荒削りの魅力!ジョン・メレンキャンプはデビューは"ジョン・クーガー"と名乗って(名乗らされ)ましたね。(日本ではジョニー・クーガー) この曲"I Need A Lover"もなかなかカッコいいなあと思って聴いてました。
◆デビューアルバム"Chestnut Street Incident"(1976)は"Pretty Woman"やら"Jailhouse Rock""Do You Believe in Magic?"などの有名曲のカバーが多く、不発に終わりましたが、セカンドアルバム"A Biography"が1978年にオーストラリアで火がついて、シングルとなった"I Need A Lover"が全豪でNo1ヒットになりました。
オーストラリアでのヒットを受けて、アメリカではサードアルバム"John Cougar"に"I Need A Lover"が急遽収録となり発売。オーストラリアから1年遅れて1979年に全米でも28位のヒットとなりました。(サードアルバムはオーストラリアでは収録曲名から取って"Miami"と付いて発売されたとのことです)
◆"アイ・ニード・ア・ラヴァー"=恋人がほしい"って歌ってるのはわかりましたが、でも"俺を狂わすほどでない程度の..."と歌っているとはあまり思ってもみませんでしたね(^▽^;)。「俺を狂わすほどの彼女がほしい」って言うのが、典型的なロックのラヴソングですからね。
歌詞からうかがえる主人公の状況。一人過ごすボロいアパート(?)。ビデオやテレビ、ラジオを見ても聞いても気もそぞろ、電話もかかってくるなど落ち着かない状況です。そして「俺の人生、今に見ていろ」と思っているけど、でも学校に通うか、家に戻るか(都会で勝負しようと状況していたのかな)まだ悩んでいる…。それでも、もう一人ではいたくない。一人の部屋は淋しすぎるんだ…。というところでしょうか。
Writer(s) John Mellencamp
Released in 1978
US Billboard Hot100#28(1979)
From The Album"A Biography"
*原詞の引用は太字
I need a lover that won't drive me crazy
I need a lover that won't drive me crazy
I need a lover that won't drive me crazy
Some girl that knows the meaning of a
Hey hit the highway
恋人がほしい 俺を狂わすことのない相手が
彼女が必要さ 悩まされることのない女の子
恋人をくれよ 夢中にならない程度の相手がいい
女の子にも意味がわかる娘がいるさ
"Hey hit the highway"って!
Well I've been walkin' the streets up and down
Racing through the human jungles at night
I'm so confused, my mind is indifferent
Hey I'm so weak,
won't somebody shut off that light
そう 俺は街を行ったり来たり歩いてた
夜のヒューマン・ジャングルを駆けめぐってた
頭は混乱して 集中できないんだ
ねえ 俺 ひどく調子が悪いんだ
誰か 灯りをもう消してくれないか
Electricity runs through the video
And I watch it from this hole I call home
All the stony's are dancin' to the radio
And I got the world calling me up here
Tonight on the phone
ビデオの電源を入れて見てたんだ
俺が"家"って呼んでる
この穴ぐらみたいな部屋でね
無表情な奴らもみんな
ラジオの音楽に合わせて踊ってるぜ
この場所は俺の名前を呼ぶ世界のようさ
今夜は電話がよく鳴るんだよ
I need a lover that won't drive me crazy
Some girl to thrill me and then go away
I need a lover that won't drive me crazy
Some girl that knows the meaning of a
Hey hit the highway
恋人がほしい 俺を狂わすことのない相手が
俺をワクワクさせては
出て行っちまう女がいるんだよ
恋人をくれよ 夢中にならない程度の相手が
意味がわかる娘もなかにはいるだろ
"なあ ハイウェイに行こうぜ"って!
Well I'm not wiped out
by this poolroom life I'm living
I'm gonna quit this job,
go to school, or head back home
And I'm not askin' to be loved or be forgiven
I just can't face shakin' in this bedroom
One more night alone
ああ 俺は疲れ果てたりするもんか
こんなボロい部屋に住んでる人生だって
この仕事を辞めて
学校に通うか それとも家に戻るか
でも愛して とか 許してとか
お願いしたりしないよ
もうこれ以上 このベッドルームで
ひとり震える夜を過ごしたくないんだ
I need a lover that won't drive me crazy
I need a lover that won't drive me crazy
I need a lover that won't drive me crazy
Some girl that knows the meaning of a
Hey hit the highway
恋人がほしい そこそこ付き合える娘がさ
彼女が必要さ 夢中にならない程度がいいんだ
恋人をくれよ 俺らしく付き合える相手がね
女の子だってわかる娘がいるさ
"俺の人生 まだ これからだ"ってことが
I need a lover that won't drive me crazy
Some girl to thrill me and then go away
I need a lover that won't drive me crazy
Some girl that knows the meaning of a
Hey hit the highway
恋人がほしいよ そこそこ付き合える娘がさ
恋人がほしいよ 夢中にならない程度がいいんだ
恋人がほしいよ 俺らしく付き合える相手がね
女の子だって理解してほしいんだ
"俺は俺らしく生きたいんだ"ってことをね
(Words and Idioms)
cf.hit the road=(車などで)出かける、旅に出る,放浪する
indifferent=無関心で,冷淡で,
stony=感覚のない 無表情な
wipe out=ひどく疲れさせる;ひどく(麻薬に)酔わせる
日本語訳 by 音時
◆コーラス部分の最後の歌詞の和訳が難しかったです。
Some girl that knows the meaning of
Hey hit the highway
「意味を知ってる何人かの女の子達」と「ヘイ hit the highway」はおそらくつながっているのでしょうね。すると"Hey hit the highway"ってことを知ってる女の子達、という意味なんだろうと思いました。隠語、スラング、仲間うちだけの若者用語なのでしょう。
"Hit The Highway"の意味について、外国の方でもよくわからないとネットで問い合わせてる人もいるようでした。その答えとして"the f**k out of here"って意味じゃないかと答えている人もいました(-_-;)。
また類義語?で"Hit The Road"=(車などで)出かける、旅に出る,放浪するとありました。"road"と"highway"の違いをある程度意味に付け加えれば正解に近くなりそうな気がします。"Highway"はやはり「高速」「短時間」であり「命を落とす危険性がある」道路ですね。"放浪"するのでも「ずっと旅するのではなく」「命を張るような危険もある」旅なんだろうな。"Hey hit the highway"(=人生一度きり、一か八かの大勝負に賭けるのが男だぜ)なんてところなんじゃないでしょうか。これは、主人公の口癖、そして「座右の銘」なのかな?と思いました。
◆また、一方、その前段で繰り返す「俺を狂わせない程度の相手がほしい」という歌詞。このことをミックスして意訳してみました。
毎夜淋しいから彼女がほしいよ。でも俺はまだ自分の人生はこれからさ。だから夢中にならない程度の女の子がちょうどいいんだ。女の子のなかでも"Hey hit the highway"って意味がわかる女の子もいるはずさ。その辺り、わかってくれる娘はいないもんかなー!(わがままですが)
…ってあたりです。どうでしょうか?(^▽^;)
◆パット・ベネターのデビュー・アルバム「In The Heat Of The Night」にこの曲のカバーが収録されています。ベルギーやドイツではパットの"I Need A Lover"がシングルになったようですね。(ベルギーで28位、ドイツで31位になっています)
女性が主人公だとちょっとまた意味合いが違ってくるかな。でも"そんなに入れ込まなくてもいい恋人がいいの。女の子だって楽しみたいんだから!"って感じかな?
◆"I Need A Lover"が最高位28位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending December 15, 1979
コモドアーズ「Still」は1位からダウンして3位を3週続けたあと、この週2位にアップ!? 次の週、まさかの返り咲き1位?と期待したましたが、翌週はこの週4位のルパート・ホルムズ「エスケイプ」が1位になります。ジョン・クーガー「恋人がほしいよ~」は、プリンス閣下「おまえの恋人になりたいよ~」と"恋人(Lover)"のつく歌で並んでました。これも珍しいですね!
◆スタジオ(Top Of The Pops)で歌います。"I Need A Lover".
◆スタジオのフル・バージョン。本編がなかなか始まらない!(-_-;)
◆パット・ベネターの歌う"I Need A Lover"です。
コメント
コメント一覧 (3)
音時
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四天王だなんて調子いいこと書いて大事な人を忘れてました。トム・ペティです。なので5人のアメリカR&Rヒーローでした😅
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ボブ・シーガーに続いてジョン・メレンキャンプときたのは偶然なのかわかりませんが、僕には勝手に付けたアメリカンR&R四天王がいまして、知った順(好きになった順)として、J.ブラウン、B.スプリングスティーン、ジョン・メレンキャンプ、B.シーガーなのです。
一番年長のシーガーが最後になるのは、シーガー最初のピークの頃僕がまだその年齢に達してなかったわけです💦
そしていつも思うのはアメリカのマーケットの広さです。上の4人何もそれぞれの出身地域では絶大な人気を誇るローカルヒーローでもあるわけですよね。これだけでプロのミュージシャンとして暮らすことには全然不自由ないはずです。もちろんスプリングスティーンとかになると全米超えて世界的なわけですが。
翻って我が日本だとローカルヒーローではなかなかプロとしての生活がおぼつかないという現実。
ずっと何十年と追っかけてるミュージシャンを知るにつけなかなか厳しいなぁと思うのでした。
音時
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