ボズと言えば...僕もアルバム「Silk Degrees」が好きで、“Lowdown”、“We're all alone”、“Harbor Light”、そしてこの“Lido Shuffle”の4曲はいつだって耳にしたら聴き込んでしまいます。
このブログでこれまで取り上げてきたボズの楽曲の和訳記事はこちらです。

◆ボズ自身はこの曲についてこんな風に言っているようですね。
スキャッグスは次のように回想しました。
“リド・シャッフル”はこのあとどうしようか、宙に浮いてる感じの曲だったんだ(I'd been banging around.)。でもアイデアとして...ファッツドミノが「ファットマン」と呼んだ、ドライブの効いたシャッフル・ビートがあったんだけど、俺もよくピアノで弾いたもんさ。それでそれに合わせて歌う始めたんだ。デヴィッド・ペイチに披露したら曲を完成するのを手伝ってくれた。それが「リド・シャッフル」になったんだ。
◆曲はこの“シャッフル・ビート”がずんずんと前に進んでいくようで、ゾクゾクしますよね(専門的に言えないのがもどかしいですが)。
“One for the ”ロ~オ~オ~(ド)♪”と音楽に合わせて大声で歌ってしまいます!
◆歌詞ですが...うーん、難解です。
最初の「小屋(shack)」に別れを告げて「ボートに乗り損ねる」というところからよくわかりません!
でもこれは“小屋”が“刑務所”を指していて、リドが服役していたのがサンフランシスコのアルカトラズ島にあるアルカトラズ刑務所だったんじゃないかという説もあるようですね。海に浮かぶ島に作られた刑務所なのでボート(フェリー)に乗らないといけない場所です。
ですので、この歌詞の出だしは、リドは刑務所にいたけど、ようやく刑期を終えて出られることになったけど、退所の際に予定していた時刻のボートには乗り損ねたけど、もう刑務所に戻るつもりはなかった...ということなんでしょう。
退所して自由の身になったリドはそのあとなけなしの金を使って、ギャンブルに興じます。でもそのあと...。
続きは後半に。(意味が難解なので、だいぶ意訳しています)

Songwriter(s) David Paich, Boz Scaggs
Released in1977
US Billboard Hot100♯11
From the album“Silk Degrees”
*原詞の引用は太字です
Lido missed the boat
that day he left the shack
But that was all he missed
And he ain't comin' back
リドは「小屋」(監獄)から出たその日に
ボートに乗り遅れたのさ
でもミスったのはそれだけで
ヤツは二度と戻るつもりはなかったんだ
At a tombstone bar, in a juke joint car
he made a stop
Just long enough to grab a handle off the top
墓場のヨコにある Juke Boxのあるバーで
ヤツは車を停めた
最初の賭けは丁度いい距離にあったんだ
スロットマシンのハンドルを上から握るのに
Next stop Chi town,
Lido put the money down, let 'em roll
He said one more job ought to get it
One last shot 'fore we quit it
One for the road
次の行き先はシカゴ
リドは金を取り出してギャンブルに講じたよ
もうひとヤマ当ててやるってさ
賭け事はもうしないと最後の一杯を
「俺の旅立ちに祝福あれ!」
Lido Whoah oh oh oh
He's for the money, he's for the show
Lido's waitin' for the go,
Lido Whoah oh oh oh oh oh
He said one more job ought to get it
One last shot 'fore we quit it
One for the road
リド Whoah oh oh oh
金のため カッコつけるため
リドは一攫千金を狙ってるんだ
リド Whoah oh oh oh
もう一度でっかく勝つのを狙ってる
賭け事を止めるためにもう一度だけ
「最後に花道を飾らせてくれ!」
Lido will be runnin', havin' great big funnin'
till he got the note
Sayin' toe the line or blow it
and that was all she wrote
リドは稼ぎまくり お楽しみ三昧だった
でもそれはヤツがメモを受け取るまでのこと
“まともに生きるか
このまま賭け事に生きるか選んで”と
彼女はそれだけを書いていたのさ
He'll be makin' like a bee line,
headin' for the border line, goin' for broke
Sayin' one more hit ought to do it
This joint ain't nothin' to it
One more for the road
ヤツは真っすぐに家に帰ることを選んだよ
境界線に向けて 家庭と愛を選んだ最後の賭けさ
俺がやらなきゃいけないのはこれだったんだ
こんな賭け事なんて他愛もないこと
“これからの俺を見てくれよ!”
Lido
Whoah oh oh oh
He's for the money, he's for the show
Lido's waitin' for the go, Lido
Whoah oh oh oh oh oh
One more job ought to get it
One last shot then we quit it
One more for the road
リド Whoah oh oh oh
ヤツは金儲けして カッコつけ
リドは自分の出番を待ってるのさ
リド Whoah oh oh oh
もう一度 でっかい勝負を狙ってる
止めるまえにもう一回ってさ
「景気づけにもう一杯!」
Lido
Woah oh oh oh
He's for the money, he's for the show
Lido's waitin' for the go, Lido
Woah oh oh oh oh oh
One more job ought to get it
リド
Woah oh oh oh
ヤツは金のため カッコつけてたけど
止める機会をうかがってたたんだ
リド
Woah oh oh oh oh oh
彼女の心を再びつかむために
もう一仕事待ってるぜ...
(Words and Idioms)
shack=掘っ建て小屋
Chi-Town=シャイタウン、チャイタウン◇シカゴの愛称
one for the road=別れを惜しんでくみ交わす一杯
toe the line=規則{きそく}に従う
blow=(花を)咲かせる
beeline=~へ[に向かって]一直線に進む
go for broke ...=《俗語》〔投機・事業などに〕すべてを賭ける
日本語訳 by 音時(On Time)

はい、海外のサイトでもこの曲の歌詞をめぐってはファンの間でもいろんな説が飛び交っていますね。
刑務所を退所したあとで、リドがギャンブルに興じてるとことはわかりやすいのですが、
Just long enough to grab a handle off the top
については解釈が分かれます。確かに僕もギャンブルの資金はどこから得たのかな?と思ったのですが、ここについて、「昔のレジ(お金が入っている)で上から手を出して金を盗むにのにちょうどよい距離だった」とする解釈にはなるほど~と思いました。
でもさすがに突拍子もないかなと思いなおし、“ハンドル”とあるので、掴んで下におろすことでスロットが回るスロットマシンを想像しました。これですね。

あと「Juke joint car」は“Juke joint”というのが“ジュークボックスが置いてある酒場”という意味で、“car”なのでそれを載せてる移動式の車、という解釈です。

こんな感じで好きな音楽をかけて、お酒を飲ませてくれるボックスカー。
◆あと「toe the line or blow it」と書かれたメモを書いた人物が誰か?ここは“all she wrote”とあるので、やはり服役前から付き合っていた女性もしくは奥さんなんじゃないかなと。
この女性は「規則正しく生きるのか、それともそんなの真っ平御免(blow it!)=ギャンブルと犯罪結構とする人生か、選んで」と何らかの方法で連絡を寄こしてきたというわけですね。
◆で、リドはどうしたかというと、「真っすぐにBorderlineに向かって行った」んですね。ここの解釈は迷いました。
なんかアメリカで“Borderline”と言えば国境を越えてメキシコに渡る(=アウトローになる)ようなストーリーが思い浮かびます。ですので、リドは“俺は家庭に収まるのはもう無理だ。やりたいように生きていくぜ!”とギャンブラーの道を進んでいった...しょせん、ギャンブラーの血は変わることはできないんだよ、という物語。
でもさすがにそうかなあ?とも思いなおし、これはひょっとして、妻が今でも自分を許してくれる、待っていてくれている、とわかり、ギャンブルはもう止めた、俺はまっとうに生きるのさ、と一目散に奥さんの元に帰っていった?のではないかと...。この場合はさらに意訳となりますが“borderline”は「ギャンブルとまっとうな人生の境界線」であり、“One more hit”は「奥さんの心を取り戻すか拒絶されるか最後の賭け」みたいな解釈をしました。
はい、リドのその後はどうなったかわかりません。許しを得て家に帰ったとしても、またそのあとギャンブルが止められなくて...という人生を過ごしたかもしれません。そこは聴者に委ねるということで...。

◆あと今思ったのですが“Shuffle”には“責任をうまく逃れる”とか、困難を切り抜ける、というような意味や、トランプを混ぜる(シャッフルする)ような“ごちゃまぜにする”というような意味もありますね。ですので、“リド”という男の生き方の変遷を歌った歌ということで“Lido Shuffle”とタイトルを付けたということであれば洒落てるな!と。
「リド」というギャンブル好きな男の人生を
シャッフルのサウンドでお送りした“Lido Shuffle”劇場でした!
*僕の解釈を人に押し付けるつもりはありません...(^_^;)
◆メイキング、そしてステージ映像。ボズとバックのメンバーも楽しそうです!
◆日本での屋外ステージ。テレビでも放映したのかな。和訳は1番のみで歌詞の物語を解き明かしておりません(^_^;)
コメント
コメント一覧 (7)
今回のツアー名、One for the Road!ボズも年齢を意識してか、ファンにいつ最後の公演になるかわからない気持ちから?の“One for the Road”!かもしれませんよね。でも改めてみると、コンサートのセットリストも本編終了のラスト曲がこの曲“リド・シャッフル”! ボズと一緒に“ワン・フォー・ザ・ロード!”という言葉を一緒に歌い立ったな...(;^_^A
音時
が
しました
また、One for the Roadが歌詞にでてきますが、今回のツアーの名称でもあり、故にラストナンバーなのだと納得しました
音時
が
しました
アルバム発売当時あまり好きではなかったのですが、今は気に入っています。今回改めて聴いてみると、ブラスが良い!
(ボクにはよく分かりませんが…) 歌詞が難解なのですか?
主人公は刑期を終えた。街でギャンブルに興じるけど、その後は……?
深く考えてなくて申し訳ないのですが…。「奥さんの心を取り戻すか拒絶されるか最後の賭け」という解釈がいいと思います。
きっと奥さんが首を長くして待っていますよ。黄色いハンカチと一緒に。
(薄っぺらなコメントでスミマセン)
音時
が
しました
音時
が
しました
「Just long enough to grab a handle~」の訳、そう言われないと、全く分かりません!
一見、till he got the noteは、「お札をつかむまで」じゃないのか?・・・でも何か書かれていて??・・・と思って、と良く良~く解説を読むと、そんな深いバックグラウンドが・・・
borderlineは試験合格のボーダーラインみたいに、”ギリギリ”の選択を迫られた(詩になりませんが)でもいいのかな。
♪ウオウ・ウオウ~のサビしか気にしていなかった曲の魅力が、何10倍にも広がりました m(_ _)m
音時
が
しました
音時
が
しました
このLPは出た当時1976年は短大で、少しでもお金を浮かせようと安い輸入盤を買って何度も何度も聞きました。その当時輸入盤は歌詞は付いてなく(当然訳詞も)仕方なく聞いて意味を想像しておりましたが、時が経ち…。
そして最近何かのきっかけで使用してるspotifyのアーティスト別のBozの所を久しぶりに見たら LIDO SHAFFLEが曲別ランキングの1位になってて、聞いたらその後も頭にぐるぐる。今聞いても、全く古くありません。歌詞を見ながら翻訳するも意味不明。もしかして?と思いこちらのブログを見たら何と、数日前にアップされてました。難解な翻訳をありがとうございました^_^
音時
が
しました