ビージーズの初期の曲“ジョーク”。3男のロビンのボーカルがなかなか染み入ります。
原題は“I Started a Joke”で、1969年に全米6位を記録しています。
◆僕がジョークを言うと…世界は泣き始め、僕が泣き始めると…世界は笑い出す。僕が死んだら…世界は逆に活気づく…。自分と「世界中」は逆の反応をする…そんな気がしてしまう…自分と社会の関係に悩んでる主人公の姿が、なんだか自分みたいだ…そう思うひとも多いのかな。
◆ビージーズの初期の曲と書きましたが、アルバム「アイデア(Idea)」は5枚目のアルバムだそうです。(はい、“土曜の夜の熱狂“からすると初期ってことでご勘弁ください)
そのなかで"I Started A Joke "は最後に録音された曲。
ロビンによると、この曲のメロディーは、飛行機内の音からインスピレーションを得たといいます。
この曲の“Songfacts”ページからの情報では、こんな風に書かれておりました。
この曲のメロディは、エッセンから100マイルほど離れたブリティッシュ・エアウェイズのヴィッカース・ヴィスカント機内で聴いたものだ。その飛行機は、古い4つのエンジンを持つ「プロペラ機」で、乗客に一種の催眠術のようなトランス状態をもたらすような音だったが、この飛行機だけは違っていた。しばらくすると、不思議なことに、教会の聖歌隊のような音に変わっていった…。僕たちはパイロットに声をかけ、一番近い村に着陸してもらい、そこの小さなパブで、(バリーと)歌詞を完成させんだ。
飛行機のエンジン音でメロディが浮かんだ!ってそれもすごいけど、そこで着陸させてしまうっていうのもすごい(^_^;)。
Songwriter(s) Barry, Robin, and Maurice Gibb
Released in 1969
US Billboard Hot100#6
From the Album “Idea”
*原詞の引用は太字
I started a joke
Which started the whole world crying
But I didn't see
That the joke was on me, oh no
僕が冗談を言い始めたんだ
すると世界中が泣き出した
僕はわからなかった
その冗談は僕のことだったのさ
なんてことだ
I started to cry
Which started the whole world laughing
Oh, if I'd only seen
That the joke was on me
僕が泣き始めたんだ
すると世界中が笑いだした
ああ なんでわからなかったんだろう
その冗談は僕のことだったんだ
I looked at the skies
Running my hands over my eyes
And I fell out of bed
Hurting my head from things that I'd said
僕は空を眺めてみた
両手をかざして目を走らせて見たのさ
すると僕はベッドから転げおち
自分が言ったことで頭を痛めてしまったよ
'Til I finally died
Which started the whole world living
Oh, if I'd only seen
That the joke was on me
ついに僕が亡くなったところで
世界中は逆に活気づいたりするんだ
ああ なんで気づかなかったんだろう
その冗談は僕のことだったなんて
I looked at the skies
Running my hands over my eyes
And I fell out of bed
Hurting my head from things that I'd said
空を見上げてみた
自分の両手をじっくりと見たんだ
僕はベッドから転げ落ちて
なんてことを言っちゃったんだろうと
悩んでしまったんだ
'Til I finally died
Which started the whole world living
Oh, if I'd only seen, oh yeah
That the joke was on me
過去の僕がついに死んでしまったら
世界は活気づき始めるのかな
ああ 冗談は僕自身だったんだ
そのことに気づくべきだったのさ
Oh no, that the joke was on me, oh
ああ 僕自身が冗談みたいな存在だったんだ
(Words and Idioms)
cf‥run one's eyes over =~にざっと目を通す、一読する、走り読みする
日本語訳 by 音時
実は最初はこの主人公のこの先が不安になってしまいました。
だって歌詞のなかで自分が死んだら…世界は活気づく、なんて、厭世的すぎるでしょう。
でもふと考えてみたのです。
自分自身が冗談のような存在ってもっと早く気づくべきだった…ってことは
そのことに今は気づいたんだとポジティブにも捉えられるのではないでしょうか。
そこで、死んだのは「自分自身が冗談だったことに気が付かず、言動で誰かを傷つけたりしていた過去の自分」なんじゃないかと…。
だから、かつての自分を弔ったら世界は活気づき始める…んじゃないか。
この主人公のこれから生きる世界はいきいきとしたものになるのではないか…と。
ロビン、ちょっと楽天的すぎる解釈ですかね?
素敵な曲をありがとう。R.I.P…。
◆アルバム「アイディア」のジャケットは、「電球」のものと、「ひとの顔」(米盤)のものがあるようです。日本ではどっちも発売されていた模様です。こちらの方のサイトに詳しく出ていたのでリンクさせていただきます。
アルバム「アイディア」の帯付き国内盤
◆この曲は結構懐かしい映像が残っているな。
◆2001年のビージーズのライブから。
コメント
コメント一覧 (8)
音時
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オリジナルから遠すぎたところが、私は好きなんですが、人の好みや志向?嗜好?って本当に様々なんだと興味深く思いました。あまりにも音時さんの好きな曲というのも面白いです!
音時
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音時
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「Pet Shop Boys」のカバーした曲って、オリジナルかと思うぐらい「Pet Shop Boys」になってるんです。「Go West」「Always on My Mind」は特に好きです!!
音時
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音時
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音時
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音時
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なるほど、飛行機の中でも曲作りをしていたんですね。1977年以前に作られたメロディアスな曲が好きです。どこかノスタルジックで物悲しい感じがします。
そんな彼らを、何が変化させてしまったのやら…。
この「ジョーク」って、ビートルズの「ハロー・グッドバイ」と似たような歌詞なのかなと考えていました。「好きだ」と言ったら、「嫌い」と言われた人の話。失恋した時は、「僕が死んだら 世界中は活気づくだろう」という心境になるのかなって。
音時
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