さあ、この曲でアルバム「An Innocent Man」も締めくくり。
★ラストを飾るこの曲"Keeping The Faith"。
ビリーが自分の人生を振り返り、50'sは良かったなあと振り返りながらもあらためて信念を貫く(keeping the faith)決意を語ります。
PVも面白い出来です。なぜか舞台は「法廷」。一番最初に新聞を読んでる男の人(コメディアンのリチャード・プライヤーがカメオ出演)の紙面には"Billy Joel Guilty or Innocent?"と書かれています。
法廷にいる人たちは1950年代やら60年代のファッションをした人たちで、なぜかジミ・ヘンドリックス(っぽい人)もいますね。途中にシヴォレーで登場する赤毛の女の子は、当時、ビリーの恋人(結婚が1985年 離婚は1994)であった"クリスティ・ブリンスキ―"です。
そして最後にまた靴を少年に磨いてもらってる男(コメディアンのジョー・ピスコポ)の持ってる新聞が"Billy Joel-An Innocent Man!!"というオチも付いてますね。
"The good old days weren't always good./ And tomorrow ain't as bad as it seems."という歌詞も80年代を生きるビリーのオーディエンスへのメッセージなのでしょう。
Writer(s): Billy Joel
Released in 1983
US Billboard Hot100#18
From The Album“An Innocent Man”
*原詞の引用は太字
If it seems like I've been lost in
Let's remember
If you think I'm feeling older
And missing my younger days
Oh, then you should have known me much better
'Cause my past is something
that never got in my way
Oh no
人生に迷ってしまったようなときは
思い出そう
年取っちまったなあと思ってるなら
懐かしい若かりし頃のことを
ああそのとき 僕のことを
もっと知っておくべきだったと思うだろう
だって僕の過去は決して
行く手をさえぎったりはしないから
Still I would not be here now
If I never had the hunger
And I'm not ashamed to say
The wild boys were my friends
Oh'Cause I never felt the desire
'Til their music set me on fire
And then I was saved, yeah
That's why I'm keeping the faith
Yeah, yeah, yeah, yeah
Keeping the faith
でももし 飢えを経験してなければ
今やっぱりここまで来れてはなかったよ
恥ずかしく思ったりはしないさ
昔やんちゃな奴らとつるんでたけどね
ああだって強い欲求なんてなかったのさ
音楽が僕に火をつけるまではね
そのとき僕は救われたんだ yeah
だから僕は信念を貫くんだ
そうさ そうだよ
僕は信念を曲げないさ
We wore old matador boots
Only Flagg Brothers had them with a Cuban heel
Iridescent socks with the same color shirt
And a tight pair of chinos
Oh I put on my shark skin jacket
You know the kind with the velvet collar
And ditty-bop shades
Oh yeah
みんなマタドール・ブーツを履いてたんだ
キューバン・ヒールのヤツは
フラッグ・ブラザーズだけだったよ
玉虫色のソックスに同じ色のシャツを着て
ピチッとしたチノパンを穿いてね
ああ シャークスキンのジャケットさ
ほらヴェルベットの襟がついてて
軽ーい感じの色でね oh yeah
I took a fresh pack of Luckies
And a mint called Sen-Sen
My old man's Trojans
And his Old Spice after shave
Oh
Combed my hair in a pompadour
Like the rest of the Romeos wore
A permanent wave, Yeah
We were keeping the faith
Yeah, yeah, yeah, yeah
Keeping the faith
新しいラッキーズを取り出して
"セン-セン"っていうミントを口に入れる
親父が使ってたトロージャンや
オールドスパイスのアフター・シェイヴ
ああ 髪はとかしてポンパドゥールさ
他のロメオのヤツらは
パーマをかけてたけどね
僕たちは信条を守ってたんだ
そうさ そうなんだ
僕たちは信念を貫いてたのさ
You can get just so much
From a good thing
You can linger too long
In your dreams
Say goodbye to the
Oldies but goodies
'Cause the good ole days weren't
Always good
And tomorrow ain't as bad as it seems
いい想い出は
沢山のことを与えてくれる
だから僕らは夢に
長居をしてしまうんだよね
さあ 懐かしい素敵な想い出に
別れを告げようか
だって古き良き時代が
いつだっていいとは限らない
明日だって思ったほど悪くはないさ
Learned stickball as a formal education
Lost a lot of fights
But it taught me how to lose O.K.
Oh, I heard about sex
But not enough
I found you could dance
And still look tough anyway
Oh yes I did
一般教養としてスティック・ボールを覚えたけど
負けてばっかりだったな
だけど負け方がそれでわかったよ
ああ セックスのことも聞いたけど
僕には十分じゃなかったな
きみもダンスを覚えたかい
とにかくいまだ得意じゃないね
ああ 僕もそうさ
I found out a man ain't just being macho
Ate an awful lot of late night drive-in food
Drank a lot of take home pay
I thought I was the Duke of Earl
When I made it with a red-haired girl
In the Chevrolet. Oh yeah
We were keeping the faith
Yeah, yeah, yeah, yeah
Keeping the faith
男は"男らしい"だけじゃダメなんだ
深夜のドライヴインでのひどいメシも
イヤというほど食べたし
給料はみんな飲み代に使ってたよ
伯爵の公爵になった気がしたね
シヴォレーのなかで
赤毛の女の子とヤッったときは oh yeah
僕たちは信念を貫いてたんだ
そうさ そうなんだ
信条を守ってたのさ
You know the good ole days
weren't always good
And tomorrow ain't as bad as it seems
だって古き良き時代が
いつだっていいとは限らない
明日だって思ったほど悪くはないさ
I told you my reasons
For the whole revival
Now I'm going outside to have
An ice cold beer in the shade
Oh, I'm going to listen to my 45's
Ain't it wonderful to be alive
When the rock 'n' roll plays, yeah
When the memory stays, yeah
I'm keeping the faith
Yeah, yeah, yeah, yeah
Keeping the faith
I'm keeping the faith,
Yes I am
さあ僕の人生の"再上映"
その理由をたっぷり話してきたよ
じゃあ木陰に出かけて
よく冷えたビールでも飲むことにしようか
ああ 45回転でも聴こうかな
ロックン・ロールを聴くと
生きてるって素晴らしいと思わないかい?
想い出を忘れなければ
僕は信念を貫ける
そう そうなんだ
僕は信条を忘れない
僕は信条を貫いていくんだ
そうだ そうするんだ
(Words and Idioms)
iridescent=にじ色の,真珠光沢の,玉虫色の
diddy-bop=(踊るように)軽やかに歩く
shades=色合い
take-home pay=手取り給料
日本語訳 by 音時
◆和訳にあたっては辞書を引いたり、たくさんネット検索をしましたよ。
【"matador boots"=マタドール・ブーツ】
"マタドール"って"闘牛士"のことですね。で、"マタドール・ブーツ"のなかでも"キューバン・ヒール"のものは唯一"フラッグ・ブラザース"製のものなんだって歌われてます。
「キューバン・ヒール」とは"ヒールの後方部分が、底にいくにしたがって前方に傾斜した太めのヒール形状の事"を言うらしいですよ。
(モダリーナ)写真検索をすると、こんなブーツの写真が出てきました。
【"Sharkskin"=シャークスキン】
"毛・絹・化繊などで,織り目を鮫の皮のように仕上げた織物。毛織物の場合は色違いの糸で綾(あや)織りとし,化繊などではざっくりとした魚子(ななこ)織りとしたもの"を言います。こんな感じ。
【"Trojan"=トロージャン】
これは"避妊具"のことですね(^▽^;)。なんで"トロージャン"って言われるのかはこちら
(Yahoo知恵袋)をどうぞ。
【"Luckies"=ラッキーズ、a mint called Sen-Sen=セン-セン】
タバコの"Lucky Strike"のことですね。"セン-セン"ってミントの写真も出てきました。粒が白ではなくて黒!アサガオの種みたい。
【 Old Spice after shave】
これですね。
【"pompadour"=ポンパドゥール】
"パン屋さん"にありましたね。でもこれは髪形のひとつ。
前髪を高く上げて額を出し、膨らみをもたせて後頭部でまとめた女性の髪形。男性の場合はしばしばリーゼントと併用され、また混同される。(こちらです)
ロメオ(Romeo)は、ミシガン州の都市にRomeoがあるのでそちらかな。
【"Stickball"=スティックボール】
ゴム製のボールをほうきの柄のような棒(スティック)で打つ、野球によく似た路上スポーツ。主にアメリカの大都市部で行なわれている。(Wikipedia)
◆Wikipediaのアルバム「イノセント・マン」の記事のこの曲の曲紹介には、
(Homage to Betty Wright's "Clean Up Woman".
Lyrical homage to Pre-British Invasion Rock n Roll)
と書かれておりました。
おおっなるほど、この曲からインスピレーションを得たわけだな。
◆"Keeping The Faith"
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