クイーンのメンバーの個性も発揮されて、バラエティに富んだポップスが次から次へと披露されるようなアルバム「華麗なるレース」!
 でもそのなかで、ちょっと異質な雰囲気を感じた1曲がこの「ホワイト・マン」でした。

◆この曲のSongfactsページには、次のように書かれています。

この曲は、クイーンのギタリスト、ブライアン・メイが書いた。歌詞は、植民地時代とネイティブ・アメリカンとの戦争について書かれている。

中学生の頃は逐一歌詞にあたることはなく聴いていましたが、“ホワイト・マン!ホワイト・マン!”と歌うフレディの歌唱だけでなく、ブライアンのギターやロジャーのドラムも明らかに、“ホワイト・マン”に対する抗議!を表現しているように取れました。

そしてフレディの“What is left of your dream?“から始まる締めくくりの部分が終わったかと思うと…最後に幕を閉じるような音がして終了(…懐かしいラヴァーボーイの出だしが歌われます…)。

愛を求める“Somebody To Love”の次に、民族の戦いの史実(創作ではあるけれど)を歌った歌を入れていく、このあたりは、凝った印象を感じました。

◆でも僕の持っている「全曲解説シリーズ クイーン」(シンコー・ミュージック・エンタテイメント)のこの曲の解説(マーティン・パワーさん)によると、

“微妙かつ複雑な問題であるネイティブ・アメリカンの歴史を取り上げるには、クイーンは甚だ準備不足だったという外ない”

と「意欲作」と取るよりも、史実を間違って解釈したのでは?となかなか手厳しいです(^_^;)。
まあ確かに、約5分間に史実を納め、作品にするのは難しいですよね。


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(Brian May)

Released in 1976
From the Album “A Day At The Races”

*原詞の引用は太字

I'm a simple man
With a simple name
From this soil, my people came
In this soil remain
Oh yeah
Oh yeah

私は名前以外に
何も持たない人間だ
私の先祖はこの土地にきて
この地をずっと守ってきた
Oh yeah
Oh yeah

And we made us our shoes
And we trod soft on the land
But the immigrant built roads
On our blood and sand
Oh yeah

そして自分たちの靴を作り
大地を静かに歩いたものだ
だけど移民たちは道路を作った
私たちの流した血と砂の上に
Oh yeah

White man, white man
Don't you see the light
Behind your blackened skies
(White man, white man)
You took away the sights
To blind my simple eyes, yeah
(White man, white man)
Where you gonna hide
From the hell you've made?

ホワイト・マン 白人たち
光は見えるのか?
おまえたちの背後の黒くなった空のなかに
ホワイト・マン 白人たち
おまえたちは色んな光景を奪っていった
私のシンプルな両目を盲目にするために
ホワイト・マン 白人たち
おまえたち自身が作った地獄から
どこに隠れるつもりなんだ?

Oh, the red man knows war
With his hands and his knives
On the Bible you swore
Fought your battle with lies
Oh yeah

ああ「赤い男」は戦いを知ってる
その両手とナイフで戦ってきたから
聖書に誓いを立てる一方で
沢山の嘘にまみれた戦いを続けてきたんだ
Oh yeah

Leave my body in shame
Leave my soul in disgrace
But by every God's name
Say your prayers for your race
Oh yeah

私の身体は恥辱のなかに置き去りにされ
私の魂は不名誉のなかに留められた
だがすべての神の名にかけて
我が民族のために祈りを捧げることだ
Oh yeah

(White man, white man)
Our country was green
And all our rivers wide
White man, white man
You came with a gun
And soon our children died
White man, white man
Don't you give a light
For the blood you've shed?
Uuuh yeah

ホワイト・マン 白人たち
私たちの国は緑にあふれ
河川は幅広く豊かに流れていたのだ
ホワイト・マン 白人たち
おまえたちは銃を携えて現れて
私たちの子どもたちはすぐに死に絶えた
ホワイト・マン 白人たち
おまえたちは気にかけたことがあるのか?
自分たちが流した血のことを

[Instrumental Break]

Oh-uh-oh
(White man, white man)
White man
(White man, white man)
Ooh, white man
You fought your battle with lies, yeah
(White man, white man)
On and on, on and on
But we weren't too civilized, yeah
(White man, white man)
Look around you
Take a look around
Every skin and bone
Yeah, I'll getcha, I'll getcha, yeah

ホワイト・マン 白人たち
嘘で固められた戦いをしてきた
ホワイト・マン 白人たち
何度も何度も繰り返して
私たちは文明化していなかったのに
ホワイト・マン 白人たち
見回してみろ
周りを見てみるがいい
骨と皮だけが残されている
Yeah そうさ そうなんだ…

[Instrumental Break]

What is left of your dream?
Just the words on your stone
A man who learned how to teach
Then forgot how to learn
Oh yeah

おまえの夢から残されたものは何だった?
ただ石に刻まれた言葉だけか
教えることを覚えた者は
次に 学ぶことを忘れてしまうものなんだ
Oh yeah

(Words and Idioms)

soil= 土,土壌,うわ土 、土地,国.
trod=treadの過去形・過去分詞形
tread=歩く,行く 
blackend=blackenの過去形、または過去分詞。(…を)黒くする
red man =インディアン、慈善友愛団体
disgrace 【名】不名誉
give a light=to care

日本語訳 by 音時

◆またこの曲のSongfactsページには、こんな情報も出ていました。

 1976年のCapital Radioのインタビューで、フレディ・マーキュリーは、1枚のレコードでどうやってこれほど大きな音を出すことができたのか、と聞かれたそうです。
 彼はこう答えます。「エンジニアのマイク・ストーンのおかげだよ。僕たちはスタジオでとても悪いことをしているんだ。僕たちはできるだけ大きな音を出したいから、貧しいエンジニアは本当に苦労している。僕らがフェイザーを上げ続けても、彼はメーターを見て「絶対切れない」と言い続けるんだ。そして、ニューヨークなどに行って、「できるだけ大きな音でカットしてくれ」と言う仕事を追加するんだ


この曲は“White Man”への怒りを表現する上でも、大きな音を出す、ことにこだわったんですね。レコーディングした曲をどのようにアウトプットするのかもアーティストの意思がエンジニアに伝わってできた一曲なんだなあとあらためて思いました。