スティクスのこの曲"Lady(邦題"麗しのレディ")は、彼らが"The Grand Illusion"、"Pieces Of Eight"…と売れてきてから遡って聴きました。
1975年の全米で6位になったビッグヒットではありますが、収録されているアルバムは1973年リリースの"Styx Ⅱ"なんですね。この曲がStyxの初めての全米トップ40(トップ10)ヒットになりましたが、火が点くまでにずいぶんかかりました。

◆この曲のSongfactsページの情報によると…
・作者デニス・デヤングは、高校時代からの恋人であり、今は彼の妻のスザンヌについてこの曲を書きました。
とあります。はい"ベイブ"、"ベスト・オブ・タイムズ"とデニスの歌ったStyxのラヴソングは、デニスのスザンヌについての愛を歌ったものなんですね。
こう書くと、俺達なにを聴かされてるの?という気がしないでもないですね(^▽^;)。
◆デニスは1972年にこの曲を書きましたが、ファーストアルバムに収録するのを当時のレコード会社は認めず、1973年のセカンドアルバム「StyxII」に収録されることになりました。シングルとしてリリースされましたが、ほとんどのラジオ局にはかけてもらえなかったようです。
このへんはプログレッシブロックが流行っていた時代だから、こうしたシンプルなラヴソングのロックバラードはStyxのイメージとも合ってなかったということなんでしょうね。
でも、バンドの故郷であるシカゴのラジオ局が粘り強くかけてくれて、だんだんと浸透していったようです。Styxも色んな場所で毎晩午後8時に曲を演奏しました。それで、他のラジオ局もこの曲をプレイリストに追加して、かかるようになったそうです。(デニスがラジオでこの曲がかかるのを初めて聞いたとき、夕食を食べている最中で、とても興奮して窒息しそうになった、というエピソードもあります)(^^)/
そして、リリースからは2年経ったあとの1975年3月になって初めて、この曲はチャートのピークである全米#6に到達し、彼らにブレイクアウトヒットをもたらしました。

Writer/s: Dennis De Young
Released in 1975
US Billboard Hot100#6
From The Album“StyxⅡ”
:原詞は太字
Lady
when I'm with you I'm smiling
Give me all your love
Your hands build me up when I'm sinking
Touch me and my troubles all fade
レイディ
きみといれば僕は笑顔になれる
きみの愛をぜんぶおくれよ
落ち込んでるときみの手が救ってくれる
僕にふれてよ
悩みごとがみんな薄れていくから
Lady
from the moment I saw you
standing all alone
You gave all the love that I needed
So shy like a child who had grown
You're my
レイディ
初めて会ったとき
きみはひとりで立っていた
きみは僕に必要な愛のすべてをくれた
照れ屋なきみ
子どもがそのまま大人になったみたい
きみは僕の
Lady of the morning
Love shines in your eyes
Sparkling, clear and lovely
You're my lady
朝の女神なんだ
その瞳には愛が輝いてる
きらめいて透き通ってて素敵だよ
きみは僕のレイディ
Lady
turn me on when I'm lonely
Show me all your charms
Evenings when you lay down beside me
Take me gently into your arms
You're my
レイディ
淋しいとき 元気にしてくれる
すべての魅力を見せておくれよ
夕暮れには僕のそばで横たわり
きみの腕のなかに優しく導いてくれ
きみは僕の
Lady of the morning
Love shines in your eyes
Sparkling, clear and lovely
You're my lady
Lady of the morning
Love shines in your eyes
Sparkling, clear and lovely
You're my lady
朝の女神なんだ
瞳に愛を輝かせてる
まぶしくて 透き通ってて
とっても素適さ
きみは僕のレイディ
日本語訳 by 音時

アルバム"StyxⅡ"は邦題は"黄泉(よみ)の国より"。
"Styx"とは"三途の川"のこと。バンドの売り込みとしてはKISSではないけど"地獄"や"冥途"のイメージを添えていたんでしょうね。
◆Styxのデビューアルバムには、バンドメンバーによって書かれた曲は2曲しかありませんでした。
この曲はデニス・デヤングが自分で書き、歌った最初の曲でした。この時点から、Styxはデニスをメインのソングライターとして、独自のオリジナル曲を作成するようになったんですね。

Styxの初期の作品はまともに聴いたことがまだほとんどありません。時間があったら変遷を追ってみたいものだ、と思っています。
◆1978年のStyxのサンフランシスコでのライブから。デニスはヒゲ。キーボードソロから"Lady"。後半はマイク片手に…フレディみたいだな(^▽^;)
◆同名異曲。リトル・リバー・バンドの"Lady"も好きだったな。(和訳記事)
コメント
コメント一覧 (2)
音時
が
しました
ラブソングだとは思っていましたが、そういう背景だったのですね。
静かにピアノソロから入り、だんだん楽器が増えて、途中マーチ風だったりもして、盛り上がって、突然終わる。なかなかかっこいい。デニスデヤングの才能を感じます。私は逆に、ジェームスヤングのシンプルなハードロックが合いませんでした。
私は彼らが有名になってからさかのぼってアルバムを買って行ったのですが、この2枚目はバッハのフーガのパイプオルガンから彼らの曲に流れていくような構成もあって、おもしろいアルバムです。
音時
が
しました