このブログで取り上げてきたカーペンターズの曲の和訳記事はこちらです。

 僕のカーペンターズとの出会いは"Yesturday Once More"でした。


ニッポン放送の「ポップスベスト10」あたりで初めて聴いたと思います。普段、郷ひろみばかり聴いていた3つ上の姉がある日「あんたたち(双子の弟含む)、カーペンターズって知ってる?」と年上の威厳をひけらかそうと話しかけてきたときに、"知ってるよ、イエスタディ・ワンスモアとかだろ」と答えたら、姉は黙ってしまい、弟から「すげ~」と言われました(^▽^;)。

◆「Close To You」はカーペンターズ初のNo1ヒットですが、リアルタイムでは聴いていませんでした。

「全米トップ40」を聴き始めて、1970年代のNo1ヒット曲は全部覚えよう、音源(レコードでもカセットでもいい)集めようとしていろいろ聴きました。1970年のNo1ヒットは印象的に覚えています。B.Jトーマスの「Raindrops Keep Fallin' On My Head」、ジャクソン5「I Want You Back」、S&G「Bridge Over Troubled Water」、ビートルズ「Let It Be」そしてカーペンターズ「Close To You」…。「遥かなる影」という邦題を覚えたのはだいぶたってからでした。

◆1969年にカーペンターズはアルバム「オファリング」をリリース。ビートルズの「Ticket To Ride」のカバー曲が全米54位とまずまずの結果を残し、次はどうするかを考えていたときに、同じA&Mレコード所属のバート・バカラックが彼らに注目し、自分のショーの前座にカーペンターズを呼び、バカラック作品をメドレーとして演奏する機会を与えました。そのときのバカラック側から提示されたリストのなかにこの曲があったそうです。

 「Close To You」は1963年にバート・バカラックとハル・ディヴィドがディオンヌ・ワーウィックのアルバムのために書いた曲でしたが、先入観は持たない方がいいということでディオンヌバージョンはカーペンターズ側には聴かせないようにしたといいます。バカラック作品のなかでは比較的地味な曲でしたが、この曲を気に入ったカーペンターズは新たな命を吹き込みました。最終的にはこの曲はメドレーからは外されて、バカラックとハーブ・アルパートの強い勧めもあってレコーディング。当初はドラムはカレンが担当し、叩きながら歌っていましたが、途中でハル・ブレインに交代。結果的には見事全米1位になりました。この時のレコーディングのテイクはミックス違いなど様々なバージョンが存在するようです。


Closetoyou


Songwriters: DAVID, HAL / BACHARACH, BURT
Lyrics c Universal Music Publishing Group, Warner/Chappell Music, Inc.

Released in 1970
US Billboard Hot100#1(3)
From The Album"Close To You"

:原詞は太字

Why do birds suddenly appear
Every time you are near?
Just like me, they long to be
Close to you

なぜかしら
鳥たちが突然姿を現すの
あなたがそばにくると…
鳥たちも思ってるのかしら
まるで私みたいに
あなたのそばにいたいって

Why do stars fall down from the sky
Every time you walk by?
Just like me, they long to be
Close to you

なぜかしら
空から星たちが降りてくるの
あなたがそばを通り過ぎると…
星たちも思ってるのかしら
まるで私みたいに
あなたのそばにいたいって

On the day that you were born 
the angels got together
And decided to create a dream come true
So they sprinkled moon dust in your hair
Of gold and starlight in your eyes of blue

あなたが生まれたその日には
天使たちがみんな一緒になって
夢をかなえるように決めたのよ
だからあなたに
ムーンダストを振りかけて髪を金色にして
星の光をあなたの青い瞳に分けたのね

That is why all the girls in town
(Girls in town)
Follow you
(Follow you)
All around
(All around)
Just like me, they long to be
Close to you

そういうことなのよ
この町の女の子たちはみんな
(町の女の子たち)
あなたに付いていく
(あなたを追いかける)
あちこちでね
(あちこちでみんな)
あなたに近づきたいのよ
ちょうど私と同じように

On the day that you were born 
the angels got together
And decided to create a dream come true
So they sprinkled moon dust in your hair
Of gold and starlight in your eyes of blue

あなたが生まれたその日には
天使たちがみんな一緒になって
夢をかなえるように決めたのよ
だからあなたに
ムーンダストを振りかけて髪を金色にして
星の光をあなたの青い瞳に分けたのね

That is why all the girls in town
(Girls in town)
Follow you
(Follow you)
All around
(All around)
Just like me, they long to be
Close to you
Just like me, they long to be
Close to you

この町の女の子たちはみんな
(町の女の子たち)
あなたに付いていくのは
そういう理由なの
(みんなあなたを追いかける)
あちこちでね
(あちこちでみんな)
あなたに近づきたいのよ
ちょうど私と同じように

私と同じなの
みんなあなたの近くへ
行きたいの

(Why? Close to you)
(Why? Close to you)
(Haa, close to you)
(Why? Close to you)

どうしてなの?
あなたの近くにいたいって
思ってしまうのは?


(Words and Idioms)
sprinkle=まき散らす 振りかける

日本語訳 by 音時


CloseCarpenters

大阪の「黒字看板」さんにジャケットのタイトルフォントを再現していただきました(^▽^)。
こちらをご覧ください…!



◆"みんなあなたの近くに来たいと思ってるの"…"あなた"は金色の髪と青い目を持っているとっても魅力的な人なんですね。
鳥も寄ってきちゃうし、星も落っこちてきちゃいます(これは大変だ)。

本当はそこまでじゃなくても、彼女からするとそれくらい魅力的に見えちゃうんですね。もしかすると、彼女の髪や瞳は普通の色で、金髪や青い目にたいしての憧れやコンプレックスの裏返しなのかもしれません。"スターダスト"はよく聞きますが、"ムーンダスト"は初めて聞きました。でもこれもなんか素敵な粉のように思えますね。僕にも振りかけてほしい…←ムダです(-_-)。

◆この曲について、こんな話題も見つけました。
藤圭子と宇多田ヒカルの母子をつないだカーペンターズ「Close To You(遥かなる影)」
TAP the SONG


◆カレンの髪長いな。おしとやかな感じです…(^^)。



◆1963年ディオンヌ・ワーウィックの「Close To You」。このビデオの設定はなんだろう。ディオンヌはOLさん?




◆よーし、この動画見て、英語カラオケ行くぞ!?(感染予防をしっかり)




(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia 遥かなる影
・レコードコレクターズ「カーペンターズ特集」1996年6月号