イーグルスの名曲「ならず者(Desperade)」...やっぱりコンセプトアルバムである「Desperade」の中の1曲でもあるので、単独での和訳は曲の主旨からどうしても少し外れてしまうのではないか…?と思っていました。和訳するなら、やはりアルバム「ならず者(Desperade)」から、この曲「Doolin-Dalton」、そして「Desperade」、最後に「Doolin-Dalton~Desperade(Reprise)」の3曲をセットにして…お届けしたいと思います…。

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◆バンドのセカンド・アルバムからすでに「コンセプト・アルバム」を作成・リリースしようというのですから、やっぱりたいしたグループだったんですね。19世紀に実在した無法者「ダルトン一家」をモチーフにアウトローたちの物語をアルバムの曲で綴ります。アウトローの生き方と自分達バンドの姿を重ね合わせたんでしょうかね。

当時のイーグルスはグレンとドン・ヘンリーに、バーニー・レドン、ランディ・マイズナーの4人組。でも、このアルバムの作成には、音楽仲間だったJ.D.サウザーとジャクソン・ブラウンも関わっています。この6人がギャングになりきって、映像を録り、アルバムのジャケット写真もなりきりで写っているのもなかなかの見ものです。


Desperade


Writer(s): Jackson Browne, J. D. Souther, Glenn Lewis Frey, Donald Hugh Henley 

Released in 1973
From The Album“Desperade

:原詞は太字

They were duelin'
Doolin-Dalton 
High or low, it was the same 
Easy money and faithless women 
Red-eye whiskey for the pain

その昔決闘があった 
ドゥーリン-ダルトン
いい時も悪いときも 同じことだった
楽に手にに入る金 すぐに裏切る女たち
痛みを和らげる 
いつものレッド-アイ・ウイスキー

Go down, Bill Dalton, 
it must be God's will, 
Two brothers lyin' dead in Coffeyville 
Two voices call to you from where they stood 
Lay down your law books now 
They're no damn good

降りていけ ビル・ダルトン
それが神の意志なんだ
コフィヴィルに死んで横たわる2人の兄弟
2人の声がかつていた場所から
おまえに呼びかける
もう法律の本なんて置いていけ
なんの役にも立たないからな

Better keep on movin'
Doolin-Dalton 
'Til your shadow sets you free 
If you're fast, and if you're lucky 
You will never see that hangin' tree 

進み続けるがいい
ドゥーリン=ダルトン
影がおまえ達を解き放つまで
おまえ達の銃が早くて 運がよかったら
首を吊られることは決してないだろう

Well, 
The towns lay out across the dusty plains 
Like graveyards filled with tombstones, 
waitin' for the names 

And a man could use his back, 
or use his brains 
But some just went stir crazy, Lord, 
'cause nothin' ever changed 
'Til Bill Doolin met Bill Dalton 

ああ 
埃っぽい平野に整然と並んだ町は
墓石でいっぱいの墓場みたいだ
名前が刻まれるのを待ってるのさ

後ろ盾を利用できるヤツや
自分の頭を使うヤツもいた
牢屋にぶち込まれて
おかしくなっちまったヤツらもいたよ
何も変わりやしなかったのさ
ビル・ドゥーリンが
ビル・ダルトンに会うまでは…

He was workin' cheap, 
just bidin' time 
Then he laughed 
and said"I'm goin," 

And so he left that peaceful life behind 
Mm... 

安い賃金で働いて
ただ時が来るのを待ってたんだ
それからヤツは笑って言ったんだ
"俺は行くよ"ってな

そして
ヤツは平和な暮らしを後にして…


(Words and Idioms)
dueling=決闘、果たし合い 
easy money=楽に手に入る金、あぶく銭
graveyard=墓所,墓地.
go stir-crazy=〈俗〉同じ所に閉じ込められて気が変になる 
bide ones time=好機を待つ、時節を待つ

日本語訳 by 音時


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◆さて、アルバムのオープニングを飾る"ドゥーリン- ダルトン"ですが、この物語の主人公は、「ビル・ドゥーリン」と「ビル・ダルトン」の2名。物語は、この2人の出会いから始まります。

歌詞のなかに出てくる"Two brothers lyin' dead in Coffeyville"という箇所ですが、ビル・ダルトンには「ボブ」「グラット」という兄貴がいて、兄貴たちは「ダルトン・ギャング」を結成して、カンサス州のコフィヴィルの銀行を襲って失敗。兄2人を含む、4人のギャングが銃に撃たれて死亡。その4人の横たわる写真がこちらです。

末弟ビルはこの事件の復讐のためにギャングになることを決意し、ビル・ドゥーリンと共に、「ドゥーリン=ダルトン・ギャング」を結成します。

「ドゥーリン-ダルトン」…法律の本などもう役に立たない、銃が早くて運が良ければ生きていけるんだ…2人は平和な暮らしに別れを告げます…。

これが"Desperade"の物語のオープニングになります。

◆ところで余談になるのですが、コフィヴィルでギャング達はみな銃に倒れたのかと思っていたら、兄弟の生き残りがいたそうです。エメット・ダルトンは生き残り、その後、刑務所で15年感過ごしたあと恩赦を受けて自由の身になります。そして、出所した後は、若者の非行防止のために尽力し、エメットはダルトン強盗団についての本を書き、それが映画になりました。そして、自ら主役を演じて、無法者になることの愚かさを伝えようとしたといいます…。

◆"Red Eye Whiskey"について

「レッド・アイ・ウイスキー」ですが、ピルスナービールをトマトジュースで割る、カクテルの「Red Eye」とは違うようですね。西部開拓時代には「Red Eye Whiskey」がバーで出されていて、カウボーイ達から人気だったらしいです。ショットで飲む人が多かったため、飲んだ翌朝、目が赤くなるから…という話です。




◆アルバムB面に収録されていた"Doolin-Dolton(Instrumental)"。バンジョー主体のカントリーソングです。