デビュー以降、3曲連続の全米No1を放ったジャクソン5の4曲目は、一転してバラードでした。

◆"I Want You Back(帰ってほしいの)"~"ABC"~"The Love You Save(小さな体験)"というアップテンポの3曲で全米No1を出したジャクソン5。彼らがバラード曲を出すことは、モータウンのベリー・ゴーディ・ジュニアは反対だったようです。

 一方、プロデューサーのハル・デイヴィスは友人のボブ・ウェストの書いたバラードの自然で美しいメロディがまれにみる素晴らしい曲だったことから"I'll Be There"をなんとしてもシングルにしたいと主張しました。インストゥルメンタルを録音してゴーディを説得。ゴーディも納得したことからハル・ディヴィスは自ら歌詞を書いて完成させたようです。

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 やっぱり、この読みは見事的中しましましたね。"I'll Be There"は、マイケルのボーイソプラノの伸びがすごく心地よいバラードとなり大ヒットとなりました。…そしてジャクソン5の最後の全米No1ヒットともなりました。

(Berry Gordy, Jr., Bob West, Hal Davis, Willie Hutch)

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Released in 1970
US Billboard Hot100#1(5)
From The Album"Third Album"

:原詞は太字

You and I must make a pact,
We must bring salvation back
Where there is love
I'll be there


きみと僕 約束しよう
僕ら 助け合う気持ちを取り戻すんだ
そこに愛があるならば
僕はそこに駆けつける

I'll reach out my hand to you
I'll have faith in all you do
Just call my name
and I'll be there


僕はきみに手を差し出すよ
きみのすることはすべて信じるんだ
僕の名前を呼ぶだけでいいのさ
そしたら僕はそこに駆けつける

I'll be there to comfort you,
Build my world of dreams around you
I'm so glad that I found you
I'll be there with a love that's strong
I'll be your strength
I'll keep holding on
- yes I will, yes I will


僕はそこに行く きみの気持ちを和らげに
きみのまわりに夢の世界を築くんだ
きみと出会えたことにとても感謝してる
強い愛を持って駆けつけるよ
僕はきみの力となろう
そうあり続けるんだ
そうさ そうするよ そうするんだよ

Let me fill your heart with joy and laughter
Togetherness, well that's all I'm after
Whenever you need me
I'll be there

I'll be there to protect you,
with an unselfish love I respect you
Just call my name and I'll be there


きみの心を喜びと笑顔でいっぱいにさせて
二人でいること それが僕の望むことすべて
きみが僕を必要とするならいつだって
僕はそこに駆けつける

きみを守るために僕はそこに飛んでいく
利己的じゃない愛 で僕はきみを気遣うんだ
僕の名前を呼べばいい
きみのもとに行くからね

I'll be there to comfort you,
Build my world of dreams around you
I'm so glad that I found you
I'll be there with a love that's strong
I'll be your strength
I'll keep holding on
- yes I will, yes I will


僕はそこに行く きみの気持ちを和らげに
きみのまわりに夢の世界を築くんだ
きみと出会えたことにとても感謝してる
強い愛を持って駆けつけるんだ
僕はきみの力となろう
そうあり続けるんだ
そうさ そうするよ そうするんだよ

If you should ever find someone new
I know he'd better be good to you
'Cos if he doesn't
I'll be there


もしもきみが誰か新しい他の人と出会うなら
その人は僕よりステキじゃないとだめさ
でももしそうじゃないならば
僕はきみのもとにいるよ

Don't you know, baby, yeah yeah
I'll be there
I'll be there
just call my name, I'll be there


気づいてるかい ベイビー
僕がそこに駆けつける
僕がきみの元にいるんだよ
名前を呼んでくれるだけでいい
僕がそこに行くからね

(Just look over your shoulders, honey - ooh)

(ねえ 振り返って思い出してよ)

I'll be there
I'll be there
Whenever you need me
I'll be there
Don't you know, baby, yeah yeah

僕がそこに行く
僕がそこにいる
きみが僕を必要とするならいつだって
僕がそこに駆けつける
わかるかい ベイビー…

(Words and Idioms)
make a pact=約束する、誓いを立てる
salvation=救済,救助.
unselfish=利己的でない

日本語訳 by 音時

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◆"献身的な愛"…歌詞で使われてる言葉でいえば"an unselfish love"ですね。主人公は相手のことを思いやり、相手が望むようにしてあげたいと願います。

幼いマイケルがボーカルだから、ということもあるのでしょうか。

If you should ever find someone new
I know he'd better be good to you

という歌詞。

二人はまだ幼いから、これから様々な出会いもあるでしょう。素敵な人とめぐりあえることがあるかもしれない。もしそんなことがあったら、きっとその人は(僕よりも)ふさわしい人じゃなくちゃね…、大人の恋愛だったからこんなこと言いませんよね。

 「だけど (僕よりきみにふさわしい)人なんていないから 僕はそこに駈けつける」

そう言い切るマイケルは声は幼くても、とてもカッコいいですね!

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◆"I'll Be There"が1位を記録した週の全米チャートです。
 US Top 40 Singles Week Ending 17th October, 1970

ジャクソン5がニールに代わって首位に。5週間のNo1になります。5位はカーペンターズ「愛のプレリュード」。7位ダイアナはダウン。10位ジェイムズ・テイラー。時代を語ります"Fire And Rain".

-1 2  I’LL BE THERE –•– Jackson 5
-2 1  CRACKLIN’ ROSIE –•– Neil Diamond
-3 8 GREEN-EYED LADY –•– Sugarloaf
-4 5 ALL RIGHT NOW –•– Free
-5 9 WE’VE ONLY JUST BEGUN –•– The Carpenters

-6 3 CANDIDA –•– Dawn
-7 4 AIN’T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH –•– Diana Ross
-8 7 LOOKIN’ OUT MY BACK DOOR–•– CCR
-9 6 JULIE, DO YA LOVE ME –•– Bobby Sherman
10 17 FIRE AND RAIN –•– James Taylor

◆名曲は時代を越えて支持されます。マライア・キャリーがカバーした"I'll Be There"も全米1位になってます。
US Top 40 Singles For The Week Ending June 20, 1992

1週だけでしたがマライアが1位に。クリス・クロスの"Jump"とSir Mix-A-Lotの"Baby Got Back"などヒップホップ系の1位にうんざりしていたので、"マライア、エラい!"と思ったものでした。

-1 2 I’LL BE THERE –•– Mariah Carey
-2 4 BABY GOT BACK –•– Sir Mix-A-Lot
-3 1 JUMP –•– Kris Kross
-4 3 UNDER THE BRIDGE –•– Red Hot Chili Peppers
-5 5 MY LOVIN’ (YOU’RE NEVER GONNA GET IT) –•– En Vogue

-6 6 DAMN I WISH I WAS YOUR LOVER –•– Sophie B. Hawkins
-7 8 IF YOU ASKED ME TO –•– Celine Dion
-8 12 ACHY BREAKY HEART –•– Billy Ray Cyrus
-9 11 TENNESSEE –•– Arrested Development
10 10 THE BEST THINGS IN LIFE ARE FREE –•– Luther Vandross & Janet Jackson

◆1971年のダイアナ・ロスTVスペシャルから。"I'll Be There"~"Feelin' Alright "



◆マイケルとジャクソン5のオフステージの写真などがたくさん出てきます。

 


◆マライアの歌う"I'll Be There".1992年に「MTV Unplugged」ヴァージョンで全米1位になりました。