アルバム「モダン・ヴォイス」はA面の“Kiss On My List”と、B面2曲めの“Everytime You Go Away”をよく聴いてました。この曲“You've Lost That Lovin' Feeling”はB面トップに位置していたので、アルバムを買ってしばらくは、お目当ての曲を聴く“ついで”に聴いておりました。

しかし!、この曲はそんな扱いをしてはいけませんよね。
 作詞・作曲はバリー・マン、シンシア・ワイル、フィル・スペクター。1965年2月にはライチャス・ブラザーズが歌って全米1位になったポップスの名曲です。

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正式な邦題は「フラレた気持」。
フラレがカタカナ、気持ちは「気持」と“ち”が付かない。



◆ホール&オーツのカバーは、歌いだしがジョン・オーツの低い声で始まり、すぐにダリルの声が受け継ぎます。あらためてボーカルパートが入れ替わって1曲を仕上げる、こういった曲は、別々に1曲のボーカルを担当するような曲と違って、あらためてデュオとしてのホール&オーツの魅力を引き出してくれました。
 
ところで、この曲、低音のボーカルでゆっくりと始まります(ライチャス・ブラザーズの場合はビル・メドレー)ね。フィル・スペクターが曲を仕上げ、ライチャス・ブラザーズがレコーディングしましたが、その音源を電話でバリー・マンに聴かせた時に、バリーは「フィル!レコードの回転数を間違えてかけてるよ!」と言ったという話です。
(「ビルボード・ナンバー1・ヒット 上 1955ー1970」(音楽之友社)


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Songwriter(s)
Phil Spector、Barry Mann、Cynthia Weil

Released in 1980
US Billboard Hot100#12 
From the Album “Voices”

*原詞の引用は太字

You never close your eyes anymore
when I kiss your lips
And there's no tenderness like
before in your fingertips
You're trying hard not to show it
But baby, baby I know it

きみは唇にキスをしても もう目を閉じたりしない
指先にも前のような優しさがないんだ
きみは それを見せないようにしてるのさ
でもベイビー 僕はわかってる

You lost that lovin' feelin'
Oh, that lovin' feeling
You lost that lovin' feelin'
Now it's gone, gone, gone, oh, oh, oh

きみは あの愛する気持ちを失くしちゃった
ああ あの時の愛しい気持ち
きみは その愛する気持ちを失ったんだ
もう消えてしまった なくなっちゃった ああ

No there's no welcome look in your eyes
when I reach for you
And girl, you're starting to criticize
little things I do
Ooh, it makes me just feel like cryin'
'Cause baby, something beautiful's dying

そうさ 僕がきみに手を伸ばしても
きみの瞳には 受け入れる雰囲気もない
そしてねえ きみは僕の細かなことの
批判をし始めてるんだ
ああ 泣きたい気分にさせるよ
だってベイビー 美しいものが命を失おうとしてる

You lost that lovin' feelin'
Oh, that lovin' feeling
You lost that lovin' feelin'
Now it's gone, gone, gone, oh, oh, oh

きみは失くしちゃった
あの愛する気持ちをね
きみは愛する気持ちをどこに?
もうここにはない
失くなってしまったんだ ああ

Baby, baby, I get down on my knees for you
(Get down on my knees)
If you would only love me like you used to do
(If you would only love me, love me)
We had a love, a love, a love you don't find everyday
(A love you don't find)
So don't, don't, don't let it slip away (Away)
I said, baby, baby, baby, baby
(I'm beggin' you, please) I'm beggin' you, please
I need your love (I need your love)
I need your love
So bring it on back (Bring it on back)
Now bring it on back
Now bring it on back

ベイビー ベイビー きみのためにひざまずく
(ひざまずいて)
きみが前のように僕だけを愛してくれるなら
(僕だけを愛して 僕を愛してよ)
僕たちには日常では見つけられないような愛があった
(見つからない愛)
だから やめて ダメだよ 逃がさないで(離れないで)
僕は言った ベイビー ベイビー ベイビー ベイビー
(お願いだよ 行かないで) お願いだ お願いだよ
きみの愛が必要だ  (きみの愛が必要なんだ)
僕にはきみの愛が必要なんだ
だから戻してよ (元に戻して)
さあ 元に戻して
さあ 元に戻してくれよ

You've got to bring back that lovin' feelin'
Oh, that lovin' feelin'
Bring back that lovin' feelin'
'Cause it's gone, gone, gone
And I can't go on, oh, oh, oh

きみはあの愛する気持ちを
取り戻さないとダメさ
あの愛する気持ちを戻してほしい
失ってしまって今はないあの気持ち
それがなきゃ僕はやっていけない 

Bring back that lovin' feelin'
Oh, that lovin' feelin'
Bring back that lovin' feelin'
'Cause it's gone, gone, gone

取り戻そう あの愛する気持ちを
ああ 素敵なあの気持ち
取り戻すんだ 愛する気持ちを
今は失くなってしまっていても

Bring back that lovin' feelin'
Oh, that lovin' feelin'
Bring back that lovin' feelin'
'Cause it's gone, gone, gone

Bring back that lovin' feelin'
Oh, that lovin' feelin'
Bring back that lovin' feelin'
'Cause it's gone, gone, gone

取り戻そう あの愛する気持ちを
ああ 素敵なあの気持ち
取り戻すんだ 愛する気持ちを
今は失くなってしまっていても…


日本語訳 by 音時

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国内盤シングルは“Kiss On My List”とのカップリング。
アルバムを買ってない人にとっては最強の組み合わせでした。



◆ライチャス・ブラザーズの「フラレた気持」。ホール&オーツは1st Verseで ジョン→ダリルとボーカルが変わりますが、こちらはビル・メドレーがメインで歌います。




ライチャス・ブラザーズのこの曲がチャートで最高位を記録した週の全米ビルボードチャートを見てみましょう。

US Top 40 Singles for the Week Ending 6th February, 1965
TW LW TITLE –•– Artist (Label)-Weeks on Chart (Peak To Date)

これも名曲「ダウンタウン」に代わって1位に。2週に渡って首位をキープしましたが、その後はこの週7位から4位に上昇した「恋のダイヤモンド・リング」に首位の座を明け渡します。9位はマーヴィン。後にジェイムズ・テイラーがカバーする「How Sweet it is(To be loved by you)」。

1 2 YOU’VE LOST THAT LOVIN’ FEELIN’ –•– The Righteous Brothers (Philles)-9 (1 week at #1) (1)
2 1 DOWNTOWN –•– Petula Clark (Warner Brothers)-8 (1)
3 3 THE NAME GAME –•– Shirley Ellis (Congress)-9 (3)
4 7 THIS DIAMOND RING –•– Gary Lewis and the Playboys (Liberty)-4 (4)
5 5 HOLD WHAT YOU’VE GOT –•– Joe Tex (Dial)-8 (5)

6 4 LOVE POTION NUMBER NINE –•– The Searchers (Kapp Winner’s Circle)-11 (3)
7 10 ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT –•– The Kinks (Reprise)-7 (7)
8 12 MY GIRL –•– The Temptations (Gordy)-4 (8)
9 6 HOW SWEET IT IS TO BE LOVED BY YOU –•– Marvin Gaye (Tamla)-12 (6)
10 15 SHAKE –•– Sam Cooke (RCA Victor)-5 (10)


◆ディオンヌ・ワーウィックの歌うこの曲。1969年全米16位のヒットになりました。