フリートウッド・マックの創設者であるピーター・グリーンさんがお亡くなりになりました。享年73歳でした。ご冥福をお祈りいたします。(CNN.co.jp

このブログでこれまで取り上げてきたフリートウッド・マックの和訳記事はこちらです。

アルバム「Tango In The Night」のラストを飾る"You And I, Part2"です。
(作者クレジットにはリンジーとクリスティン両名の名前があります)

◆"Tango In The Night"にもそれぞれのメンバーの個性が生かされて色んな曲が入っておりますが、人気のある曲といえばシングルにもなった、リンジーの"Big Love"と、クリスティンによる"Little Lies"ですよね。
   そしておそらく、この"You And I,Part2"もコーラスワークや曲のアレンジ(効果音の使い方含め)なども大好き!という人が多いんではないかな、と思います。僕もその一人。

サウンドが"いい感じ"なので、歌詞は…まあラヴ・ソングなのかな?と思って読んでみますと、"Hoping tomorrow will never come..."という歌詞は、"ああ夜通し、きみとずっといて、朝になったら別れなきゃいけないから、明日が来ないでほしいって思ってるんだな"と思いました。だから朝起きても目は閉じたままでいる。目を開けると明るい=朝が来たことがわかってしまうから...ふむふむなるほど。

はい、ここでいったん歌詞と日本語訳を見てみましょう…。

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Written by L. Buckingham, C. McVie

Released in1987
From The Album"Tango In The night"

:原詞は太字

I wake up
With my eyes shut tight
Hoping tomorrow will never come
For you and I

目が覚めても
瞳はしっかり閉じたまま
"明日"なんて来ないで欲しいんだ
きみと僕のために

Oh the phantoms
Crawl out of the night
Hoping the daylight will never come
For you and I

ああ 幻影たちが
夜から這い出てくるんだ
"夜明け"なんて来ないでほしいんだ
きみと僕のために

Keep your heart open 
and your eyes shut tight
What will be, will be

Keep your heart open 
and your eyes shut tight
But don't forget about me

心は開いておいてくれ
瞳はしっかり閉じたまま
何が起きても なるようになるさ

心は開いておいてくれ
瞳はしっかり閉じたまま
それでも僕のことを忘れないで

Oh the phantoms
Crawl out of the night
Hoping the daylight 
will never come
For you and I

ああ 幻影たちが
夜から這い出てくる
"夜明け"なんて来ないでほしい
きみと僕のために

Keep your heart open 
and your eyes shut tight
What will be, will be

Keep your heart open 
and your eyes shut tight
But don't forget about me

心は開いておいてくれ
瞳はしっかり閉じたまま
何が起きても なるようになる

心は開いておいてくれ
瞳はしっかり閉じたまま
それでも僕のことを忘れないで

I wake up
With my eyes shut tight
Hoping tomorrow will never come
For you and I
Hoping tomorrow will never come

目が覚めても
瞳はしっかり閉じたまま
"明日"なんて来ないで欲しい
きみと僕のために

For you and I
For you and I
For you and I
For you and I

きみと僕のために
きみと僕のために
きみと僕のために
きみと僕のために


(Words and Idioms)
What will be, will be=なるようになる

日本語訳 by 音時

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◆でもね、なんか引っ掛かりますね。幻影が出てきたり、目が覚めても目を閉じたまま、とか、ちょっと何かを暗示してやしないか ?…と。

これまでFleetwood Macは単純なラヴ・ソングをアルバムのラストに持ってくるようなことをしていましたか?そして、なんでこの曲は"Part2"なのか?

 ピンク・フロイドの"Another Brick In The Wall"はシングルヒットは"PartⅡ"でしたが"Part1"と"Part3"は"The Wall"のアルバムのなかに入っていましたね。
でもFleetwood Macの場合は"Tango In The Night"には"Part1"入っていない...???

"Part◎"問題はすぐにわかりました。

"You and I,Part1"もやはり"Tango In The Night"のセッションでレコーディングされていました。
でもアルバムには収録せず、ファースト・シングルになった"Big Love"のB面に収録したんですね。
何故だかの理由はわかりませんでしたが、曲を聴いてみると…まあアルバムにはそぐわない感じです。

作者はリンジーで、サウンドは打ち込みベースのホンワカした感じでなかなかいいのですが、歌詞は何か抽象的でよくわからないですね。でも…心で味わうのだ!(^▽^;)。




"You and I,Part1"

You, under strange falling skies
You, with a love that would not die
You, you and I
You, you and I

きみ 不思議な落ちてくる空の下で
きみ 決して死なない愛を持っている
きみ きみと僕
きみ きみと僕

You, where the strange wind blows
You, with the secrets no one knows
You, you and I
You, you and I 

きみ 不思議な風が吹く場所で
きみ 誰も知らない秘密を抱えて
きみ きみと僕
きみ きみと僕


◆振り返ってみると、このアルバム"Tango In The Night"(1987)は、リンジーがかなりリーダーシップを取ったアルバムでした。前作"Mirage"(1982)から5年。その間には、リンジー、クリスティン、スティーヴィーも皆ソロアルバムを発表。特にスティーヴィーは2枚のアルバムを発表しセールスもよく、ソロ・アーティストとしての地位を確立していたと言えますね。

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 そんななか5年後に再会。今回もリンジー、クリスティン、スティーヴィーと新曲を持ち寄りそれぞれボーカルを取ってはいますが、全曲のサウンドアレンジを担当したのはリンジー。アルバムカバーにルソーの絵を使用するのもリンジーのアイデア。
 ここでリンジーは"フリートウッド・マック"というバンドを通じて彼の才能を最後に発揮して...一人脱退することになるんですよね。

 今回、そんなリンジーの心境を想像してみました。リンジーはもしかして何か曲に彼のメッセージを込めてはいないだろうか? 

 そこで僕としては、この"You and I,Part1"と"Part2"がラヴ・ソングの形を借りたリンジーのメッセージソングなのではないか?と考えてみました。

"You and I"の"You"は"複数形"であり、クリスティン、スティーヴィー、ジョン、ミックのマックのメンバー4人を指し、"I"はリンジー本人を指します。そう考えて、勝手訳をしてみました…。

【You and I,Part1&2】音時  勝手訳

きみたち 不思議な落ちてくる空の下で出会い
きみたち 決して死なない愛を持っている仲間
きみたち きみたちと僕
きみたち 僕らは一緒のバンドだ

きみたち 不思議な風が吹く場所で出会い
きみたち 誰も知らない秘密を抱えた
きみたち きみたちと僕
きみたち 僕らは一緒にバンドを組んできた

僕は目が覚めても
瞳は開けずに閉じたまま
"明日"なんて来ないで欲しい
それがきみたちと僕のため

ああ 幻影たちが
夜から這い出てくる
"夜明け"なんて来ないで欲しい
それがきみたちと僕のため

心は開いていよう
瞳は閉じたまま 何も見なくていい
何が起きても なるようになる

心が感じることが大事なんだ
目に見えることなんてどうでもいい
でも僕のことを忘れないで

目が覚めても
目に見えることなんて気にしないで
"明日"なんて来ないで欲しい
それが僕らのため

きみ(スティーヴィー)と僕のため
きみ(クリスティン)と僕のため
きみ(ジョン)と僕のため
きみ(ミック)と僕のため...

*Part2 の"Tommorow"及び"Daylight"ですが「バンドの解散」を指しているんじゃないか?という説もありますね。

そう思って歌詞を読むと…本当にそうなんじゃないかと思えてきます。そして彼らは目を開けてしまいました…。

 この曲がラストに収録されたアルバム「タンゴ・イン・ザ・ナイト」発表後まもなくして…リンジーはバンドを去っていきました...。

◆Fleetwood Macはその後もメンバーが脱退しては復活など繰り返しながら、2018年にはワールドツアーを計画しましたが、リンジーは都合が合わず脱退という形に…。

    リンジーは「解雇された」と訴訟を起こしましたが和解しました(-_-;)。
    現在、マックはニール・フィン(元クラウデッド・ハウス)、マイク・キャンベル(元トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)がメンバーに加わり、北米、ヨーロッパ・ツアーを実施…。(現在、コロナウイルスの関係で中断となっています)
 
MacTour2019


◆1970年のライブから。"Black Magic Woman "。はい、ドラムのミック・フリートウッドとベースのジョン・マクヴィの顔は見られますがこの頃はまったく別なバンドですね!ピーター、R.I.P…。