLoveshisWork


◆うーん、でもどうしてもこの曲は、カーリー・サイモンと別れて、孤独に一人歩いていくジェイムスの後ろ姿が目に浮かんでしまいます。

 アルバムタイトル“Dad Loves His Work”という言葉は、ジェイムスがツアーを続け家にいないことから、当時の奥様のカーリーが2人の子供を連れて家を出ることについて最後通牒を突きつけたことへの彼の返答、ということだったそうです(^_^;)。(このあたりは、このアルバムからのヒットとなった、J.D.サウザーとのデュエット“Her Town Too”(憶い出の町)の記事にも書きましたね。このブログを始めた頃で、もう随分前になるな…。

 Wikipediaのこのアルバムの情報からは、カーリーは1980年に「家族ともっと家にいるよう予定を減らさなければ離婚する」と伝え、アルバムのリリース直前に二人は別居し、1983年に11年間の結婚生活を正式に解消した…といいます。ジェイムスは未だに長い薬物乱用歴と闘っていたが、後に当時は自分には家族としての資質が備わっていなかった事を認めたそうです。 
 なんだか身に積まされる話です…(^_^;)。

でも、それにしても、だからこそ…この曲は孤独を背負って後ろを振り返らずに歩こうとする者の決意を励ますとともに、そんなおまえにも月は上から微笑みかけてることにたまには気づいてもいいんだよ…と優しく語りかけてくれます…。

 Dad loves this song…。