ブロンディはチャートでも強かったなあ…。

この曲はアメリカに登場した初のラップ・ナンバーと言われてますね。
ブロンディのアルバム「オートアメリカン」から“夢見るNo1(The Tide Is High)”に続いて、2曲目の全米No1になりました。

◆僕の持っているチャート本「ビルボード・ナンバー1・ヒット 下 1971ー1985」(音楽之友社)のこの曲のページにデボラのコメントが出ていました。

“クリスがすごいラップ・ナンバーがあるからやってみようって言い出したの。車を食べるってくだりはクリスが書いたって覚えてるんだけど、クリスと私の共作って感じで、どこがどうっていうのはよくわからないわ。オリジナルが書いてある紙も持っているけど書いた本人でないと読めないような代物よ”

この後のデビーはシンガーというよりも映画やブロードウェイ・ミュージカルの出演など女優の活動が忙しくなっていったようですね。
この曲のヒットのあと、翌年(1982年)の次作「The Hunter」から“"Island of Lost Souls"が最高位37位で全米チャートからは姿が見えなくなってしまいました…。


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Songwriter(s)
Debbie Harry、Chris Stein

Released in 1981
US Billboard Hot100#1(2)
From the Album “Auto American”

*原詞の引用は太字

Toe to toe, dancing very close
Barely breathing, almost comatose
Wall to wall, people hypnotized
And they're stepping lightly
Hang each night in rapture

つま先からつま先 くっついて踊りましょ
息をしてないみたい まるで昏睡状態よ
床一面に横たわる 人々は魔法にかかってる
そして 軽いステップを踏んで
毎夜 さまよってるの 歓喜のなかで

Back to back, sacroiliac
Spineless movement and no heart attack
Face to face, sadness solitude
And it's finger popping
24-hour shopping in rapture

背中と背中を合わせ 腰のあたりも
やわらかに動いて 心臓に悪いことはないわ
顔と顔を近づけて 悲しさ 孤独を感じるの
指がはじけるわ
24時間ショッピングよ 歓喜に包まれて


[Rap]
Fab Five Freddy told me everybody's fly
DJ spinnin' I said, "My My"
Flash is fast, Flash is cool
France Soir c'est pas Flash et Nous Deux
And you don't stop, sure shot
Go out to the parking lot
And you get in your car and drive real far
And you drive all night and then you see a light
And it comes right down and it lands on the ground
And out comes a man from Mars
And you try to run but he's got a gun
And he shoots you dead and he eats your head

“Fab 5フレディ“が言ったわ
だれもが飛んでるって
DJはくるくるまわり アタシは“まあまあ”って
フラッシュは速い、フラッシュはかっこいい
フランソワ・セス・パス フラッシュは伊達じゃない
止まらないで 間違いない身体
駐車場へ出かけよう
車に乗って遠くまで行くの
一晩中ドライブしていると光が見えてくる
そしてそれは地面に落ちてきた
そして火星から来た男が現れる
あなたは逃げようとしたけど 彼は銃を持っていた
そして彼はあなたを撃ち殺した後
あなたの頭を食べたのよ

And then you're in the man from Mars
You go out at night eatin' cars
You eat Cadillacs, Lincolns too
Mercurys and Subaru
And you don't stop, you keep on eatin' cars
Then, when there's no more cars you go out at night
And eat up bars where the people meet

そしてあなたは火星から来た男の中に入る
夜中に車を食べて
キャデラックやリンカーンを食べる
マーキュリーやスバルも
そして 止まることなく車を食べ続ける
そして車が無くなると 夜に出かけ
人々が集うバーを食べ尽くすのよ

Face to face, dance cheek to cheek
One to one, man to man
Dance toe to toe, don't move too slow
'Cause the man from Mars is through with cars
He's eatin' bars, yeah wall to wall
Door to door, hall to hall
He's gonna eat 'em all
Rap-ture, be pure
Take a tour through the sewer
Don't strain your brain, paint a train
You'll be singin' in the rain
Said don't stop to punk rock

顔と顔 頬と頬を突き合わせてダンス
つま先立ちで踊る ゆっくり動きすぎないように
火星から来た男は 車には飽きて
壁一面のバーを食べてる  
ドアからドアへ、ホールからホールへ
全部食べちゃいそうよ
喜びに満ち溢れて  純粋に
下水道で遊びましょ
頭は使いすぎ注意 電話をペイントしましょ
雨の中で歌うのよ
パンク・ロックは止めないって

[Rap]
Well now you see what you wanna be
Just have your party on TV
'Cause the man from Mars
Won't eat up bars where the TV's on
Now he's gone back up to space
Where he won't have a hassle with the human race
And you hip-hop, and you don't stop
Just blast off, sure shot
'Cause the man from Mars 
stopped eatin' cars
And eatin' bars 
and now he only eats guitars, 
get up

さて なりたいものがわかったのかな
テレビでパーティーをしましょ
だって火星から来た男は
テレビ放送中はバーでは食事しないでしょ
いま彼は宇宙へ旅立った
人類と揉めることもないわ
そしてヒップホップは止まらない
ただ飛び立てばいいの 発射して
だって火星から来た男は
車を食べるのを止め
バーも食べず ギターばかり食べている
さあ立つのよ!

(Words and Idioms)
comatose 【形】 昏睡状態の、意識がない
wall-to-wall 【形】 床一面の、床いっぱいに敷き詰めた
sacroiliac 【名】《医》仙腸関節 骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節
spineless 【形】 とげのない、背骨のない

日本語訳 by 音時

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◆この曲のWikipediaからの情報ですが、デビーとギタリストのクリスはブルックリンやブロンクスを拠点とするヒップホップ・アーティスト、Fab5フレディ・ブラスウェイトらと親交があったようですね。1978年のある夜、フレディはデビーとクリスをブロンクスのラップイベントに連れて行き、MCが回転するレコードのビートに乗せて歌詞を韻を踏み、人々がマイクを持ってフリースタイルラップをするチャンスを求めて並ぶのを見せたところ、その技術と興奮に二人は感動したそうです。
 デビーとクリスはこのようなイベントに何度か足を運び、自分たちのラップソングを作ることを決意し、ブロンクスで見聞きしたものを、シックにインスパイアされたディスコ・ミュージックと組み合わせようと考えました。
 タイトルの「ラプチャー」も、クリスによれば明らかにラップをもじったもの、とのことです。


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◆またラップのなかに出てくる「火星から来た男」ですが、クリスはB級映画やSFのイメージが好きだったので、火星から来た男についてシュールな詩を書いたとのこと!デビーはコーラスで、ブロンクスのヒップホップのダンスフロアが混雑しているような感じを表現しようとした、そうです。

 んー、そんな断片情報くらいで、とりわけラップの部分は何言ってるかわかりません。意味をわかろうとしないほうがいいんでしょうね(^_^;)

この曲はまあタイトル“Rapture”にあるとおり「恍惚感」を味わう曲だと思いますし、「ラップ」を取り入れた曲という意味での「ラプチャー」ってシャレなんだってことでしょう。

このブログでこれまで取り上げてきたブロンディの和訳記事はこちらです。