この曲は「アメリカ」のデビュー曲。
アメリカというグループ名ですが結成はロンドンなんですよ!(゚Д゚)ノエッソソウナノ?。
ジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、ダン・ピークの3人とも父親はロンドンに駐留するアメリカの軍人であり、アメリカンスクールでの仲間でした。
◆僕が好きなアメリカの曲、ヒット曲の多く(金色の髪の少女、アイ・ニード・ユー等々)はジェリー・ベックリーの作品なのですが、この曲はデューイの作で彼がリードを取ります。
デビューアルバムからのファーストシングルは当初はジェリー作の「I Need You」と考えていたようですが、最終的には、ほんの一瞬短い間でも住んだアメリカへの想いがインスピレーションとなったこの曲をシングルに選ばれたようですね。
◆"名前のない馬"(A Horse With No Name)って何だろう?どんな馬? どんなことを歌っているのだろう?
それでは原詞と日本語訳をお読みください…。
Songwriters: BUNNELL, DEWEY
lyrics c Warner/Chappell Music, Inc.
Released in 1972
US Billboard Hot100#1(3)
From The Album“America”
:原詞は太字
On the first part of the journey,
I was looking at all the life.
There were plants and birds.
and rocks and things,
There was sand and hills and rings.
旅の一番始まりのあたりじゃ
僕はいろんな人生を見つめていたんだ
植物や鳥たち
岩やいろんなもの
砂漠の砂や丘があり
それらは皆つながり廻り巡ってくんだ
The first thing I met, was a fly with a buzz,
And the sky, with no clouds.
The heat was hot, and the ground was dry,
But the air was full of sound.
最初に見たものは ブンブンと飛ぶ蠅だった
空は雲ひとつなく
気温は高くて 大地は干からびていた
でもまわりはいろんな音がしていたよ
I've been through the desert
on a horse with no name,
It felt good to be out of the rain.
In the desert you can remember your name,
'Cause there ain't no one for to give you no pain.
La, la, la la la la, la la la, la, la
La, la, la la la la, la la la, la, la
僕は砂漠を突っ切っていったんだ
名前のない馬に乗ってね
雨が降らないってのは気持ちいいよ
砂漠ではね 自分の名前を覚えておくといい
誰も君を苦しめるようなヤツはいないからね
La, la, la la la la, la la la, la, la
La, la, la la la la, la la la, la, la
After two days, in the desert sun,
My skin began to turn red.
After three days, in the desert fun,
I was looking at a river bed.
And the story it told, of a river that flowed,
Made me sad to think it was dead.
2日後のこと 砂漠の真っ赤な太陽
僕の肌も真っ赤に焼け始めてきたんだ
そして3日後 砂漠も楽しくなってきた
僕は川の底を見ていたんだ
かつては水で溢れていた川が
今では干乾びてしまったことを思うと
悲しくなってしまったよ
You see I've been through the desert
on a horse with no name,
It felt good to be out of the rain.
In the desert you can remember your name,
'Cause there ain't no one for to give you no pain.
La la, la, la la la la, la la la, la, la
La la, la, la la la la, la la la, la, la
僕は砂漠をずっと旅してきたんだ
名前のない馬に乗ってね
雨に当たらないってのは気持ちいいね
砂漠では自分の名前を覚えていられるよ
だって君を苦しめるようなヤツは誰もいないから
La, la, la la la la, la la la, la, la
La, la, la la la la, la la la, la, la
After nine days, I let the horse run free,
'Cause the desert had turned to sea.
There were plants and birds,
and rocks and things,
There was sand and hills and rings.
9日後のこと 僕は馬を放したんだ
だって砂漠は海に変わったから
植物や鳥たち
岩やいろんなもの
砂漠の砂や丘があり
それらは皆つながり廻り巡ってくんだ
The ocean is a desert,
with it's life underground,
And a perfect disguise above.
Under the cities
lies a heart made of ground,
But the humans will give no love.
海は砂漠のことさ
水面下に生命を宿しているんだ
表面だけじゃまったくわからないんだ
同じように都会だって
その心は大地からできているのさ
でも人間達は
都会に愛をもたらさないんだ
You see I've been through the desert
on a horse with no name,
It felt good to be out of the rain.
In the desert you can remember your name,
'Cause there ain't no one for to give you no pain.
僕は砂漠をずっと旅してきたんだ
名前のない馬に乗ってね
雨に当たらないってのは気持ちいいね
砂漠では自分の名前を覚えていられるよ
だって苦しめるようなヤツは誰もいないから
La la, la, la la la la, la la la, la, la
La la, la, la la la la, la la la, la, la
La la, la, la la la la, la la la, la, la
La la, la, la la la la, la la la, la, la
(Words and Idioms)
river bed=川底
日本語訳 by 音時
◆ 歌詞は見ていただく通り、砂漠を旅するなかで様々な生き物・無生物を見てきて生命の輪廻に気がついたんでしょうね。
海にも多くの生命があり、都会にも多くの生命がある。ただ、砂漠や海と違って?、都会には「愛」はない…。
この曲「A Horse With No Name」は最初は「Desert Song」というタイトルだったようです。
確かに「砂漠の歌」とするよりは、生命に思いを馳せるのが海や都会にも広がっていきますからね。そんななかで、「名前のない馬」というのはどんな種類の生き物なのかは問わない「生命の一つ」という意味なのかもしれません。
人間は名前を皆持ってるし、砂漠では忘れる必要はない。誰も傷つける人はいないんだから、自分自身ってことをしっかり認識していて構わないんだよ、ってそういうことなんだろうな。 色んなものに生かされている自分。まわりの生命も大切にしながら、自分自身を持って生きていければと思います…。
◆この曲がヒットしていた頃の全米ビルボード シングルチャートを見てみましょう。
US Top 40 Singles 25th March, 1972
ニールの「孤独の旅路」に代わって1位に。3週1位を続けた後、この週17位にジャンプアップしてきたロバ―タフラック「愛は面影の中に」が1位を6週間続けます。5位ポールサイモン「母と子の絆」、6位ニルソン、9位ブレッド「涙の想い出」…。
1 2 A HORSE WITH NO NAME –•– America
2 1 HEART OF GOLD –•– Neil Young
3 3 THE LION SLEEPS TONIGHT (Wimoweh) –•– Robert John
4 9 PUPPY LOVE –•– Donny Osmond
5 6 MOTHER AND CHILD REUNION –•– Paul Simon
6 4 WITHOUT YOU –•– Nilsson
7 8 THE WAY OF LOVE –•– Cher
8 11 JUNGLE FEVER –•– The Chakachas
9 5 EVERYTHING I OWN –•– Bread
10 14 I GOTCHA / A MOTHER’S PRAYER –•– Joe Tex
◆オハイオのヤングスタウンでの2012年のライヴです
(この記事は以下を参考にしました)
・Wikipedia America
・Wikipedia A Horse With No Name
・ビルボードナンバー1ヒット 1971-1985 音楽之友社
コメント
コメント一覧 (10)
音時
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久しぶりに「名前のない馬」を聴きました。リードボーカルのデューイの感性でしょうか。 不思議な世界観の曲です。
でも、この曲と「ひなぎくのジェーン」がきっかけでアメリカが好きになり、 LPレコードを6枚ほど購入することになったのです。
砂漠の中を馬に乗って行く歌詞なのは分かっていましたが…。どのようなメッセージの曲なのかは「謎」でした。
「自分自身を持って生きていけ」ばいい。 砂漠では誰も傷つける人はいない。
さすが、音時さん。 歌詞の主題が分かりました。 感謝です。
音時
がしました
音時
がしました
出だしの瞬間に大好きになってしまい、
勿論カセットにエアチェックしてよく聴いていました(^_^)
今でもウオークマンで聴いていますが、名曲ですよね。
でも、大人になって歌詞を噛み締めながら聴くと、
叙情的で哲学的で、ヒッピー的な感じが致します(^_^)
音時
がしました
そう比べると"A Horse With No Name"は地味な曲ですが、自然と人間と歴史と世界がグルグル回ってめまいがするような…名曲だったよなあ、と思います。
音時
がしました
その一方で、いたいた!8位のジャングル・フィーバーbyチャカチャス!
中学生には恥ずかしくて!こんなエロいの大丈夫?これは放送禁止だろ⁉︎
鶴光のオールナイトニッポンに良いかも。
ジョー・テックスのアイガッチャ! アルバム買っちゃいました。
買ってすぐに後悔したけど(笑)
もう一曲、原始穴居人(トラグロダイト)もひでぇ曲でした。
暇ならこの3曲聴いてみてください。最後まで聴けたらエライ。
音時
がしました
音時
がしました
初めて買った洋楽のシングル盤です。
当時小生、中学3年生でした。
70年代の洋楽聴きまくってました。オールジャパンポップス20というラジオ番組は良く聴いてました。特に70年代中頃が一番ピークでした。音時さんが活躍した他のアーティストのブログも楽しく拝見させてもらっています。
僕は、エルトン ジョンが一番今でもお気に入りですよ。勿論エルトンのブログも楽しく拝見させてもらってます。またどしどしエルトンのブログupお願いしますね。楽しみにしとります。
音時
がしました
似たような話かもしれませんが、ビルボードチャートがFMfanに掲載されており、そのために週刊FMから乗り換えました。週刊FMにもチャートが載ってましたが、確かRecord Worldのチャートだったと記憶してます。やはり全米トップ40で取り上げてるビルボードのチャートじゃないと、、、と思っていましたしね。
音時
がしました
ところで、この歌詞、ドラッグをやってトリップした歌詞だと誰かが言っていたのを覚えています。9日目、砂漠が海に変わってしまったので馬を放してしまったあたりのイメージの飛び方は幻覚っぽいなとも感じます。
音時
がしました