この曲"ゲッチャ・バック"は1980年代に発表された作品のなかで、最も"ビーチ・ボーイズ"っぽい(!)代表曲ですね!

◆1985年に発表されたアルバム「The Beach Boys」。彼らは1983年の暮れに、ウィルソン兄弟の2番め、ドラムのデニスを不幸にも失ってしまいました(海で水死。享年39歳…)が、デニスの死が彼らを再度結束させアルバムを発表する意欲につながったようです。
自分達バンドの名前をそのままアルバム名にし、バンドが「健在」であることを示してくれたことからもその意思が伝わってきますね。
邦題は「ザ・ビーチ・ボーイズ '85」。リリース年がタイトルについてます。

◆アルバム「The Beach Boys」で所謂"ビーチ・ボーイズらしい曲"はやはり"Getcha Back"。そのほかの曲は…「…っぽくない!」という評価です。
確かにメンバーの曲の創造性も高い状態にはなかったようです。ブライアンの曲、またブルース・ジョンストンの曲も…ちょっとピンと来るものは僕にはありませんでした。

 バンドも悩んで外部プロデューサーの起用をしています。アルバムはカルチャー・クラブなどを手掛けたSteve Levineを起用。またこの曲"Getcha Back"は、マイクと"Terry Melcher"との共作。Terryは米のミュージシャン・レコードプロデューサーで、バーズの「Mr.タンブリンマン」「ターン・ターン・ターン」などを手掛けた実績がある人物です。彼はこの後もバンドと関わり、1988年の全米No1ヒット"Kokomo"も彼も共作します。

*************

Writer(s) Mike Love, Terry Melcher 

Released in 1985
US Billboard Hot100#28
From The Album"The Beach Boys"(amazon.co.jp
国内盤シングルジャケット:こちらです

:原詞は太字

Bow bow bow bow oop
Ahh ooo oohh waaa oooo

Bow bow bow bow oop
Ahh ooo oohh waaa oooo

The other night 
they were playing our song
Hadn't heard it for oh so long

Took me back darlin' 
to that time in my car
When you cried all night 
cause we'd gone too far

この間の夜
バンドが演奏してたのは僕らの思い出の曲
だいぶ長い間 聴いていなかったけど…

車のなかで過ごした時を
想い出したよ ダーリン
きみが一晩中泣いていた
なぜって僕らは深い仲だったから…

Can I ever getcha back
Getcha back baby
Gonna getcha back getcha back
Getcha back getcha back baby
Gonna getcha back getcha back
Can I ever getcha back

きみを取り戻せないのか
取り戻したいんだ ベイビー
きみを取り戻したいよ
戻ってきてよ ベイビー
きみを僕の手のなかに
きみをいつか取り戻したい

I'm getting tired 
laying around here at night
Thinkin' 'bout some other guy 
holding you tight

もう疲れてしまったよ
夜ここで 寝転がって過ごすのは
誰か別な男がきみを
抱きしめてることを考えたりして…

He may have money 
and a brand new car
May even treat you 
like a movie star

そいつは金持ちで
ブランドものの新車を持ってるかもね
きみを もてなすかもしれない
まるで映画スターのように

And no matter what he ever do for you
He can never love you like I can do
So if I leave her 
and you leave him
Can we ever get it back again

でもそいつがきみに何をしようと
僕のようにはきみを愛せない
だから僕があの娘と別れて
きみがアイツと別れたら
僕たちいつかまた やり直そうよ

Getcha back getcha back baby
Gonna getcha back getcha back
Getcha back getcha back baby
Gonna getcha back getcha back
Can I ever getcha back

きみを取り戻さなきゃ ベイビー
取り戻したいのさ
きみを取り戻したい ベイビー
取り戻したいんだ
いつかきみを取り戻せるかな

Bow bow bow oop

Bow bow bow oop

(Getcha back) I'll leave her
(Getcha back) and you leave him
(Getcha back) can we baby
(Getcha back) get it back again

(やり直そう)僕はあの娘と別れるよ
(取り戻すよ)きみもアイツと別れてよ
(やり直そう)ベイビー 僕たち
(取り戻すよ)もう一度やり直そう

(Getcha back) I'll leave her
(Getcha back) and you leave him
(Getcha back) can we baby
(Getcha back) get it back again

(やり直そう)僕はあの娘と別れるよ
(取り戻すよ)きみもアイツと別れてよ
(やり直そう)ベイビー 僕たち
(取り戻すよ)もう一度やり直そう

(Getcha back) I'll leave her
(Getcha back) and you leave him

(やり直そう)僕はあの娘と別れるよ
(取り戻すよ)きみもアイツと別れてよ

(Words and Idioms)
getcha back=get you back=きみを取り戻す
go too far=深入りする, 過激に走る 

日本語訳 by 音時

*************

◆"Getcha Back"は"カエル声"のマイクの声色がぴったり。コーラスはブライアンが務めています。

"Getcha Back"=Get you back、ですね。

和訳ですが、最初に「僕らの曲をバンドが演ってたね。長いこと聴いてなかったけど…」という最初の歌詞は、ファンの皆さんへのしばらくぶりという挨拶ですね。ただ…主人公の独善的な性格。"僕は彼女と別れるし、きみもアイツと別れてよ"というあまりにも勝手な理屈。きっとうまくいかないに違いない…(-_-メ)


◆"ゲッチャ・バック"が最高位26位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending June 29, 1985

ブライアン・アダムス「Heaven」が1位。翌週には2位からフィル"ス、ス、スーディオ"が1位に。さらに次の週はデュラン×2「007 美しき野獣たち」が首位に立ちます。6位のサバイバー"The Search Is Over"、大好きです。

-1 1 HEAVEN -Bryan Adams
-2 2 SUSSUDIO - Phil Collins
-3 5 A VIEW TO A KILL - Duran Duran
-4 4 RASPBERRY BERET - Prince & The Revolution
-5 6 ANGEL - Madonna

-6 10 THE SEARCH IS OVER - Survivor
-7 3 EVERYBODY WANTS TO RULE THE WORLD - Tears For Fears
-8 14 WOULD I LIE TO YOU? - Eurythmics
-9 8 THINGS CAN ONLY GET BETTER - Howard Jones
10 7 IN MY HOUSE - Mary Jane Girls

26 28 GETCHA BACK - The Beach Boys


◆この曲のPVですね。



◆同アルバムより。"It's Getting Late"。ボーカルを取るのはカール・ウィルソン。ビデオのカップルは"Getcha Back"に引き続いて出演です…!最後に出てきて貝殻を拾うのは誰…?そして耳に当てると流れてくる曲は…?



◆この曲のメロディとコーラスも甘酸っぱく心に響きます。聴きたくなりますね。"Don't Worry Baby"です。