この曲のPVについて、当時テレビで見て『なんだなんだ?原始人が出てきたぞ』と思いました!
でも、この曲が収録されたアルバムの邦題が「フロンティアへの旅立ち」でジャケットが人類の進化のイラストだったので、なんかそんなあたりを歌ってるのかな、と思っただけで、意味をそれ以上求めたり、アルバムを聴いたりはしませんでした。


あらためて考えてみたら“cannonball”って「(名)球形の砲弾、砲丸、特急列車」という意味。このことが何か人類の進化と関係あるのかな?
◆結論から言うと、まったく関係なさそうでした(^_^;)
この曲のSongfactsページには次のように紹介されておりました。
・これは、浮気をしている女性の犠牲になって嘘をつかれたと感じている男が、もう二人の関係は終わり(they're through)、二度と会ったり話しをしたくないと相手にいう告げる「苦い別れの歌( a bitter breakup song)」です。
...そうなのか!ということで和訳したところ...
I felt it all, just like a cannonball
ああもう僕はまるで「大砲」のような気分だよ!
嘘をつく彼女にたいしてもう我慢できない、今にもドカン!と爆発しそうだ、ってそういう意味なんでしょう(^_^;)
◆また、この曲はスーパートランプが全米ポップチャートにランクインした最後の曲になりました。スーパートランプと言えば「2枚のボーカルのいるバンド」という印象でしたが、その一方である独特の声を持つロジャー・ホジソンが脱退し、残ったリック・デイビスがこの曲を書き、リードをとっています。

Writer/s: RICHARD DAVIES
Publisher: Universal Music Publishing Group
Released in1985
US Billboard Hot100♯28
From the album“Brother Where You Bound”
*原詞の引用は太字です
You're tellin' lies, so don't you criticize
Yeah I got used, all messed up and abused
You let me down, with all your runnin' round
Still you pretend and try to call me friend
きみは嘘をついてる 批判する権利はないさ
僕は利用され めちゃくちゃひどい目にあわされた
落ち込んだよ きみが浮気するたびに
でもきみはごまかして 僕を友達と呼ぼうとする
Don't say a word, I know just what I heard
Yeah you've been loose, you just got no excuse
Just feel my rage, why can't you come of age?
I felt it all, just like a cannonball
もう言わないでくれ 聞いたことのある話さ
ああ きみは浮気性なんだ 言い訳できない
僕の怒りがわかるかい なんで大人になれないの?
僕は 爆発しそうな大砲みたいな気持ちだよ
Then you got mad, you said that I'm all bad
So what's the use, you lied and that's the truth
You took the key and drove right out on me
I never knew put all my trust in you
すると
きみは取り乱して 僕がみんな悪いと言った
だから何だって言うんだ
きみが嘘をついたのは事実だろ
鍵をつかんで僕の前から車で走り去ったきみ
僕はきみをずっと信じきっていたっていうのに
Okay, that's it, I'm leaving now, I quit
I was unwise, so don't apologize
I paid the price, for taking your advice
I felt it all, just like a cannonball
Yeah like a cannonball
いいさ そういうことなら僕も出ていくよ
僕がバカだった だから謝らなくていい
代償を払うことになったのさ
きみの教えに従ったその報いさ
もう 爆発しそうだよ まるで大砲みたいだ
ああ 僕は大砲のような気分だよ
You can say what you want all day
But I've never been so outraged
I'm washing my hands of you
How could you be so untrue
You know I can't stand no more
You know I can't stand no more
I can't stand no more, can't stand no more, no
一日中 欲しいものを叫べばいいさ
でも こんなに腹をたてたことはなかったよ
きみとは きれいさっぱりおさらばさ
どうしてそんな嘘がつけるんだい?
もう我慢できないよ
きみにもわかるだろ
僕はもう我慢できないよ
冗談じゃない もういやだ
(Words and Idioms)
mess up=めちゃくちゃにする、台無しにする
outraged=不公平なものや悪いものに腹を立てる
日本語訳 by 音時(On Time)

◆さて、アルバムのジャケットには「人類の進化」のイラストが掲載されていますが、一方、シングル“Cannonball”のジャケットはこう。
色の違う2種類の交差する人類。これは“進化後(現在?)の人類”とも考えられます。
そして、このアルバムは原題“Brother where you bound”は「フロンティアへの旅立ち」と邦題が付けられましたが、これは“フロンティア=最前線、最先端、未開拓の地”ですから、ジャケットのイラストなどを見て、進化に向けて進んでいく人類というイメージなんでしょうね。
そこであらためて、この曲のPVに原人を登場させ、原人が何やら演奏しているバンド(スーパートランプ)を観に行く設定を取り入れた意味ですが、「人類の進化」を取り上げたこのアルバムのなかで“Cannonball”は進化前の人類が進化後の人類をのぞきにいったが、何やら人類は、進化後でもいまだに恋愛でもめたり別れたりしている...ということがわかる、というユーモアなんじゃないでしょうかね。

星船さんブログ「ビルボードチャート日記」のこの曲の記事。
◆最後になりますが、“Cannonball”についてはWikipediaに、こんな風に紹介されていました。
この曲の歌詞は、元メンバーのロジャー・ホジソンへのベールに包まれたメッセージと見なされていたかもしれません。
えっ( ゚Д゚) もしかすると、じゃあ嘘をつかれて酷い目にあわされた相手っていうのは...?ただ、リックはフランスのラジオインタビューで、コンサートのプロモーターに触発されて書いたとコメントしているらしいです。
◆1988年 Live in Madrid
◆この曲は当時ダンスチャートで9位になったそうです。12インチ盤のB面には、10分間のインストルメンタルバージョンがあるとのこと。これかな。進化後の人類が踊りまくっております(笑)
(フェードアウトの近くで、ジャズチューンTopsyのフレーズが引用されます)
◆この曲が収録されたアルバム「フロンティアへの旅立ち」(原題は「Brother where you bound」)のタイトル曲。LPだとB面1曲目に位置し、時間にしてなんと約17分もの長さです。アルバムはスーパートランプがプログレに戻った印象のようです。
冒頭はジョージ・オーウェルの“1984”が朗読され、歌詞は次のように始まります。
There's a red cloud hanging over us
And it's so big and it's gonna burst
All you people with your heads in the ground
Hey brother, where you bound?
俺たちの上には赤い雲が垂れ下がる
そいつは大きくなりすぎて今にも爆発しそうさ
頭を抱えて地面に打つ伏してる人々よ
なあ兄弟 お前さんたちは何に縛られてるんだ?...
“人類の進化”との関係でも意味深なタイトル・フレーズですよね。
このタイトル曲“Brother Where You Bound”について下記のようなプロモーションムービーが作られましたが、人類の進化のなかで戦争の場面がいろいろ撮影され、その描写については当時いろんな論争が起きたとのことです。ギターにはデイヴ・ギルモア(ピンク・フロイド)、スコット・ゴーハム(シン・リジィ)等が参加したことも話題になりました。
“Breakfast in America”ではポップなヒット曲も沢山出したスーパートランプですが、このアルバム、そして“Cannonball”もトータルのテーマのなかで位置づけて聴くと、なお意味があるのかもしれません。
◆Supertramp - Brother Where You Bound 17 minute movie なかなか映像も興味深いですね。
コメント
コメント一覧 (2)
“アメリカで朝食“の次の作品が“何に縛られてるの?“でした。タイトル曲のムービーは日本では流されたのかな?今回初めて見ました。まあ17分は長すぎて、MTVで流せませんね。
音時
が
しました
「砲弾」と「原始人」がどう関係しているのか?音時さんが解明してくれると思って待っておりました。ありがとうございました。
このアルバムは、実は私もしっかりとは聞いていかなったです。アルバムを通した物語がありそうですね。改めて聞いてみます。
音時
が
しました