「言いだせなくて」じゃなくて「言いだした曲」!?

ティモシー・B・シュミットは1977年にランディ・マイズナーに代わって、イーグルスのベーシストとなりました。

 2011年にSongfactsがティモシーに話を聞いたとき、彼はこう説明したそうです。
「この曲は僕とドン(・ヘンリー)、グレン(・フライ)の共作だ。当時、僕はバンドに入ったばかりで、彼らは僕を良い形で紹介したかったから、未完成のこの曲の一部を彼らに持って行ったんだ。そして、彼らがとても気に入ったこの小さな曲を持ってきたんだ。自分の体験に基づいたものだったんだ。」

はい、ティモシーは未完成だったけど、イーグルスの「2大巨塔」にこの曲はどうだろうか?と「言いだした」んですね(^_^;)。

・グレンはインタビューで、この曲と「One Of These Nights」の2曲が、自分が作曲を手伝ったイーグルスの曲で、イーグルスの最高傑作を表すタイムカプセルに入れる曲だと語っています。

・この曲はイーグルスがアルバム「ロング・ラン」のために完成させた最初の曲でした。グループは1978年3月にこの曲を完成させていましたが、アルバムの完成は約19ヶ月かかり、リリースはようやく1979年9月になりました。

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Writer/s: Don Henley, Glenn Lewis Frey, Timothy B. Schmit

Released in 1980
US Billboard Hot100#8 
From the Album “The Long Run”

*原詞の引用は太字

Look at us baby, up all night
Tearing our love apart
Aren't we the same two people who live
Through years in the dark? Ah

見てごらんよ ベイビー
僕たち一晩中 愛を引き裂いてるんだ
僕たち 暗闇の中にいても
何年間も過ごしてきた2人と
同じ人間じゃないのかい?ああ


Every time I try to walk away
Something makes me turn around and stay
And I can't tell you why

立ち去ろうとするといつだって
何かが僕を振り向かせ とどまらせるのさ
それが何だか うまく言えないけれど


When we get crazy
It just ain't right
(try to keep your head, little girl)

Girl, I get lonely too
You don't have to worry
Just hold on tight
(don't get caught in your little world)

'Cause I love you

僕たちがおかしくなってしまう時は
何かがうまく言ってない時さ
(気をしっかり持ってよ)
ねえ 僕も淋しいのさ
きみは心配しないでいいんだよ
ただ我慢してほしい
(自分の小さな世界に閉じこもらずに)
だってきみを愛してるから


Nothing's wrong as far as I can see
We make it harder than it has to be
And I can't tell you why
No, baby, I can't tell you why
I can't tell you why

僕が見る限り 何も間違ってない
二人で物事を難しくしすぎてしまったんだ
なぜだかはわからないけど
そうさ どうしてなのか
なんでだか説明できないけれど


Every time I try to walk away
Something makes me turn around and stay

And I can't tell you why
No, no, baby, I can't tell you why
I can't tell you why
I can't tell you why

何度も別れようとしたけれど
その度何かが振り向かせ留まらせるんだ

どうしてなんだろう
なんで なんでなんだろう
うまく言えないけれど
うまく説明できないけれど…

日本語訳 by 音時


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◆おや、この曲のシングルは日本が本国に先駆けてリリースとなったんですね。その評判を聞きつけたアサイラムがこの曲をアルバムの3rdシングルにした、という話(「全米トップ40研究読本」学陽書房 より)


◆この曲がチャートで最高位を記録した週の全米ビルボードチャートを見てみましょう。

US Top 40 Singles For Week Ending 19th April, 1980
TW LW TITLE Artist (Label)-Weeks on Chart (Peak To Date) 

ピンク・フロイドに代わってブロンディが1位に。「風立ちぬ」が3位。おお“ペパーミント・サウンド“と言われたエア・サプライ“ロスト・イン・ラブ”が12→6位。オーストラリアからのヒットでした。


1 2 CALL ME –•– Blondie (Chrysalis)-10 (1 week at #1) (1)
2 1 ANOTHER BRICK IN THE WALL (Part 2) –•– Pink Floyd (Columbia)-14 (1)
3 4 RIDE LIKE THE WIND –•– Christopher Cross (Warner Brothers)-10 (3)
4 7 WITH YOU I’M BORN AGAIN –•– Billy Preston and Syreeta (Motown)-20 (4)
5 6 SPECIAL LADY –•– Ray, Goodman and Brown (Polydor)-13 (5)

6 12 LOST IN LOVE –•– Air Supply (Arista)-11 (6)
7 11 FIRE LAKE –•– Bob Seger (Capitol)-9 (7)
8 9 I CAN’T TELL YOU WHY –•– Eagles (Asylum)-9 (8)
9 3 WORKING MY WAY BACK TO YOU / FORGIVE ME GIRL (Medley) –•– The Spinners (Atlantic)-19 (2)
10 10 OFF THE WALL –•– Michael Jackson (Epic)-10 (10)

◆イーグルスのレコーディング風景…貴重です!