"ヒットレコードを出したい""みんなに愛されて誰もが知ってる曲を"…。この歌詞を書いたエリックはどんな心境だったのでしょうか?
ラズベリーズは"Go All The Way"(1972年 全米5位)、"I Wanna Be With You"(1972年 全米16位)など沢山のヒット曲を出して、"名声はいらない"というエリックでしたが、すでに名声は得ていたものと思うんだけどな。
でもラストで"ナンバーワン…"と歌うので、確かにナンバーワン・ヒットはなかったけど…と思います。
◆冒頭の動画の音、最後の最後まで聞かれましたか?この曲にはちょっとした仕掛けがあります。
というのは、最後に"Wanna Hit Record、Yeah"(No1!)を繰り返してフェード・アウトするのですが、最後の最後、"彼らの最大ヒットである"Go All The Way"がちょっとだけ流れます。
…この解釈ですが、この曲はエリックが本当に若い頃のことを歌ってるんじゃないかな。
"ヒット曲が欲しいんだ!"と叫んでたあの頃…そして彼らは多くの人に親しまれ歌われることになる"Go All The Way"を大ヒットさせるのです…!
その頃のことを思い出して初心に戻る…ような歌なのでは?と思っています。メロディやアレンジ、コーラスは60年代のポップな曲のイメージを再現して…。
Writer(s): Eric Carmen
Released in 1974
US Billboard Hot100#18
From The Album"Starting Over"
(素晴らしき再出発)
:原詞は太字
Well I know it sounds funny
But I'm not in it for the money, no
I don't need no reputation
And I'm not in it for the show
ああ なんだかおかしく聞こえるかな
でも僕は金のためにやってるんじゃない
名声が欲しいわけでもないし
見世物のつもりでもないんだよ
I just want a hit record, yeah
Wanna hear it on the radio
Want a big hit record, yeah
One that everybody's got to know
僕はただヒット・レコードを出したいんだ
ラジオをつければ聞こえてくるような
ビッグ・ヒットを出したいんだ
誰でも知ってるようなヒット曲をね
Well if the program director don't pull it
Then it's bound to get back the bullet
So, bring the group down to the station
You're gonna be an overnight sensation
でももしラジオのDJが
レコードを引っ張りだしてかけてくれなきゃ
そのレコードも元の棚にしまわれる運命さ
そしたらバンドごと
ラジオ局に呼ぶってのはどうだい?
そしたら一夜にして"スター誕生"さ
I've been tryin' to write the lyric
Non-offensive but satiric too
And if you can get it in the a-slot
It's just got to make a mint for you
僕がずっと書こうとしてたのは
不快に思われない風刺的な歌詞
そいつをシングルのA面にしてみなよ
きみに大金が舞い込んでくるよ
I just want a hit record, yeah
Wanna hear it on the radio
Want a big hit record, yeah
One that everybody's got to know
僕はただヒット・レコードを出したいんだ
ラジオをつければ聞こえてくるような
ビッグ・ヒットを出したいんだ
誰でも知ってるようなヒット曲をね
Overnight sensation
一夜にして大スターさ!
I fit those words to a good melody
Amazing how success has been
ignoring me so long
そうした歌詞を
素敵なメロディに乗せるんだ
どうして僕は長い間
成功に縁がないんだろうと
不思議に感じながら
I've used my bread making demos all day
Writing in the night
while in my head
I hear the record play
hear it play
昼じゅうデモを作るのに
大切な時間を費やして
夜には曲を書くんだ
その間じゅうずっと
僕の頭のなかでレコードがかかってる
さあ聞いてごらん
Hit record, yeah
Wanna hit record, yeah
Wanna hit record, yeah
Wanna hit record, yeah
Wanna hit record, yeah
(Number one)
ヒット・レコードなんだ
ヒット・レコードを出したいよ
夢見てたあの頃
ヒット・レコードが欲しいんだ
(ナンバー・ワンをね!)
(Words and Idioms)
bound to=~しなければならない、~する運命にある・
overnight sensation
=一夜にして有名人[スター]になった人
offensive=いやな、不快な
satiric=風刺の
mint=多額、巨額、多大
日本語訳 by 音時
◆和訳で、
Well if the program director don't pull it
Then it's bound to get back the bullet
の部分はちょっと悩みました。
"pull it"はレコードの背がズラッと並んでいる棚から1枚を"引っ張り出す"イメージ。"the bullet"="弾丸"なのですが、「引き出されたレコード」を"打たれた弾丸"と例えているのかなと思いました。"DJがその曲を選ばなかったら、打たれた弾丸(曲)だって、拳銃(元の棚)に戻ら(get back)ないとならない運命(bound to)だ"って訳しました。合ってるかな(^▽^;)
でもこの歌詞、なかなかカッコいい歌詞だと思いませんか。僕は気に入ってます…!
◆"Overnight Sensation"が最高位18位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles Week Ending 9th November, 1974
おおっバックマン・ターナー・オーヴァードライヴの「恋のめまい」が1位の週だったか。翌週は3位ジョン&エルトン共演の「真夜中を突っ走れ」。トップ10は結構勢いのある曲が多かったのですが、この週15位のBilly Swanの"I Can Help"が15→6→1位と驚異のジャンプアップを見せるんですね。
-1 2 YOU AIN’T SEEN NOTHING YET –•– Bachman-Turner Overdrive
-2 3 JAZZMAN –•– Carole King
-3 6 WHATEVER GETS YOU THRU THE NIGHT –•– John Lennon
-4 10 TIN MAN –•– America
-5 11 BACK HOME AGAIN –•– John Denver
-6 17 MY MELODY OF LOVE –•– Bobby Vinton
-7 14 DO IT (‘Til You’re Satisfied) –•– B.T. Express
-8 4 THE BITCH IS BACK –•– Elton John
-9 12 LIFE IS A ROCK (But the Radio Rolled Me) –•– Reunion
-10 13 CAREFREE HIGHWAY –•– Gordon Lightfoot
18 20 OVERNIGHT SENSATION (Hit Record) –•– The Raspberries
◆エリックもキーボード弾きながらシャウトします!当時のラズベリーズをライブで観てみたかったなあ。
◆これは別な"Overnight Sensation"です。サブタイトルは「~時代はあなたに委ねてる~」。TRFです。僕はラズベリーズから曲名を取ったと考えています。
コメント
コメント一覧 (4)
この曲、当初はアルバム“starting over“の頃のエリックの気持ちを歌ってると思っておりました。今にしてなおナンバーワンヒットをだしたい!と満足しないんだな(^.^)と思っていたんです。でもこの“go all the way“が最後に小さい音で流れる仕掛けからすると、やはり若い時、ヒットレコードを出したいと強く持った想いが、その後、go all the wayで実現したことを歌ってるんだろうな!と思います。
音時
がしました
ラズベリーズのこの曲には、味わい深さを感じますわ。
以前、ラズベリーズのライヴでこの曲を演奏で最後の、go all the wayの箇所を舞台の一番前にラジカセを置いて、それで鳴らさせた映像を見た記憶が有りますよ。
音時
がしました
というメッセージだとしたら、、自由に空想しちゃいましょう!エリックの日本公演でも歌ってくれたこの曲、彼の思い入れの詰まった曲なんだろうなと感じました。
音時
がしました
ラズベリーズは大好きなんですよね。
この曲、その解釈でよろしいかと。あと、このアルバムでラズベリーズは解散しちゃうんですが、ひょっとしたらメンバーの絆を再び堅いものにしたかった意図もエリックにはあったのかもしれませんね。
とにかくこの曲には、ロックンロールやバラード、分厚いコーラス、すべてのラズベリーズの魅力的な要素が詰まっているような気がします。名曲ですね。
音時
がしました