中学生のときに初めてこの曲を聴いて、とてもきれいなコーラスに聴きほれてしまいました。メロディがころころ変わるのでなかなか覚えられませんでした。

 当時は誰がどういう風に歌っているのかわかりませんでしたが、ジョンがリードをとり、"If I give my heart..."からはポールがハモッてきますよね。メインのジョンのボーカルがこの恋に関していろんな想いや表情を見せてくれる感じです。

◆ただ、今回和訳して、若いときこの曲に抱いていた「恋していいかどうか、ためらいながら相手を愛そうとしようという歌」という印象は、少々変わりましたね。

「誠実でいることを誓って、そのことが僕にわかるようにしてほしい」とか、「彼女より僕を愛するって最初から保証してくれ」とかものすごく独善的。おまえはどうなんだ!ってツッコミたいところです。

 そして2回出てくる "And that she will cry When she learns we are two"の部分。フラれた(別れた)彼女に、今幸せなんだってことを見せつけたいのでしょうか? なんだかそのために、自分に誠実を誓って、自分も本気で愛せる女性を探そうとしている男の姿が鼻につきます。

でも…だからこそ、この曲は名曲なんだろうなあ。

ジョンじゃなきゃ、この嫉妬心を持っている臆病な男の胸のうちを歌う歌詞は書けんぞ。ジョンのソロの"Jelous Guy"を想い出してしまった...。

本日、ジョンの命日です…。


71063


(Lennon / McCartney)

Released in 1964
From The Album"A Hard Day's Night"

*原詞の引用は太字


If I fell in love with you
Would you promise to be true
And help me understand

Cos I've been in love before
And I found that love was more
Than just holding hands

もしきみと恋に落ちたなら
誠実でいることを約束してくれるかい
そして僕がわかるようにしてほしいんだ

だって僕は前に恋してたんだけど
やっとわかったのさ
手を握るのだけが恋じゃないんだって

If I give my heart to you
I must be sure
From the very start
That you would love me more than her

もしきみに心を捧げるなら
最初から
確かめておきたいのさ
きみが彼女より僕を愛してくれることを

If I trust in you oh please
Don't run and hide
If I love you too oh please
Don't hurt my pride like her
Cos I couldn't stand the pain
And I would be sad 
if our new love was in vain

きみを信じるなら ああ お願いだ
逃げたり隠れたりしないでくれ
もしきみを愛することになったら 頼むよ
彼女みたいに僕のプライドを傷つけないで
だってその痛みに耐えられないんだ
悲しくなってしまうよ
もし僕らの新しい恋が虚しく終わったら

So I hope you see 
that I would love to love you
And that she will cry
When she learns we are two
Cos I couldn't stand the pain
And I would be sad 
if our new love was in vain

だからきみにわかってほしい
僕がきみを愛したいんだってことを
きっと彼女は泣くだろうな
僕らが付き合うことを知ったら...
だから痛みに耐えられないんだ
僕は悲しくなってしまうよ
もし僕らの新しい恋が虚しく終わったら

So I hope you see 
that I would love to love you
And that she will cry
When she learns we are two

If I fell in love with you
 
だからきみにわかってほしい
僕がきみを愛したいんだってことを
きっと彼女は泣くだろうな
僕らが付き合ってることを知ったら

もし僕がきみと恋に落ちたなら…


日本語訳 by 音時


And I Love


◆ジョンのプレイボーイインタビューから:
ちゃんとしたバラードを書いてみようと最初の試みだった。「イン・マイ・ライフ」がバラードとしては最初だけど、この曲もそれと同じコード進行になっているんだ。DからDマイナー、Eマイナーとただ繰り返す、あの手のやつさ。これは半自伝的な歌だ。歌の中に出てくるその女とのね。でもシンシア(当時の妻)のことじゃないよ。50年代風のイントロがついてるんだ(ジョン、歌う)。ポールが真ん中の8小節を助けてくれたと思うんだ。僕もセンチメンタルなラヴバラード、つまらない恋の曲を書いたってことさ、その昔はね。


アメリカでは「アンド・アイ・ラヴ・ハー」のB面としてもリリースされ『ビルボード』誌で最高53位、『キャッシュボックス』誌では64位を記録しています。



◆Live at 1964/09/03 Indiana State Fair




◆ジョンのソロ「ジェラス・ガイ」