この曲「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」はアルバム「アビィ・ロード」から。ジョージの「サムシング」でうっとりしたところに、いきなりポールのボーカルが入り、なんだか楽しい曲が始まりますね!

◆ん?あれ?この曲って映画「イエスタディ」で特に歌われなかったんじゃない? そうなんです。
でも、この曲についてちょっと触れられるのですよ。ビートルズファンの方はきっとわかりましたよね。主人公ジャックがふとしたことから、ビートルズのこの曲を想い出すのです!
(映画で楽曲が使われていないので、この曲の紹介画像はアビィ・ロードのジャケットにします)

◆作者クレジットは(Lennon/McCartney)であっても、ほとんど作成はポール。曲の構想やアイデア、サウンドもポールの独壇場だったようです。でもメンバー達もノリノリでコーラスや打楽器バン!バン!で参加してるのでしょう...と思いきや、ジョンがこんなこと言っていましたよ。

この曲はポール。ぼくは嫌いだ。覚えているのはレコーディングだけ。彼はぼくらに100万回もくりかえさせた。彼はこの曲をシングルにしようとできるかぎりのことをしたが、結局だめだった。もともと無理な話なんだ。ぼくらは、アルバム中のどの曲よりも多くのお金と時間を費やした。(「ジョン・レノンPLAYBOY Interview」 集英社P.164)

◆ん、まあ、そうだったようですね。しかし、この曲はとっても「問題作」。楽しそうなサウンドと相反してその内容は...以下の通りであります(^▽^;)。

original_441


(Lennon / McCartney)

Released in 1969
From The Album“Abbey Road”

:原詞は太字

Joan was quizzical,
Studied pataphysical science in the home.
Late nights all alone with a testtube,
Oh, oh, oh, oh.

Maxwell Edison,
Majoring in medicine,
Calls her on the phone
"Can I take you out to the pictures, Joan?"

ジョアンは変わった学生
自宅で空想科学を勉強してた
試験管を持って 夜遅く ひとりきりでね

マックスウェル・エジソンは医学を専攻
彼女に電話をかけるんだ
"映画を観に行かないかい、ジョアン?"

But as she's getting ready to go,
A knock comes on the door.


でも彼女がそうして出かけようとすると
ドアをノックする音がする

Bang! Bang!
Maxwell's silver hammer came down upon her head.
Clang! Clang!
Maxwell's silver hammer made sure that she was dead.


バン!バン!
マックスウェルの銀のハンマーが
彼女の頭に振り下ろされた
カン!カン!
マックスウェルの銀のハンマーが
彼女の息の根を完全に止めたのさ
 

Back in school again,
Maxwell plays the fool again,
Teacher gets annoyed.
Wishing to avoid an unpleasant scene.

She tells Max to stay
When the class has gone away.
So he waits behind
Writing fifty times "I must not be so."

学校にふたたび戻ると
マックスウェルはまた馬鹿をやり
先生をイラつかせるのさ
不快な場面はできれば避けたいものだからね

先生はマックスに
クラスみんなが下校しても残るように言った
そして彼は居残り50回も
「もうしません」と書かされたのさ

But when she turns her back on the boy,
He creeps up from behind.

でも先生がマックスから背を向けると
後ろからヤツは忍び寄ったんだ

Bang! Bang!
Maxwell's silver hammer came down upon her head.
Clang! Clang!
Maxwell's silver hammer made sure that she was dead.

バン!バン!
マックスウェルの銀のハンマーが
彼女の頭に振り下ろされた
カン!カン!
マックスウェルの銀のハンマーが
彼女の息の根を完全に止めたのさ
 
 
P. C. Thirtyone said,
"We've caught a dirty one,"
Maxwell stands alone.
Painting testimonial pictures,
Oh, oh, oh, oh. 

Rose and Valerie
Screaming from the gallery
say he must go free.
The judge does not agree
And he tells them so.

31番のパトカーに乗る巡査が発言した
「我々はひどいヤツを捕まえました」
マックスウェルは被告席で立ちあがり
詳細な証言を始めたんだ

ローズとヴァレリーが
傍聴者席から叫ぶ
"彼は無罪よ"ってね
裁判官は同意せず
彼女たちに伝えようとしたところ
 
But as the words are leaving his lips,
A noise comes from behind.


でも彼がそう言おうとしたまさにそのとき
背後から物音がしたのさ

Bang! Bang!
Maxwell's silver hammer came down upon his head.
Clang! Clang!
Maxwell's silver hammer made sure that he was dead.


バン!バン!
マックスウェルの銀のハンマーが
彼の頭に振り下ろされた
カン!カン!
マックスウェルの銀のハンマーが
彼の息の根を完全に止めたのさ

Silver hammer man
銀のハンマーの男の話だよ...

(Words and Idioms)
quizzical=疑わしげな 奇妙な、変な
pataphysical=パタフィジック(形而超学、空想科学)
make sure=(…を)確かめる,確かめる
get annoyed=イライラする、イラっとする、不愉快に思う
P.C.31=Police Car 31=ポリス・カー31番
paint a picture =実態を表す、詳細を説明する
testimonial=証言の、証言に関する

日本語訳 by 音時

abBeatls

◆はい、もう「連続◎人犯」の物語、なんですね(^▽^;)。でも僕は若いときこの歌詞を知って2つの疑問が。
 その1、彼は医学を学ぶ医学生じゃないの?それなのに、学校でバカなことをして先生に「もうしません」と50回も書かせられるって小学生扱い。なぜ?
 その2、法廷で裁かれてる際に、自分に不利な判決が下されようとしたと、また銀のハンマーを取り出して...いったいどこに隠し持っていたのか?

 「あのね、ポールの創作だからさ。いいんじゃないかな」
 「...そうですね(-_-;)」


◆この曲については沢山のひとがアニメーションをYoutubeに挙げたりしていますよね。
こちらも可愛いアニメであるけど...。




(PS)この曲のカテゴリ「人の名前が入る歌」「色の名前が入る歌」「物語のある歌」「ムムっ問題作」のどれにしようかなあと思い、2つ選びました。