6月のアルバム全曲和訳はこのアルバム!
ジャクソン・ブラウンの“Running On Empty”(孤独のランナー)。
よろしくお付き合いください!


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A-1のタイトルトラック。
この曲、そしてこのアルバムは僕にとっても想い出深い、また、とても大切な曲(たち)だなあ。
(多くの皆さんにとってもきっとそうでしょう)

“Running On Empty”...誰もが自分の人生を重ねて聴くんじゃないかな。

◆完全なライブアルバム...じゃないけれど、スタジオではない“ロード“(ライブ音源プラスホテルの部屋やツアーバスのなかなど)でレコーディングされた新曲ばかりにアルバム...このアルバムはそういうことでしょう。
 (ビートルズで言えば“Let It Be”がこれに近いのかな)

*タイトル曲“Running On Empty”とラストの“The Load-Out / Stay“は、1977年8月27日にメリーランド州コロンビアのメリウェザー・ポスト・パビリオンで行われたコンサートのライブ録音です。

Running Jackson



◆これは知らなかったな(^_^;)。「道」を走り続ける、だけど“Empty”...ガス欠? 、虚しさ?...信念を持って走ってるわけではないことに、はっとしますが、元は"Running On Empty "という言葉は、...ジャクソンにとって、文字通りの意味を持っていたようです。

 Rolling Stone誌によると...ジャクソンは、アルバム『The Pretender』を作るために、毎日車でスタジオを往復しているときに、この曲を書いたようです

 自宅からスタジオまでの道のりは遠くなかったようで、車のガソリンを入れるために立ち寄ることはほとんどなかったそうです。"いつもガソリンがない状態で運転していた "とジャクソンは回想しています。「ガソリンを入れる気にならなかったんだ、だって......どれくらいの距離だったかな?ほんの数ブロックの距離だよ」。

◆“Running On Empty”...最初は本当にガス欠の意味でつぶやかれた言葉だったのかもしれませんが...この曲はそんなシンプルなワードをもとに、歌詞とメロディ、そしてバンドサウンドの曲を作り、永遠の名曲としたなあと思います。





(Jackson Browne)

Released in 1977
US Billboard Hot100#11 
From the Album “Running On Empty”

*原詞の引用は太字

Looking out at the road
rushing under my wheels

Looking back at the years gone by
like so many summer fields

In sixty five I was seventeen
and running up one on one

I don't know where I'm running now,
I'm just running on


車輪の下を急ぎ通り過ぎる道路を眺めながら
あの夏の野原のように過ぎ去った年月を振り返る
65年 17歳のとき 101号線で駆け上がっていた
いま自分がどこを走っているのかわからずに
ただひたすら走りながら...

Running on, running on empty
Running on, running blind
Running on, running into the sun
But I'm running behind

走ってるんだ...虚しく感じながら
走ってるんだ...何も見えずに
走り続ける...太陽に向かって
だけど 追いつけずに遅れてる...


Gotta do what you can
just to keep your love alive

Trying not to confuse it with
what you do to survive

In sixty-nine I was twenty-one
and I called the road my own

I don't know when that road turned,
into the road I'm on


できることをしよう  きみの愛を活かすために
混同しないようにするんだ  生きるためにすることと
69年 21歳のとき  道を自分のものだと名付けたのさ
あの道がいつから
今いる道に変わったのだろうか

Running on, running on empty
Running on, running blind
Running on, running into the sun
But I'm running behind

走り続ける...こころはからっぽだけど
走ってるんだ...何も見えない
走ってるのさ...太陽に向かって
だけど いつまでも遅れたままさ


Everyone I know, everywhere I go
People need some reason to believe
I don't know about anyone but me

If it takes all night, that'll be all right

If I can get you to smile before I leave

どんな人でも  どこにいようと
人には 信じるための何か理由が必要なんだ
僕は僕以外の人のことは知らないから

たとえ一晩かかっても それでいいんだ
きみを微笑ませたいから  僕がここを出るまでに

Looking out at the road
rushing under my wheels

I don't know how to tell you all
just how crazy this life feels

Look around for the friends
that I used to turn to to pull me through

Looking into their eyes
I see them running too


車輪の下をすり抜けていく道路を眺めながら
うまく話せそうにないんだ
この人生がどれほど狂ってるのかを
何とかやり遂げるために 昔の友だちを探そう
かつて頼りにしていた友だちさ
彼らの瞳を見ると
彼らもまた走り続けてるんだ...

Running on, running on empty
Running on, running blind
Running on, running into the sun
But I'm running behind

走り続ける...得るものが空っぽだって
走り続ける ...何も見えなくたって
走り続ける ...太陽に向かって
いつまでも ...遅れたままだけど

Honey you really tempt me
You know the way you look so kind
I'd love to stick around
but I'm running behind

You know I don't even know
what I'm hoping to find

Running into the sun
but I'm running behind


ハニーきみは本当に魅惑的だよ
自分がとても優しく見える術を知ってるんだね
きみに張り付いていたいけど僕は追いかける
自分が何を求めているのかさえもわからないから

太陽に向かって走るけど
...僕は追いかけていくから

(Words and Idioms)
pull through=やり抜く、実行する、乗り越える

日本語訳 by 音時


Running_on_Empty



◆走り続ける...
 ブルース・スプリングスティーンの“Born To Run”、ボブ・シーガーの“Against The Wind“も主人公たちは「走り続ける」歌です。

 でもブルースは、俺たちは「走り続けるために生まれた」と歌い、走ることそのものが性(さが)としました。ボブ・シーガーは「俺たちは風に逆らって走ってた」と過去のことを懐かしく思い出してます(最後に、俺たちはまだ走ってる、と歌いますが)。

 この曲が友だちについて歌う箇所も好きだなあ。サウンドがバンドサウンドだから、ジャクソンが一人で闘ってるのではなく、ドラムのラス・カンケル、スチール・ギターのデヴィッド・リンドレー、そして女性コーラスのローズマリー・バトラーもまた皆「走ってる」のが好きです。
 そして、やっぱり、“Runnnig Behind”...遅れても走り続ける..と歌詞に...ジャクソンにシンパシーを感じるんだよなあ。


0413RK1918