白と黒…アルバム「QueenⅡ」のA面(白)のラスト曲がこの曲。
ロジャーが自分で書いて歌う“The Loser In The end”です。
実はQueenのアルバムでこの「Ⅱ」はカセットテープで持っていて、アルバムを購入したのはもういい大人になってから…で、この曲を始め「Ⅱ」の曲は有名曲の“Ogre Battle”や“Seven Seas Of Rhye”などを除いてあまり歌詞にあたることはありませんでした。ですので、「Ⅱ」がコンセプトアルバムとするのであれば、この曲はおそらく「白」のホワイト・サイドから「黒」のブラック・サイドの繋ぎの曲。
なんとなく「白」サイドは、白い騎士の“父より子へ”の物語が叙事詩のように綴られたもので、でも正義の騎士は最後には負けてしまい(Loser In the end)、世界は魔物や悪魔、鬼たちに支配され…ブラック・サイドが始まるようなイメージでした。

◆この曲を和訳し終わって、いま思うのは…考えすぎ、じゃない?ってこと(^_^;)。
この曲がA面ラストに収録されているのも、A面(白)はブライアン作の曲、B面(黒)がフレディ作の曲たちとして、ロジャー作のこの曲は、「んじゃ、真ん中に入れるか」でこの位置になったのではないかな。それくらいの感じがしました…。
あと「父より子」へから始まるサイドなので、ラストは「子から母へ」で締めくくったとも考えられる…?笑。

Written by: ROGER TAYLOR
Lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC
Released in 1974
From the Album “QueenⅡ”
*原詞の引用は太字
Mama's got a problem
She don't know what to say
Her little baby boy
Has just left home today
She's got to be the loser in the end
She's got to be the loser in the end
Misuse her and you'll lose her as a friend
She's Ma on whom you can always depend ooh
ママは問題あって悩んでる
なんて言っていいかわからないんだ
彼女のかわいい息子
彼はちょうど今日家を出た
結局は彼女は負けてしまったのさ
最後に彼女は負けてしまったんだ
接し方を誤ると仲良しじゃなくなってしまうんだ
ママこそおまえがいつでも頼っていい存在なのに
She washed and fed and clothed and cared
For nearly twenty years
And all she gets is Goodbye Ma
And the night times for her tears
She's got to be the loser in the end
She's got to be the loser in the end
Misuse her and you'll lose her as a friend
She's Ma on whom you can always depend ooh
洗濯 食事 服だって用意して面倒をみてくれた
もう20年ものあいだ ずっとだよ
でも彼女は「ママ あばよ」と言われ
涙に暮れる夜の時間を手にするだけ
最後にすべてを失う彼女
結局は色んなことに負けてしまう彼女
接し方を誤るな
彼女は仲良しじゃなくなってしまうぞ
おまえがいつでも頼っていい存在なのに
So listen mothers everywhere
To just one mothers son
You'll get forgotten on the way
If you don't let them have their fun
Forget regrets and just remember
It's not so long since you were young
だから各地の母親たちよ 聞いてくれ
一人の母親の息子として 聞いてくれ
子どもたちを楽しませてやれないのなら
ゆくゆくは忘れられてしまうことを
悔やんでないで 思い出すことさ
自分たちも ついこの間までそうだったろう
You're bound to be the loser in the end
You're bound to be the loser in the end
They'll chose their new shoes
That's not far to bend
You're Ma on whom they can always depend ooh ooh
最後には負けてしまうことになる
最後には忘れられた存在になる
子どもたちは自分の力で道を歩くようになる
心配なんかいらないさ
母親はいつだって頼れる存在なんだから
(Words and Idioms)
misuse · 〔物事・言葉などの〕誤用 · 〔地位・権力・知識などの〕悪用、乱用
on the way【副詞】途中で、道すがら、途上で、道々、行く行く
日本語訳 by 音時

なんだか「QueenⅡ」の中世の叙事的な世界から現在に戻って、若者代表(ロジャー)の母親論を聞かされた気分になりました…!
この曲で言う“Loser”は、世のすべての?母親であって、母親は、大切に大切にいい子に育てた息子でも最後には独り立ちして出ていき、取り残されるってことを歌ってるんでしょうね。
でもそれって…「負けた」ことになるのかな?と思いますが、母親の方が子離れする準備ができてなければそう思うってことなのでしょう。
はい、「QueenⅡ」収録でなければ、普通の曲だったと思うのですが、ロジャー、わざわざ上のような白いコスチュームで天使のイメージに身を包んで歌うこともないんでないかい笑。
◆ロジャーが作り自分で歌う曲としては僕はこの曲が一番好きかな。アルバム「A Day At the Races」(華麗なるレース)の“Drowse”(さまよい)。(和訳記事はこちら)
◆A面ラストのロジャー曲といえばこの曲もありました。アルバム「News Of The World」(世界に捧ぐ)の“Fight From The Inside”(秘めたる炎)。この曲は気合い入ったロックで好きです。(和訳記事はこちら)
コメント