この曲がデュラン・デュラン(以下、DD)の初めてのイギリスでのヒットとなりました。

面白いことに、この曲は何のプロモーションもしていないオーストラリアでも1位なったんですね。これはこの曲のSongfactsによると「ラジオでのヘビーローテーションや、未来の氷河の風景が出てくるスタイリッシュなビデオ」が要因であるとのこと。

◆ビデオもなかなか面白いですね。ドラムのロジャーが Q magazineのインタビュー (February 2008)に答えて、次のようにコメントしています。

(このプロモーションビデオのアイデアはどこから来ているのですか?) "このビデオは、ウルトラボックスの'Vienna'に影響されたんだよ。

ん~、そうなんだ。ウルトラボックス"Vienna"動画は下の方に貼り付けておいたのでご参照ください。うん、確かにわかる。

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◆また、この曲には歌詞に"New Romantic"という言葉が出てきますね。この言葉が挿入された背景にもちょっと出来事があったようです。そのことがこの曲のSongfactsページに出ていました。

ベースのジョン・テイラーが the A.V.Clubによる2012年のインタビューで次のように答えています。
あるとき新聞のヘッドラインに "Here Come The New Romantics."という見出しでスパンダー・バレエの写真が出ていたんだ。僕はそれを読んで考えたのさ。"ワオ、彼らがやろうとしてることはまさに僕らがやろうとしてることじゃないか"。
そしてロンドンにいるジャーナリストを呼んでこう言いました。
"ねえ、きみが彼らのようなバンドが好きなら、僕らも好きになるはずさ!(笑)"そしてしばらくして思ったんだ。"そうだ、この曲に"New Romantic"ってフレーズをどこかに入れることにしよう。

"ウルトラボックス"や"スパンダー・バレエ"。デビューがほぼ一緒のバンドたちとはライバルでもあり仲間でもあるんだろうな。他のバンドの人気の状況も…やっぱり気になるんだろうな。

このブログでこれまで取り上げてきたD.Dの曲の和訳記事はこちらです。

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Songwriter(s) Simon Le Bon, John Taylor, Roger Taylor, Andy Taylor, James Bates
(James Batesというのはニック・ローズの本名のようですね)

Released in 1981
UK Single Chart#12
From The Album“Duran Duran”

:原詞は太字


Only came outside 
to watch the night fall with the rain
I heard you making patterns rhyme

夜 外に出てみたけど
見えたのは降りしきる雨だけだった
きみたちのパターンの韻を耳にしたのさ

Like some new romantic 
Looking for the tv sound
You'll see I'm right
some other time

ニュー・ロマンティックが
テレビのサウンドを探してるみたいに
きみたちも 僕のことがわかるだろう
いつかはね

Look now, look all around, 
there's no sign of life
Voices, another sound, 

ねえ まわりを見てごらん
もう誰も生きていないのに
声がする 聞いたことのない響き

Can you hear me now?

"僕の声が聞こえるかい?"

This is planet earth, 
you're looking at planet earth
Bop bop bop bop bop bop bop bop 
this is planet earth

"こちらは惑星「地球」"
"きみたちが見てる星は「地球」"
Bop bop bop bop bop bop bop bop 
"こちらは惑星「地球」だよ…"

My head is stuck on something precious
Let me know 
if you're coming down to land

僕はとても大切なことで頭がいっぱい
教えてよ もしもきみたちが
この星にやって来るのなら?

Is there anybody out there 
trying to get through?
My eyes are so cloudy 
I can't see you

誰かこの星の外にいるのかい?
この星に来ようとしてるの?
僕は目が曇ってて見ることができない
きみたちの姿が見えないんだ

Look now, look all around, 
there's no sign of life
Voices, another sound, 

ねえ まわりを見てごらん
生命の信号がどこにもない
でも声がする 聞いたことのない響き

Can you hear me now?

"僕の声が聞こえるかい?"

This is planet earth
you're looking at planet earth
Bop bop bop bop bop bop bop bop
This is planet earth…

"こちらは「地球」です"
"きみたちが見てるのは惑星「地球」"
Bop bop bop bop bop bop bop bop
"こちらは「地球」"…

Look now, look all around, 
there's no sign of life
Voices, another sound, 

ねえ まわりを見てよ
みんな息絶えてしまったんだ
…声がする 聞いたことのない響き

Can you hear me now?

"僕の声が聞こえるかい?"

This is planet earth
you're looking at planet earth
Bop bop bop bop bop bop bop bop
This is planet earth…

"こちらは「地球」です"
"きみたちが見てるのは惑星「地球」"
Bop bop bop bop bop bop bop bop
"こちらは「地球」"…

Bop bop bop bop bop bop bop bop
Calling planet earth…

惑星「地球」との交信をしてるんだ…

日本語訳 by 音時

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◆さて、この曲の和訳(解釈)についてです。僕にとっては、なかなか難解でした(^▽^;)。
最終的には、こういう物語の設定にしました。

ここは宇宙のとある星。この星に訪れた危機。多くの生命体が死に絶えたなか、奇跡的に生き残っている生命体がいます。この生命体がこの曲の主人公。この生命体はもう生命の信号が感じられないため、ほかにどこか生命体がいないかと他の星に交信を求めています。

おっ?何か信号をキャッチしました。家の外に飛び出してみたところ、雨が降ってる光景だけ。ちょっとガッカリ。以前も特定のパターンが発信されている(=誰か生きている生命体がいる)のを聞いたことがあるからです。

信号をキャッチしました!"Can you hear me now? This is planet earth…♪…"。

軽快な音楽に乗って声が聞こえました。何やら音楽のようです。聴いたことのないサウンドでした。

ああこれが地球という惑星からの通信。この聴いたことのないサウンド、なかなかいいじゃないか。


Bop bop bop bop bop bop bop bop"こちらは「地球」"…

…という設定です(^▽^;)。

DDメンバー達も自分たちのサウンド(New Romantic)は「地球代表として誇ってもいい!?」として「こちらは地球」と宇宙に対してメッセージを発したのがこの「プラネット・アース」というわけです。

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また別な解釈として、主人公はDDメンバー達という設定も考えました。なぜかDDメンバー達を残して地球の生命体は絶滅しました(核戦争後の地球?)。でもDD達は必死になって宇宙の他の生命体との交信を続けます。その地球外生命体に発しているメッセージがこの曲のサビの部分。"This is  planet earth…誰かいませんか?"

…とまあ、辻褄を合わせるのが結構大変ではあったのですが、あながち間違いじゃないような気がします。
みなさん、どちらだと思いますか(^▽^;)? A「主人公が地球外生命体」、B「主人公はDDで、地球外生命体に交信を呼びかけてる」。この2択、無理あるんじゃない?(笑)

◆この曲のPVです。



◆"プラネット・アース"のビデオはこの「ウルトラ・ボックス」の"Vienna"のビデオに影響されたものであるとのこと。未来風?な感じとか、色合いなどがやはり似てますね。



◆"ペイパー・ゴッズ・ツアー"より、"Pressure Off"~"Planer Earth"のメドレー。(Liverpool Echo Arena 12.12.2015)