(このブログでこれまで取り上げてきたジェームス・イングラムの曲の和訳記事はこちらです)

ジェームス・イングラムが天国に召されて2年が経ちました。(脳腫瘍のため2019年1月29日に死去;享年66歳)

僕は結構ジェイムス・イングラムのソウルフルな歌声が好きでした。一流のソングライターの曲を歌っていたから…というのもあるかと思いますが、いい曲ばかり。名前も売れてきたジェイムスは"We Are The World"でも短いながらもパートを任されて歌いました。

That someone, somewhere
will soon make a change…

というところですね!

◆僕が初めて彼の曲を聴いたのはこの曲"Just Once"だったと思います。
でもこの曲のクレジットは"クインシー・ジョーンズ"だったので、"クインシーって歌上手いんだなあ…"というのが最初の感想。

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クインシーはプロデューサーであって歌は歌わない、この曲はジェイムス・イングラムというR&Bシンガーが起用されて歌っているというのは後で知りました!
僕と同じ経験した人、多いと思うぞ~(^▽^;)。

R&Bシンガー、ジェームス・イングラムが逝去。その経歴とクインシーの追悼コメントを掲載

◆この曲の作者はバリー・マン&シンシア・ワイル。ヒット曲を沢山生み出した夫妻です。

(二人が手掛けた作品の一部です)
・"Never Gonna Let You Go / Sergio Mendes#4
・You've Lost That Lovin'Feelig'/ The Rightous Brothers #1
・He's So Shy / The Pointer Sisters#3
・Here You Come Again / Dolly Parton#3 などなどキリがありません。

 でも"Just Once"はシンシアが最も好きな曲で、バリーにとっても"You've Lost That Lovin'Feelig'"の次にお気に入りの作品といいます。シンシアによれば、特に誰のために書いたわけではなかったといいます。バリーは何曲かのデモを自分で吹き込んでいて、2人はこの曲をもっとよくしたいので優れた男性R&Bシンガーを探していました。ATVミュージックのリンダ・ぺリーがジェームスを推薦してきたので、彼の声を聴いたところ...

シンシア"2人で顔を見合わせたわ。体の力を奪われるくらい!"

バリー"僕が20年間聞いてきた中で、ジェームス、きみは最高のシンガーだよ!"
(音楽之友社「ビルボード・ベスト・オブ・ベスト」より)

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Songwriters:MANN, BARRY / WEIL, CYNTHIA
Lyrics c Sony/ATV Music Publishing LLC

Released in 1981
US Billboard Hot100#17
From The Album"The Dude"

:原詞は太字


I did my best 
but I guess my best wasn't good enough
'Cause here we are back 
where we were before

Seems nothing ever changes, 
we're back to being strangers
Wondering if we ought a stay 
or head on out the door

できるだけのことは尽くしたさ
でも十分じゃなかったみたいだ
僕たちは元の二人のまま
ここに戻ってきてしまっているよ

何も変わっちゃいないようだ
僕たちは他人のような二人に戻った
決めかねているんだ
このままでいるべきか
それともドアをあけて一歩踏み出すか

Just once, 
can't we figure out 
what we keep doing wrong
Why we never last for very long
What are we doing wrong

Just once, 
can't we find a way 
to finally make it right
To make the magic last for 
more than just one night
If we could just get to it, 
I know we could break through it

一度だけでも
分かり合えないのか?
僕たちの何が間違ってしまうのか
どうして僕らは
長く続くことができないのだろう?
どんな間違いをしてるのか?

一度だけでも
最後に上手くやっていく道を
見つけられないのか?
一夜だけじゃなく続く魔法を
かけさせてほしいんだ
それを手にすることができるだけで
僕たちきっと乗り越えられるはずだ


I gave my all 
but I think my all may have been too much
'Cause Lord knows we're not getting anywhere

Seems we're always blowing 
whatever we got going
And it seems at times with all we've got 
we haven't got a prayer

すべてを捧げたんだ
でもそれがやり過ぎだったのかもしれない
神様はお見通しさ 
僕たちがどこにもたどり着けなかった

どこに行こうとしても
いつも時間を浪費してることを
僕たち二人が費やした時間は
祈りすら捧げてなかったようにも思えるんだ

Just once, 
can't we figure out 
what we keep doing wrong
Why the good times never last for long
Where're we going wrong

Just once, 
can't we find a way to 
finally make it right
To make the magic last 
for more than just one night
I know we could break through it, 
if we could just get to it

一度だけでも
何が僕らを間違えさせるのか
理解しないといけないんだ
どうして楽しい時が
長く続いていかないのだろう?
どこで僕らは道を間違えるのか?

一度だけでも
最後にうまくやっていける
道を探さないか?
一夜でなんか終わらない魔法をかけよう
僕たち乗り越えていけるさ
もし僕たち二人信じあえるなら

Just once, 
I want to understand
Why it always come back to good-bye
Why can't we get ourselves in hand 
and admit to one another
We're no good without each other
Take the best and make it better
Find a way to stay together

一度だけでも
心からわかりたいんだ
なぜいつもサヨナラになってしまうのか?
なぜ手を取り合ってやっていけないのか?
お互いを認め合いながら
僕たち互いがいないとダメな二人さ
二人一緒にやっていけるよ
一緒にいられる道を探そう

Just once 
can't we find a way to finally make it right
Make the magic last for more than just one night
I know we could break through it, 
if we could just get to it
Just once

もう一度だけ
僕たちが最後に
やっていける道を探せないかい?
一夜で終わることのない魔法をかけよう
だって
僕たちは困難を乗り越えられる
二人がそう固く信じられるなら
もう一度だけ

I know we can get through it
Just once

僕たちはやっていけるさ
もう一度チャンスがあれば...

日本語訳 by 音時

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◆はい、でもこの曲はちょっと歌詞が悲しくて...ちょっとウルっとしてしまいます。確かに「もう一度チャンスさえあれば…」と願っていますのでまだお別れとは決まっていないのですが…やっぱり「悲しい失恋・悲しい別れ」カテゴリの曲なんだよな…。
 そんなこともあって、僕はこの曲ももちろん好きなんですが「The Dude」のなかに収録されているジェームスがボーカルを取ったもう1曲"One Hundred Ways"の方が好きなんです(^▽^;)。
 とっても素適な曲です。この曲は…来年のこの日まで和訳をとっておこう…。

◆2013年年7月~8月のクインシー・ジョーンズの来日公演のレポートがインターネットにありました。ジェームスも登場し、この曲"Just Once"とパティ・オースチンとの"Baby Come to me(あまねく愛で)"を歌ってくれたようです。(豪華~)


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◆この曲「Just Once」が最高位17位を記録した週の全米ビルボードHot100チャートです。
(US Top 40 Singles November 14, 1981)

 ホール&オーツの「プライベート・アイズ」が1位。オリヴィア「フィジカル」急上昇で翌週から10週間1位になります!(同時にフォリナーの2位が続きます...)
 5位は「暴走マイライフ」。この曲好きだな~。8位リック・スプリングフィールド、オリジナルはサミー・ヘイガーの曲です。
 
-1 1 PRIVATE EYES –•– Daryl Hall and John Oates
-2 2 START ME UP –•– The Rolling Stones
-3 14 PHYSICAL –•– Olivia Newton-John
-4 10 WAITING FOR A GIRL LIKE YOU –•– Foreigner
-5 5 TRYIN' TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU –•– Bob Seger

-6 6 THE NIGHT OWLS –•– The Little River Band
-7 9 HERE I AM–•– Air Supply
-8 8 I'VE DONE EVERYTHING FOR YOU –•– Rick Springfield
-9 3 ARTHUR’S THEME (Best That You Can Do) –•– Christopher Cross
10 12 THE THEME FROM “HILL STREET BLUES” –•– Mike Post 

17 18 JUST ONCE –•– Quincy Jones Featuring James Ingram

◆こちら日本のTVで放映したクインシーの来日公演からの"Just Once"。和訳キャプション付きですね。僕の和訳とどっか違うかな…。




◆"One Hundred Ways"…イントロのスキャットから拍手です!全米チャートでは14位が最高位でしたが、この曲は1982年のグラミー賞でベストR&B・ボーカルパフォーマンスを受賞しました。
ジェームス R.I.P…。


(この記事で参考にしたページ)
・ビルボード・ベスト・オブ・ベスト(音楽之友社)
・Wikipedia Just Once
・Wikipedia The Dude