ジョージのソロ・アルバムのタイトルは「Faith」となりましたが、製作中の仮タイトルは「Kissing a fool」だったと言います。最終的に「Faith」と名付けられたアルバムを聴いて、ジョージは「信念を持って」音楽をやっていくんだな...というメッセージを勝手に?受けとっていましたが、もしこれが「Kissing a fool」のままだったら...だいぶ印象が変わっていたかもしれません。
◆このボサノバ的なゆっくりとしたなか、噛みしめるように歌っていく歌詞、最後に「きみがキスしていたヤツは、大馬鹿者だったんい違いない」と、自嘲しています。人々の誤解もしくは明確な意図を持った攻撃、いずれにしても、主人公とその相手の方は、そうしたなかで心が傷ついていき、人間関係を懐疑的に感じてしまったようです。
これがジョージの体験談とするならば、相当ツラい想いを心のなかでしていたんだろうなあということがわかります。
でもアルバムのタイトルは「Faith」となり、前向きなメッセージをファンにくれたんだな、って思うと...あらためてその気持ちを嬉しく思います。バラエティな曲であふれ、才能をおおいに発揮させたアルバム「Faith」を通して聴くと...やはりこの曲の余韻が残ります。
ジョージ、ありがとう...。R.I.P…。
◆アルバム「Faith」のエンディングを飾っていた哀愁たっぷりのナンバー"Kissing a fool"。
全米シングルチャートで5位というのは立派な成績ではありますが、1つのアルバムからのシングルでの連続No1記録が4曲で途切れてしまったのはちょっと残念な想いもしましたね。
(1987)
I Want your Sex(最高位2位)
Faith (4週間No1)
(1988)
Father Figure(2週間No1)
One More Try(3週間No1)
Monkey(2週間No1)
(George Michael)
Released in 1987
US Billboard Hot100#5
From The Album“Faith”
:原詞の引用は太字
You are far
When I could have been your star
You listened to people
Who scared you to death and from my heart
Strange that you were strong enough
To even make a start
But you'll never find peace of mind
'Til you listen to your heart
きみの心は遠い
僕はきみのスターになれたはずなのに
きみは他人の話を聞いて
とても怖がり僕の心から離れてしまった
おかしいね きみはそれでも
やり直せるほど強かったんだね
でもきみは
心が安らぐことなんてできやしない
自分の本当の心に耳を傾けない限り
People
You can never change the way they feel
Better let them do just what they will
For they will
If you let them steal your heart from you
あのひとたち
ひとの感じ方なんて絶対に変えられないんだ
やりたいようにさせておけよ
だってきみがそうさせようとすれば
ヤツらはきみの心を盗もうとするんだから
People
Will always make a lover feel a fool
But you knew I loved you
We could have shown them all
We should have seen love through
人々はいつだって
恋してる人間を愚かな気持ちにさせる
僕がきみを愛してたことを知ってるよね
ヤツらに見せつけてやれたのに
僕たちは愛ってものを見抜くべきだったよ
Fooled me with the tears in your eyes
Covered me with kisses and lies
So goodbye
But please don't take my heart
きみは瞳に涙をいっぱいためて
僕をもてあそび
キスと嘘で僕をいっぱいにしたんだ
だから サヨナラさ
お願いだから 僕の心だけは奪わないでくれ
You are far
I'm never gonna be your star
I'll pick up the pieces and mend my heart
Maybe I'll be strong enough
I don't know where to start
But I'll never find peace of mind
While I listen to my heart
きみは遥か遠く
僕はきみのスターにはならないよ
壊れた欠片を拾い集めて心を癒すとするさ
どこでやり直せるか わからないけど
たぶん
それくらいの力は残ってるかもしれない
でも心が安らぐことなんてないだろうね
本当の心に耳を傾けない限り
People
You can never change the way they feel
Better let them do just what they will
For they will
If you let them steal your heart from you
People
Will always make a lover feel a fool
But you knew I loved you
We could have shown them all
We should have seen love through
アイツらは
他の人の感じ方なんて変えられないんだ
やりたいようにさせておけよ
だって ヤツらはそうする
心を許せば人の心を盗もうとするんだ
人々はいつだって
恋してる人間を愚かな気持ちにさせる
僕がきみを愛してたことを知ってるよね
ヤツらに見せつけてやれたのに
僕たちは愛ってものを見抜くべきだったよ
Ba da da ah ah ah
But remember this
Every other kiss
That you ever give
Long as we both live
When you need the hand of another man
One you really can surrender with
I will wait for you like I always do
There's something there
That can't compare with any other
でもこのことは忘れないで
僕たち二人が生きていくなかで
他のひととキスをするたびに
誰かの手の温もりがほしくて
心を投げ出すことのできる相手が必要なら
僕がきみを待っている いつもしてるように
僕にだって特別なものがあるんだ
他の誰にも比べられないものが
You are far
When I could have been your star
You listened to people
Who scared you to death and from my heart
Strange that I was wrong enough
To think you'd love me too
Guess you were kissing a fool
You must have been kissing a fool
きみの心が遠い
僕はきみのスターになれたはずなのに
きみは人の話を聞いてしまった
きみを死ぬほど脅かして
僕から引き離そうとするヤツらの話に
おかしいね
それでもきみが僕を愛してくれてるって
そう思っちゃうなんてさ
きみがキスしてたのは愚か者だったんだ
そう
きみがキスしてたのは
大馬鹿者だったに違いないのさ
日本語訳 by 音時
コメント
コメント一覧 (2)
記事にも書きましたが、アルバムのタイトルを“kissing a fool“か“faith“か迷った末に“faith“にしたとのこと。
天国に行ってからもあれこれ言われたジョージですが、彼が“faith“を持って生きていこうとしていた姿を忘れないようにしたいと思います。
音時
が
しました
2016年12月25日の朝、ジョージ・マイケルが亡くなったのでしたね。
いろいろあったけど‥。ジョージがゲイであるとカミングアウトしたことは、世界の LGBT層に勇気を与えたと思います。
『フェイス』から全米1位が4曲ですか!! この一世を風靡したアルバムの中で、一番好きな曲です。
音時
が
しました