アルバム「Turnstiles(ニューヨーク物語)」、ライブ「Songs In The Attick」に収録された、ビリーのピアノ前奏が素敵な名曲です。

  歌詞に「夏」や「ハイランド・フォールズ」は一切出てきません。「Highland Falls」はニューヨーク州にあってハドソン川に面した緑の多い避暑地?のようですね。
(Wikipedia: Highland Falls)


◆おそらく「夏 ハイランド・フォールズにて」作った曲なのでしょう。意図してこのタイトルにしたのか、それとも仮に付けていたタイトル?をそのまま本タイトルにしてしまったとか...?でも、この曲の歌詞はビリーの社会に対しての思いなどが強く歌われている内容になってると感じました。

「人は所詮、わかりあえないもの」「僕たちは社会状況に左右されてしまう」...

結論があるとすれば、そのなかで悲哀を感じながら精一杯生きていくことなのでしょうか。

◆ビリーのライブではピアノを聴かせるという側面もあるかとは思いますが、この曲はよく演奏されていたようです。1976年当時というよりは、ビリー自身ずっとこのような思いを持ちながら生き、歌ってきていたのでしょう。
 今の時代の僕たちも受けとめて考えてみたい内容を持つ歌だと思います。


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Writer: JOEL, BILLY
Lyrics c Universal Music Publishing Group

Released in 1976
From The Album“Turnstiles”
(ニューヨーク物語)

*原詞の引用は太字です

They say that these are not the best of times, 
But they're the only times I've ever known, 
And I believe there is a time 
for meditation in cathedrals of our own. 

今はあまりいい時代じゃないと人は言う
でも僕が知ってるのは この時代だけ
今は誰もが心の中の大聖堂で
瞑想する時なんだって思うんだ

Now I have seen that sad 
surrender in my lover's eyes, 
And I can only stand apart and sympathize. 

大切な人の瞳が哀しみに
包まれてしまってるのを見たけど
僕ができるのは離れて立って
彼女と同じ思いでいることだけなんだ

For we are always 
what our situations hand us... 
It's either sadness or euphoria. 

だって僕らはいつも
その状況に左右されるしかないから...
それが
「悲しみ」と「幸福感」のどっちであっても

And so we argue and we compromise, 
And realize that nothing's ever changed, 
For all our mutual experience, 
our seperate conclusions are the same. 

僕らは言い争ったり妥協したりして
何にも変わっちゃいないことに気がつく
互いの経験を交流させたところで
それぞれの結論は違ったままなんだ

Now we are forced to recognize our inhumanity, 
Our reason co-exists with our insanity. 

そして自分達の残酷さに向き合うけど
愚かさのなかでみんな共に生きているのさ

And though we choose 
between reality and madness... 
It's either sadness or euphoria. 

現実と狂気の
どちらかを選択したところで
それは「悲しみ」と「幸福感」の
どっちかでしかないんだ

How thoughtlessly 
we dissipate our energies 
Perhaps we don't fulfill each other's fantasies. 
And as we stand upon the ledges of our lives, 
With our respective similarities... 
It's either sadness or euphoria.

僕らは深く考えることもせずに
エネルギーを浪費している おそらく
それぞれお互いの夢を叶えることもできない
人はそれぞれ似たような部分を持ちながら
それぞれの人生の崖っぷちに立っている
それは
「悲しみ」なのか
「幸福感」なのか...

 (Words and Idioms)
cathedral=大聖堂
stand apart=離れている
euphoria=幸福感
inhumanity=不人情 残酷さ
dissipate=散らす 浪費する
fulfill=果たす 遂行する
respective=それぞれの 各自の
similarity=類似

日本語訳 by 音時(On Time)


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◆“euphoria”という言葉と出会ったのはこの曲が初めて...でした。
意味は単純な「幸せ」ではなく、「幸福感」「多幸感」、そして「(根拠のない)強い高揚感」なんて意味もありました。
 この曲のなかでは“幸せな気持ち”になっていたとしても、それはまやかし?「悲しみ」と大きな違いはないよ...なんてところでしょうか。ビリー、ちょっと厭世的です。

◆...この曲の和訳、そして冒頭の多少の僕のコメントですが、ここまでは、2013年の夏に書いたもの...なのです。(以前やっていた和訳ブログの記事)

で、ここからは2021年。コメントいただいた「KYさん」からご紹介された、書籍「イノセントマン~ビリー・ジョエル100時間インタヴューズ」とVHS+CD「Journey To The River Of The Dreams」のこの曲についてのビリーのコメントを見てから書くコメントです(^_^)。

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ビリーはニュー・ヨーク州北部のハドソン川沿いの街に住んでいたことがあって、その街の名前が“ハイランド・フォールズ”。ビリーとエリザベスは1976年の大部分をこの街の家で過ごしたあと都会暮らしに戻っています。だんだんと2人の関係にほころびが出てきている様子が歌われているんですね...(-_-;)。

 ビリー“たくさん愛して、大切にしていればいるほど、お互いに深く傷つけてしまう。それがどんなに苦しいかをひしひしと感じていた...。”

はい、ぜひ興味のある皆さまも僕のように、図書館から借りるなり、中古盤でお安く購入するなどして(「正規で新品を買ってくれ!」by ビリー)ビリーのコメントをお読みください!

(KYさん、ありがとうございました。ビリーの作品をより理解するうえで、これからも活用していこうと思います)



◆ウィリー・ネルソンの紹介で登場!Live at Farm Aid 1985です。 





(この記事で参考にした文献)
書籍「イノセントマン~ビリー・ジョエル100時間インタヴューズ」
VHS+CD「Journey To The River Of The Dreams」