スリー・ドッグ・ナイトにも「4月のうた」がありました。
この“Pieces Of April”。全米No1になった“Black And White”の収録された彼らのアルバム「Seven Separate Fools」からのセカンド・シングルで、全米第19位のヒットとなりました。曲は“Black And White”とうってかわっての繊細なバラード。
リード・ボーカルはヒゲのチャック・ネグロンで、アルバム収録のレコーディングが遅れたため、他の2人のボーカリスト(コリー・ウェルズ、ダニー・ハットン)はすでにロンドンを離れた後だったこともあり、レコーディングはチャック1名で行われた曲だったようです。
邦題をつけるなら“4月のかけら”とそのまんまだけでも付けたくなってしまう印象的なタイトルです。でも邦題は特別についてなく、“ピース・オブ・エイプリル”(Piecesは単数形に)。
国内盤シングルジャケットに「来日記念盤」とあるように、この曲がヒットチャートを賑わせていた1972年12月、スリー・ドッグ・ナイトは来日していたようですね。
(大阪、名古屋、京都、東京で計6回の日本公演)
◆この曲の作者Dave Logginsは、ケニー・ロギンスの従兄弟。自身は1974年に“Please Come To Boston“(最高位5位)のヒットがありますね。
Songwriter(s) Dave Loggins
Released in 1973
US Billboard Hot100#19
From the Album “Seven Separete Fools”
*原詞の引用は太字
April gave us springtime
And the promise of the flowers
And the feeling that we both shared
And a love that we called ours
4月は僕たちに春の季節と
花が咲き乱れる期待をもたらせてくれた
そして二人分かち合う感情と
僕たちの愛を呼び起こしてくれた
We knew no time for sadness
That's a road we each had crossed
We were living a time meant for us
And even when it would rain, we would laugh it off
僕たちには悲しみなんてなかった
悲しみは僕たちそれぞれに乗り越えてきたからね
二人だけの時を生きてきたんだ
たとえ雨が降ろうと 僕らは笑い飛ばしてた
I've got pieces of April
I keep'em in a memory bouquet
I've got pieces of April
It's a morning in May
手のなかにある4月のかけら
思い出のブーケのなかに取ってある
残された4月のかけら
季節はもう5月の朝になってしまった
We stood on the crest of summer
Beneath an oak that blossomed green
Feeling as I did in April
Not really knowing what it means
季節は夏真っ盛り
僕たちは真緑の樫の木陰にいた
4月と同じ気持ちで
それが何を意味するかわからないまま
But it must be then that you stand beside me now
To make me feel this way
Just as I did in April
But it's a morning in May
だけど確かにその時だった
きみが僕のすぐそばに立っていた
あのときの4月と同じ
こんな気持ちにさせてくれた
だけど 今はもう5月の朝
I've got pieces of April
I keep'em in a memory bouquet
I've got pieces of April
But it's a morning in May
手のなかにある4月のかけら
思い出のブーケのなかに取ってある
残された4月のかけら
季節は5月の朝になってしまった
I've got pieces of April
I keep'em in a memory bouquet
I've got pieces of April
It's a morning in May
手のなかにある4月のかけら
思い出のブーケのなかに取ってある
残された4月のかけら
だけど 季節はもう5月の朝
It's a morning
It's a morning in May
ある朝のこと
ありふれた5月の朝のこと
(Words and Idioms)
crest =頂上,山頂,波頭;絶頂,頂点,最上
日本語訳 by 音時
◆うーん、4月に出会った彼と彼女。二人はそれまで生きてきたなかで悲しみを乗り越えてきていて、響き合うものがあったんでしょうね。
そして迎えた「5月の朝」。どうなったんでしょうか...?
彼女は実は去っていってしまった?(それとも天国に逝ってしまった?)
思い出のブーケのなかにある4月のかけら、とは何を意味するんだろう?
隣にいたのは彼女の幻影?
ちょっとそんな風に訳してしまいましたが、
もしかすると、出会いの4月を過ぎ、5月の朝に彼はその出会いのドラマ=Pieces Of April を思い出し、大切にしまって、彼女と一緒に生きていく決意を新たにしている...と読むこともできるかな...?
◆Three Dog Nightのグループ名の由来は...以前も書きましたが、
「物凄く寒い夜を耐えしのぐのには 犬が3匹は必要 (3匹の犬に囲まれて寝る)」ということを「スリー・ドッグ・ナイト」(アボリジニの言葉のようです)と言うんですね。
そんな彼らのNo1ヒットは3曲あって、もしかすると、それはすべて「冬」なのでは?と考え、ヒロクシンさん(チャートマニアで僕の先輩師匠!?)が調べてくれました。
すると...
・「Mama Told Me( Not To Come)」 70年7月
・「Joy To The World」 71年4月~5月
・「Black & White」 72年9月
と 寒い冬のナンバー1ヒットは1曲もない、とのことでした笑!
◆ちなみに冬に最高位を記録したヒット曲は5曲あり、
・「One Man Band」 1971年1月9日 最高位19位
・「An Old Fashioned Love Song」
1971年12月18日、25日、1972年1月1日 最高位4位
・「Never Been To Spain」1972年2月12日、19日 最高位5位
・「Pieces Of April」1973年1月13日 最高位19位
・「Let Me Serenade You」1973年12月1日、8日 最高位17位
また、Top40入した全21曲の最高位を記録した季節を調べたところ、
春 (3月、4月、5月とする) 5曲
梅雨・夏 (6月、7月、8月) 6曲
秋(9月、10月、11月) 5曲
冬(12月、1月、2月) 5曲
そう、見事に四季折々・均等になっていたそうです(^_^;)。
さすがです。師匠!
流行していた季節をそんなに考えたことのなかった僕にとっては新鮮な検証でした笑。
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