この曲の収録されたアルバム"グレイスランド"でポールは1987年のグラミー賞の最優秀アルバム(他2部門)を獲りましたね!1975年に"時の流れに(Still Crazy After All These Years")で受賞して以来のグラミーでした。
◆ポールは当初は南アフリカでレコーディングを開始し、現地のミュージシャンと演奏を一緒にする経験をしました。沢山の違ったミュージシャンと出逢いましたが、なかでも"Stimela"という地元のグループのギタリストである Ray Phiri を気に入って、"You Can Call Me Al"のジャムセッションで彼の弾いたリフをいたく気に入ったようです。レコーディングはニューヨークに戻ってからも続きました。
僕は「グレイスランド」はグラミー受賞が決まってから、レンタルで借りてこのアルバムを聴いたかな(^▽^;)。正直いって時代の流れ的にも、過去のポール作品は聴いても、最新の作品は聴かなくなっていました。ただ聴きはしましたが…この曲"You Can Call Me Al"以外はあんまり…(^▽^;)。
今度時間があるときじっくり聴いてみようかな。今ならまた違った感想を持つかもしれないし…。

(Paul Simon)
Released in 1986
US Billboard Hot100#23
From The Album“Graceland”
*原詞の引用は太字
A man walks down the street
He says why am I soft in the middle now
Why am I soft in the middle
The rest of my life is so hard
I need a photo-opportunity
I want a shot at redemption
Don't want to end up a cartoon
In a cartoon graveyard
Bonedigger Bonedigger
Dogs in the moonlight
Far away my well-lit door
Mr. Beerbelly Beerbelly
Get these mutts away from me
You know
I don't find this stuff amusing anymore
ある男が通りを歩いてる
自問自答してるんだ
"どうして自分は気楽なのか?
もう中年だっていうのに"
いい年して なぜ気楽なんだ?ってさ
これからの人生 とても厳しいだろうに
"写真を撮る機会が欲しいんだ
僕が罪を贖ってる写真がね"
"漫画のように人生を終えたくないのさ
漫画の墓場なんて嫌だよ"
"墓を掘って骨を拾ってる"
月夜に犬が吠えてるんだ
僕のこの明るい部屋の遠くでね"
"ねえミスター ビール腹!
その犬コロ達を追っ払ってよ"だってさ
こんな生活 もう何も面白くないんだ"
If you'll be my bodyguard
I can be your long lost pal
I can call you Betty
And Betty when you call me
You can call me Al
僕のボディガードになってくれたら
僕はきみのずっと探してた友達になるよ
きみのことベティって呼んでいいかい
そしたらベティ 僕を呼ぶとき
アルって呼んでいいんだよ
A man walks down the street
He says why am I short of attention
Got a short little span of attention
And wo my nights are so long
Where's my wife and family
What if I die here
Who'll be my role-model
Now that my role-model is
Gone Gone
He ducked back down the alley
With some roly-poly little bat-faced girl
All along along
There were incidents and accidents
There were hints and allegations
ある男が通りを歩いてる
自問自答してるんだ
"どうして自分は注目されないのか?
ほんの少ししか注目されないんだろう?"
"それに ああ 夜も気の遠くなる長さで
カミサンや家族はいないも同然"
"もし僕がここで死んだら
僕の代わりは誰かいるのかな?"
"いま僕がお手本にする人は
もういなくなっちゃったよ"
"太っちょで可愛くない女のコを連れて
路地裏にひょいと消えちゃったのさ"
"人生生きていくなかじゃ
事件や事故もあるよなあ
暗示もあれば主張もあるんだよ"
If you'll be my bodyguard
I can be your long lost pal
I can call you Betty
And Betty when you call me
You can call me Al
Call me Al
僕のボディガードになってくれたら
僕はきみのずっと探してた友達になるよ
きみのことベティって呼んでいいかい
そしたらベティ 僕を呼ぶとき
アルって呼んでいいんだよ
アルって呼んでおくれよ
A man walks down the street
It's a street in a strange world
Maybe it's the Third World
Maybe it's his first time around
He doesn't speak the language
He holds no currency
He is a foreign man
He is surrounded by the sound
The sound
Cattle in the marketplace
Scatterlings and orphanages
He looks around, around
He sees angels in the architecture
Spinning in infinity
He says Amen! and Hallelujah!
ある男が通りを歩いてる
その通りは見知らぬ通りなんだ
それは"第三世界"かもしれないし
初めて訪れる通りかもしれない
彼はそこの言語をしゃべれないし
通貨も持っていないんだ
彼はまさにガイジンなんだ
彼の周りじゃ音がするだけ
音がする
家畜を売ってる市場の音
離散した一家や孤児たちの声
建物のなかには天使たちが
くるくると無限に回ってる
彼は言うんだ
アーメン!ハレルヤ!って
If you'll be my bodyguard
I can be your long lost pal
I can call you Betty
And Betty when you call me
You can call me Al
Call me Al
僕のボディガードになってくれたら
僕はきみのずっと探してた友達になるよ
きみのことベティって呼んでいいかい
そしたらベティ 僕を呼ぶとき
アルって呼んでいいんだよ
アルって呼んでおくれよ
(Words and Idioms)
redemption=(神)罪の贖い、贖罪
bonedigger=an archaeologist or graverobber.
well-lit=明るい、明かりの多い
beer belly=〈俗〉ビール腹(の人)
mutt=のろま,ばか.《軽蔑》 犬; (特に)雑種犬
be short of=・・・が不足する
span of=~の長さ
role model=よいお手本
duck=ひょいと水に潜る、ひょいと頭を引っ込める
roly-poly=ずんぐりした人
allegations=主張、申し立て
currency=通貨、流通紙幣
日本語訳 by 音時

◆この曲のおかしなタイトル"You Can Call Me Al"(僕のことをアルって呼んでいいよ)ですが、この曲のウィキペディアに由来が出ていました。
この曲のタイトルは、サイモンが彼の前妻ペギー・ハーパーのパーティに行ったときに、実際にあった出来事からきています。フランス人の編曲家でコンダクターのPierre Boulezもこのパーティに来ていましたが、彼がパーティから失礼するときに、"ポール"と言ったのを"アル"、ペギーを"ベティ"と聞こえたことがことがありました。このことでサイモンはインスピレーションが湧きました。
どんなインスピレーションだったんでしょうね。

◆もう一つ、この曲のSongfactsページに、1990年の SongTalk magazineでのインタビューにポールが答えてる記事を見つけました。
"You Can Call Me Al"は冗談のような簡単な言葉で始まるのさ。"これからの人生とても大変なのに、なんで中年の自分は気楽なんだろう?"これからの人生とても大変なのに。とても簡単な言葉だよね。
それでコーラスになるとわけがわからないよね。何のことをこいつは歌ってんだろう?ってさ。私のことベティって呼んで。ベティ、僕のことをアルって呼んで?って何だ? 僕が何のことを歌っているかわからないよね。でもここを厄介だと思わないようにするんだ。僕の言ってることもやってることもわからないと思うかもしれないけど、ここがポイントなんだ。
2番は正直のところ同じ繰り返しさ。"A man walks down the street, he says..." ってね。するともうきみは3番にたどり着いてる。もうこの曲に十分に入り込んでるのさ。抽象的なイメージをもう頭の中に投げ込み始めてるんだ。もうこの構成ができている。抽象的なイメージが浮かんでは心の穴に入り込んでいく。それがこの歌の構成になっているんだ。
そしたらもう"太り過ぎちゃった"とか、"写真を撮る機会が欲しい"とか、"月夜の犬や墓場が怖い"とか、どこにでもあるようなことをこの男はもう考えてないんだってことはわかるるよね。

◆何かわかったようなわからないような解説ですが…(^▽^;)。
でも1st Verseが「中高年の悲哀」から始まっているのはおわかりかと思います。僕の人生これでいいんだろうか?なんて自問自答。みなさんもしますよね?(エッしない?)
色んな歌詞が断片的に出てきますが、写真→漫画→漫画の墓場→墓掘り(怖い)→野犬、なんてイメージが連想されていってるんですかね?
そして「ビール腹(の人)」が歌詞に出てきますが、これはひょっとして主人公がそう言われてるんじゃないかなと思いました。2nd verseにて妻や家族のことを歌いますが、家庭があってないがごとし…のようなので、もしかして奥さんがダンナにいつも「Mr.ビール腹」っていう嫌なニックネームをつけて呼んでいる?なんてことを想定しました。「アンタ、野良犬がうるさくてたまらないから、追っ払ってきてよ。それくらいしか取り柄がないんだから…」なんて、ヒドイことを言われたら…もうこんな毎日やってられないよ!なんて思いますよね。
◆ボディーガードになってくれたら、きみの探してた友達になるよ…彼は誰かに守られたいんでしょうね。そして今の名前を変えて別な人間に生まれ変わりたい…ベティとアルはそういうことなのかな?と解釈しました。

◆2nd Verseはポールの解説で1番の繰り返し、ということですね。僕のお手本はもういない。太っちょで可愛くない女のコと路地裏に消えてしまった…これは誰のことなのでしょう? まったく決め手もありませんが、この女のコは今の奥さん!? 理想の結婚を描いていたんだけど、そんな風になっちゃったよ…と自嘲してる?…なんてことをイメージしました。
◆3rd verseの歌詞は「中年の悲哀」からは遠ざかり、ポールの「南アフリカの体験」が歌われているのでしょう。ふと気づけば見知らぬ通り…言葉はわからないので意味はわからない。でも沢山の音がしてる、そこには生活がある…。欧米も南アフリカもつながっているんだよ。お互いの生活や平和な暮らしを守り合い、旧友になろうじゃないか。ベティ、アルって互いの名前を親しみを込めて呼びあおう…ってそんな感じなのかな、と思いました!
◆PVに出てきてポールの隣りで口パクで歌ってひょうきんに振る舞っているのは、チェビー・チェイス (Chevy Chase)。アメリカのコメディアン、俳優、脚本家です。『サタデー・ナイト・ライブ』に出演。
◆日本のTV番組。服部まこさんも懐かしいな。
◆小沢健二 「僕らが旅に出る理由」(1996)。この曲は間違いなく「You Can Call Me Al」を参考にしてるでしょう…!
コメント
コメント一覧 (10)
音時
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なかなか複雑な歌詞で和訳は大変だったですね。「アル」って何だろう?と思っていましたが、よくわかりました。
音時
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音時
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たしか彼はその番組に自前の野球ボールを持ってきて、「このボールに選手全員のサインを書いて欲しい」とスタッフに頼んでいました。
最初は、帽子のデザインだけで好きになった阪神タイガースも、そのうち本気で好きになったのでしょうか?
そういえば今現在、阪神タイガースは日本シリーズで戦っていますが、今ごろ彼はどんな心境なんだろう。
それともうひとつ、2023年のラグビーW杯は、見事、南アフリカの連覇で幕を閉じました。
南アフリカの優勝は4回目で史上最多なのだそうです。
えっ? なんでこの話題を?
そうです、この楽曲は南アフリカにも深い縁がありますから、その話題にも少し触れておこうかなと思い、書かせていただきました。
音時
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https://note.com/okamasayuki/n/n60b0f2911c57
音時
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音時
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音時
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音時
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この曲、当時至る所で流れてたように思います。なんか変な歌詞だなと思いながら、ちゃんと読まずにそのままにしてました。一見脈絡の無さそうな話に飛ばすのは"50ways to leave your lover"なんかでも同じ様に、ポール独特の感性なんでしょうね。賛否両論ありましたが、グレースランドは良いアルバムだと思います。私も改めて聞き返してみようと思います。
音時
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以前サイモン&ガーファンクルの「ロックリトルタウン」の歌詞を調べていたらユダヤ教(二人はユダヤ系アメリカ人)に引っ掛けた歌であることがわかりました。
このアルバムはサイモンが実際に南アフリカを訪れ異文化に触れたときの興奮を歌ったものらしいですね。しかし歌詞はいつも難解です。
歌詞を見るとポールが作ろうとしたのは思想の違いや人種の壁を飛び越えて表現したかったなのかなと思います。
このアルバムは批判もありましたがグラミー賞を獲得したのは有名ですね。
難解な歌詞の意味が知りたくポールサイモンの本は一度読んでみたいと思います。
音時
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