エルトン・ジョンの半生を描いた映画「ロケット・マン」が全米で5月31日に公開となります!
(日本では8月23日公開予定)
クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」との大きな違いは「ボヘミアン・ラプソディ」ではラミ・マレックがクイーンの楽曲に合わせてリップ・シンクをしていましたが、「ロケットマン」では主演のタロン・エガートンが、すべてのエルトンの曲を自ら歌っています。「この作品はミュージカルなんだ」と紹介しているようですね!
エルトンブームも来るかなあ?今から見るのが楽しみであります。

エルトン・ジョン伝記映画、制作陣、本人が語る『ロケットマン』にかける思い(Rolling Stone)
(日本では8月23日公開予定)
クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」との大きな違いは「ボヘミアン・ラプソディ」ではラミ・マレックがクイーンの楽曲に合わせてリップ・シンクをしていましたが、「ロケットマン」では主演のタロン・エガートンが、すべてのエルトンの曲を自ら歌っています。「この作品はミュージカルなんだ」と紹介しているようですね!
エルトンブームも来るかなあ?今から見るのが楽しみであります。

エルトン・ジョン伝記映画、制作陣、本人が語る『ロケットマン』にかける思い(Rolling Stone)
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こちらはエルトンがYoutubeと組んでMVのコンテストを行い、採用された作品。(amass.jp)
◆さて、映画のタイトルにもなっている「ロケット・マン」。この曲は1972発表のアルバム「ホンキー・シャトー」のA面ラストを飾った曲。
「ホンキー・シャトー」はエルトン初の全米アルバムチャートNo1(5週連続)を獲得し、エルトンの人気を決定的にした作品といえるでしょう。「ロケット・マン」も全英では初めてのトップ3ヒットとなっています。
当時の状況や受け止めの詳しいことはわかりませんが、宇宙飛行士を歌った曲だと、故ボウイが1969年に"Space Oddity"で宇宙飛行士のロケット打ち上げから宇宙での視点を歌いましたが、エルトンの"ロケット・マン"は"ふつうの人"が宇宙飛行士になってるんだと言うことを改めて認識できるような歌でしたね。

◆全盛期のエルトンを支えたプロデューサーである"ガス・ダッジョン"の1997年7月のインタビューでは、ガス・ダッジョンが「ベストだと思うエルトンのナンバーを5つ挙げてください」という問いに対して、「僕を救ったプリマドンナ(Someone Saved my life tonight)」「僕の歌は君の歌(Your Song)」「リーヴォンの生涯(Levon)」「僕の瞳に小さな太陽(Don't Let The Sun Go Down On Me)」に続いて、「ロケット・マン」も挙がっていました。
この曲"ロケット・マン"の発表のあと1973年にエルトンは自身のレコードレーベルを設立しますが、"ロケット・レコード"と名付けるほどですから、エルトンにとってもこの曲は印象深いのでしょう。それではまず歌詞と日本語訳です。
この曲"ロケット・マン"の発表のあと1973年にエルトンは自身のレコードレーベルを設立しますが、"ロケット・レコード"と名付けるほどですから、エルトンにとってもこの曲は印象深いのでしょう。それではまず歌詞と日本語訳です。
Song Title:「Rocket Man」
Artist:Elton John

Songwriters JOHN, ELTON / TAUPIN, BERNARD J.P.
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Released in 1972
US Billboard Hot100#6
From The Album"Honky Chateau"
:原詞は太字
She packed my bags last night,Pre flight
Zero hour nine a.m.
And I'm gonna be high,
as a kite by then
旅立つ僕に昨日 妻が荷造りをしてくれた
出発は午前9時
その頃 僕は高いところに旅出っていく
凧みたいにね...
出発は午前9時
その頃 僕は高いところに旅出っていく
凧みたいにね...
I miss the earth so much, I miss my wife
It's lonely out in space
On such a timeless flight
It's lonely out in space
On such a timeless flight
地球をすごく恋しく思ってる そして妻も...
宇宙空間は淋しい場所だ
時の流れさえわからない旅...
宇宙空間は淋しい場所だ
時の流れさえわからない旅...
And I think it's gonna be a long long time
Till touch down
Brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Oh no, no, no, I'm a rocket man
Rocket man
burning out his fuse up here alone
Rocket man
burning out his fuse up here alone
思うんだ
地上に戻るのには長い長い時間になるよ
再び一周回るようになればわかるだろう
僕が家にいるときとは違う男なんだって
地上に戻るのには長い長い時間になるよ
再び一周回るようになればわかるだろう
僕が家にいるときとは違う男なんだって
そう違うんだ 僕はロケット飛行士
僕はロケット・マン
宇宙で一人ぼっちで燃料を使い果たしちゃうのさ
僕はロケット・マン
宇宙で一人ぼっちで燃料を使い果たしちゃうのさ
And I think it's gonna be a long long time
Till touch down
Brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Till touch down
Brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Oh no, no, no, I'm a rocket man
Rocket man
burning out his fuse up here alone
Rocket man
burning out his fuse up here alone
そう僕は思う
地上に戻るのに長い長い時間になるよ
再び一周回るようになればわかるだろう
僕が家にいるときとは違う男なんだって
地上に戻るのに長い長い時間になるよ
再び一周回るようになればわかるだろう
僕が家にいるときとは違う男なんだって
違う 違う 僕はロケット飛行士
僕はロケット・マン
宇宙で一人ぼっち 燃え尽きてしまう男なのさ...
僕はロケット・マン
宇宙で一人ぼっち 燃え尽きてしまう男なのさ...
Mars ain't the kind of place to raise your kids
In fact it's cold as Hell
And there's no one there to raise them
if you did
In fact it's cold as Hell
And there's no one there to raise them
if you did
火星は子どもを育てるような場所じゃない
実のところ 地獄のように寒い場所さ
そんなことする人はここには誰もいない
もしそうしたとしても...
実のところ 地獄のように寒い場所さ
そんなことする人はここには誰もいない
もしそうしたとしても...
And all this science
I don't understand
It's just my job,
Five days a week
A rocket man,
A rocket man
I don't understand
It's just my job,
Five days a week
A rocket man,
A rocket man
たかがこんな科学技術さ
ちっともわからないよ
ただの仕事さ
週5日間働くだけだ
ロケット飛行士
ロケットを仕事にしてるお父さんさ
And I think it's gonna be a long long time
Till touch down brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Till touch down brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Oh no, no, no, I'm a rocket man
Rocket man
burning out his fuse up here alone
Rocket man
burning out his fuse up here alone
地上に降り立つまで
長い 長い時間になるだろう
また宇宙を周ったらわかるだろうな
僕が家にいる僕とは違う男なんだってさ
長い 長い時間になるだろう
また宇宙を周ったらわかるだろうな
僕が家にいる僕とは違う男なんだってさ
ああ 違うんだよ 僕はロケット・マン
ロケット・マンさ
空の上でヒューズをが切れてしまうのさ…
ロケット・マンさ
空の上でヒューズをが切れてしまうのさ…
And I think it's gonna be a long long time
Till touch down brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Oh no, no, no, I'm a rocket man
Rocket man
burning out his fuse up here alone
Till touch down brings me round again to find
I'm not the man they think I am at home
Oh no, no, no, I'm a rocket man
Rocket man
burning out his fuse up here alone
地上に戻るのに長い長い時間になるよ
再び一周回るようになればわかるだろう
僕が家にいるときとは違う男なんだって
再び一周回るようになればわかるだろう
僕が家にいるときとは違う男なんだって
違う 違う 僕はロケット飛行士
僕はロケット・マン
宇宙で一人ぼっち 燃え尽きてしまう男なのさ
僕はロケット・マン
宇宙で一人ぼっち 燃え尽きてしまう男なのさ
Now, I think it's gonna be a long long time
And I think it's gonna be a long long time
And I think it's gonna be a long long time
And I think it's gonna be a long long time...
And I think it's gonna be a long long time
And I think it's gonna be a long long time
And I think it's gonna be a long long time...
とても長い時間 かかるんだろうな
長い ながい 時間がね…
長い ながい 時間がね…
(Words and Idioms)
burn out=燃え尽きる;燃料を使いきる;ヒューズが切れる
日本語訳 by 音時

◆この曲の主人公の"ロケット・マン"はロケット操縦士。
実際のロケット操縦士はものすごい訓練と過酷なトレーニングを踏まえてようやく宇宙へ旅立っていくわけですが、それほど大変な職業であることは、この曲からは伝わってきません。そして、この主人公は「ロケット飛行士」であることをそれほど誇りに思っているような感じでもありません。"僕は科学技術はわからない。ただ週5日間の仕事なんだ"と言いきります。そして、ロケット・マンは..."burning out his fuse up here alone"...一人きりで燃え尽きてしまう運命...と思っているようですね。
◆リアリティを感じない"ロケット・マン"の歌詞。何故かというと、SF(Sicence Fiction)を元にしているから、と思います。
エルトンの相棒で作詞を担当しているバーニー・トゥピンは、"ロケット・マン"を書くのにインスピレーションを得た作品を挙げています。
それは、1951年に発表されたレイ・ブラッドベリの短編小説「刺青の男(The Illustrated Man)」のなかに挿入されている「ロケット・マン」の話。そして、このブラッドベリの小説にインスパイアされたというパールズ・ビフォー・スウェイン(Pearls Before Swain)というアメリカのサイケデリック・フォーク・バンドが1970年に歌った「ロケット・マン」という歌です。


◆バーニーは1950年生まれですから、ブラッド・ベリの「刺青の男」と「ロケット・マン」が出版された頃はまだ生まれたての頃ですね。小説「ロケット・マン」は時代が時代ですバーニーは物心がついて本を読むようになった頃、「刺青の男」という短編小説を読んだのでしょう。時代が時代ですから、小説「ロケット・マン」は宇宙旅行と宇宙飛行士の悲哀も想像で書いている部分が多いです。お父さんは「じゃあ、行ってくるね」と出かけ、お父さんの乗る宇宙船は田舎町の上空を通過します。"ぼく"と母さんは「あっいまお父さんの宇宙船が通ったね」と会話をしたりしています。
お父さんは、帰宅した初日は仕事も忘れ庭仕事をします。でも二日目の晩になると、空を眺めるようになり、三日目の夜になるとポーチにずっと座って空をじっと見つめ…次の朝、母さんがまだ起きる前に黒いケースを持って「じゃあ、行ってくるよ」と言って、ぼくの手を握る。
「なあ、約束してもらいたいことがある」
「なあに」
「大きくなったら、ロケット・マンだけにはならないでくれ」
「...?」
「ロケット・マンというものは宇宙に出ていると家へ帰りたくなる。家に帰ってくると、また宇宙に出たくなる。こういう精神状態に憑りつかれたらおしまいだ…」
「でも…」
「今のおまえにはこういうことはわからないだろうな…。」
「ぼくは前からロケット・マンになりたかったんだよ」
「父さんはそれでも努力しているんだ。今度も家にい続けようとしたんだ…」
「父さんのようにならないと約束してくれ」
「...わかったよ」
「...わかったよ」
そして父さんの宇宙船は...太陽に落ちたのだ。
◆バーニーの書いたこの曲の歌詞。"ロケット・マン"は"週5日の仕事なんだ"と自分で言い聞かせているのは、どうしても宇宙に魅かれてしまう自分、"burning out his fuse up here alone"という運命をわかっていても宇宙に行かずにはいられない自分を感じてるからでしょう。
僕はブラッドベリの「ロケット・マン」を読んで、エルトンの"ロケット・マン"を何倍も味わえるようになりました。ぜひ読まれることを、とくにエルトンが好きな諸氏にはおすすめします!
◆“Rocket Man”が最高位6位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles Week Ending 15th July, 1972
US Top 40 Singles Week Ending 15th July, 1972
ビル・ウィザース「私を頼りに」が首位をキープ。4位ニール・ダイアモンド「Song Sung Blue」も大好きな曲です。12位から5位のルッキング・グラスの"Brandy"。バリー・マニロウの"哀しみのマンディ"やキッスの"ハード・ラック・ウーマン"と関係のあるポップス名曲です。そして20位から8位はギルバートの"アローン・アゲイン"。僕がポップスで一番好きな曲です(昔からそう決めている)。
TW LW TITLE ??? Artist (Label)-Weeks on Chart (Peak To Date)
1 1 LEAN ON ME ??? Bill Withers (Sussex)-13 (2 weeks at #1) (1)
2 4 TOO LATE TO TURN BACK NOW ??? Cornelius Brothers and Sister Rose (United Artists)-8 (2)
3 2 OUTA-SPACE / I WROTE A SIMPLE SONG ??? Billy Preston (A&M)-18 (2)
4 3 SONG SUNG BLUE ??? Neil Diamond (Uni)-11 (1)
5 12 BRANDY (You’re a Fine Girl) ??? Looking Glass (Epic)-5 (5)
6 7 ROCKET MAN (I Think It’s Gonna Be A long, Long Time) ??? Elton John (Uni)-11 (6)
7 8 DADDY DON’T YOU WALK SO FAST ??? Wayne Newton (Chelsea)-13 (7)
8 20 ALONE AGAIN (Naturally) ??? Gilbert O’Sullivan (MAM)-5 (8)
9 10 (If Loving You Is Wrong) I DON’T WANT TO BE RIGHT ??? Luther Ingram (KoKo)-7 (9)
10 19 WHERE IS THE LOVE ??? Roberta Flack and Donny Hathaway (Atlantic)-8 (10)
◆1972年のエルトンのライヴから。
◆ロケット・マンを歌うエルトンの背景のスクリーンには様々な映像が。
◆エルトンと映画で主演したタロン・エガートンが共演。
◆エルトンと映画で主演したタロン・エガートンが共演。
コメント
コメント一覧 (4)
音時
が
しました
音時さんお勧めのブラッドベリの「ロケットマン」読んでみました。
親子愛、夫婦愛が書かれてあり感動しました。
確かに、バーニーの作詞に相通じるものが有りますね。
音時
が
しました
音時
が
しました
最近では、ロケットマンというと金正恩の顔が浮かんでしまいます(笑)
まだ、エルトンジョンが「吟遊詩人」といった雰囲気を残していたころの曲ですね。このころのエルトンジョンは好きです。
ニールヤングのアルバムのライナーノートに、エルトンジョンはニールが大好きで、バーニートウピンはザ・バンドのロビーロバートソンが大好きだって書かれていました。
なんかバーニーとロビーロバートソンって、つながらない感じがするんだけど…
音時
が
しました