"ブロウ・モンキーズ"は、スコットランド出身のドクター・ロバートを中心にイギリスで結成された4人組のグループ。
1986年頃はFMヨコハマをよく聴いていて、局としてもシンプリー・レッドなどとともに、ブロウ・モンキーズを何回もエアプレイしていたように思います。
"Digging Your Scene"…この曲も好きでした。黒人のバックコーラスを入れた、R&Bを取り入れたモダンでオシャレなサウンド。全英だけでなく全米でもチャートを駆けあがり、最高位14位というなかなかの成績でした。
ブロウ・モンキーズの詳細はこちらウィキペディアのページをどうぞ。
◆邦題"ディギング・ユア・シーン"のシングルジャケットはドクター・ロバートのリーゼントヘア。ん?ロバートはA-ha(アーハ)のモートンと区別つかない!と思っていました。(MTVを見て、違いがわかりましたが…)


"Digging Your Scene"の意味…"きみの場面"を"Digging"してしまう…"Dig"には「探求する」とか「研究する」とかいう意味があるので、「別れてもきみの姿を探してしまう」というような意味かな?と漠然と思っていました。
でも…大きく違っていましたね。(まずは英語詞と日本語訳をどうぞ。続きは記事の後半へ)
Song Title:「Digging Your Scene」
Artist:The Blow Monkeys

Writer/s: ROBERT HOWARD
Publisher: Universal Music Publishing Group
Released in 1986
UK Single Hit#12
US Billboard Hot100#14
From The Album“Animal Magic”
:原詞は太字
I just got your message baby
So sad to see you fade away
(What in the world is this feeling)
(To catch a breath and leave me reeling)
It'll get you in the end, its god's revenge
きみからのメッセージを今受け取った
とても悲しいよ きみが消えてしまうなんて
(この気持ちを何て言えばいいのか)
(僕は息を飲み 愕然としてしまったんだ)
結局 きみは受け入れるのか 神さまが与える報いを
Oh I know I should come clean
But I prefer to deceive
(Everyday I walk alone)
(And pray that god won't see me)
I know its wrong, I know its wrong
ああ 想いを吐き出してすっきりすべきなんだ
でも僕はごまかしてしまう
(僕は毎日 ひとり悩み歩き)
(神さまが迎えに来ないことを祈るだけ)
おかしいよ 絶対間違ってるんだ
Tell me why is it I'm digging your scene
I know I'll die baby
何でなんだろう?
それでも きみたちが大好きなんだ
そうさ 僕も
いつかは死ぬ時がくるとわかっていても ベイビー
They put you in a home to fill in
But I wouldn't call that living
(I'm like a boy among man)
(I'd like a permanent friend)
I'd like to think that I was just myself again
みんなきみが騒がないよう家に入れる
でもそれじゃ生きてるって言えないよ
(僕はまだ大人になり切れないガキだ)
(永遠の友だちでありたいって思ってる)
もう一度自分自身を振り返って考えてみたいんだ
Why is it I'm digging your scene
I know I'll die baby
どうしてだろう? きみたちの仲間が大好きなんだ
そうさ 僕もいつかは死ぬとわかっているけれど
ベイビー
I just got your message baby
So sad to see you fade away
(I'm like a boy among men)
(I'd like a permanent friend)
I'd like to think that I was just myself again
きみからのメッセージを今受け取った
とても悲しいよ きみが消えてしまうなんて
(僕はまだ大人になり切れないガキだ)
(永遠の友だちでありたいって思ってる)
もう一度自分自身を振り返って考えてみたいんだ
Tell me
Why is it I'm digging your scene
I know I'll die baby
それでもきみたちが大好きなんだ
僕自身いつかは死ぬとわかっていても
ベイビー
Tell me
Why is it I'm digging your scene
I know I'll die baby
それでもきみたちを愛してしまうんんだ
自分もいつかは死ぬとわかっていても
ベイビー
Oh come home baby come on baby…
ああ ベイビー おいでよ ベイビー…
(Words and Idioms)
cf.to be left reeling
=It means to be left in disbelief, shock, or to be left wondering about something.
come clean=真実を話す,白状する
deceive=欺く、惑わす、だます
fill in=埋める ふさぐ
cf.man among men=男の中の男
日本語訳 by 音時

◆はい、実はこの曲、AIDSに侵された友人たち=一緒に遊んで騒いだ仲間たちに向けて、ドクター・ロバートの想いを綴った曲だったんですね。
この曲を書いた背景や、"A scene"、"Digging"、"God's revenge"などについてのBBCによるインタビューがWebに載っていましたので紹介します(和訳は僕がしているのでちょっといいかげんです)URLはこちら。ヒヤリングや意味を聴くクイズ?なんかもある面白いページです。
Q1 'Digging Your Scene'... A bit of a strange title, isn't it? What's the song actually about?
80年代初期の頃のクラブは 興奮するもの(tippin my hat)だったよ。はっきり言って、ゲイのみんなとのクラブでね。僕の人生にとって最もエキサイティングなものだった。最初の奥さんと離婚寸前でその渦中にいて、独身生活を楽しんでる感じだった。彼らのなかで過ごしてた時期はとても印象に残ってる。僕自身はゲイではなかったけど、クラブに来てた人は半々くらいで、そこでははっきりとそういう態度で過ごしてたんだ。この曲は基本的にエイズのことを書いたんだ。そのクラブシーンで出会った人たちに起こり始めていたことをね。
Q2 Still, it's not exactly clear how you can 'dig' a scene...
"A scene"…"scene"についてはこんな風に定義づけられるだろうね。音楽や洋服やファッションについて同じように感じられる人々の集団さ、一緒に行動して同じ祝い事をしたりするんだ。
"Digging"…"digging"はアメリカのスラングと言えるだろう。わかるよね、意味は"好きで、愛して、価値を感じる"(The sense of, you know, liking, loving, appreciating.)っていうようなことさ。
Q3.What do you mean when you're talking about 'God's revenge'?
AIDSのことでちょっとばかり大袈裟に書いてしまったよ。僕が思うに、初期の頃はそんなように新聞にも書いてあったと思うよ。こういう表現を使うのは、ゲイの仲間やゲイの文化をこき下ろすときに使われる、ちょっとばかり正確でない怪しいもんさ。僕が言いたいのは…つまり…自分なりにいうと、平等になるように修正(redress the balance)してほしいってことさ。
![DIGGING]](https://livedoor.blogimg.jp/hiranobu2101-neverending/imgs/1/7/17296b94.jpg)
◆ ドクター・ロバートによると、
"Your Scene"とは、彼の人生のなかでもっともエキサイティングに感じたクラブでの日々、一緒に過ごした仲間たち、のこと。
そして
"Digging"とは"愛してやまない、最も価値のあるもの"。
HIVに感染し、死に直面する仲間たち…それでも僕は「愛さずにはいられない」って想いを込めているんですね。
この曲の歌詞はラヴ・ソングに体裁を整えてるように思います。海外の方でも当時、この意味合いはどれほどの方が知っていたんでしょうね? また、病に侵されている方に励ましになったというようなことはあったのでしょうか?
1981年に米国で発見されたエイズ…ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染によって引き起こされる病気…かつては「死の病」と言われていたAIDSですが、今では医療の発展により、早期発見で治療は可能という新聞記事もありました。(朝日新聞デジタル)
◆反エイズのチャリティで全米No1となったこの曲は1985年のことでした。でも"Digging Your Scene"では「エイズ憎し」というような歌ではありませんね。ドクター・ロバートは色んなことがあって、エイズによって命が脅かされるようなこともあるけれど「僕はあの頃が懐かしく思えるし、あの時の仲間たちが大好きなんだ」と歌っているように感じます。
日本でいうと、サザン・オールスターズが歌うこの歌みたいな感じでしょうか…!
(リンクはサザンのカバーバンド”サザン・ヴィンテージ”さんYourube)
◆ドクター・ロバートも演奏もカッコいい。
◆「アニマル・マジック」の次のアルバム「She was only a grocer's daughter」からのシングル「It Doesn't Have To Be This Way」(ビー・ディス・ウェイ)。この曲もカッコよかった!
◆最近(2017)のブロウ・モンキーズ。ドクター・ロバートもだいぶ貫禄がついて…(^▽^;)
見たい人だけこちら→クリック!
コメント
コメント一覧 (8)
音時
が
しました
この80年代、イギリスから、時々、ソウル・ジャズ系の新人バンドが出てきて、おしゃれな曲を出してくれましたが、残念ながら、ヒットが長続きしませんでした。
音時
が
しました
音時
が
しました
元々好きだった曲だけど、実は知識は全くなかったんです。
でも、この記事のおかけでこの曲の背景を知って、またそこに込められた思いを感じられて、もっと大好きになりました。
ありがとうございました。
音時
が
しました
“ivy”のカバーパージョン聴いてみました。これも軽い感じで聴きやすいですね。ボーカルの女性はフランスの方っていうのもあるのかな。
この曲がなんのことを歌ってるかは明白のようですが、タイトルの持つ意味は僕の解釈になります。でもアレンジが昔っぽいのは、大好きだったあの頃の時代、想い出を表現しているんだろうと。そう思ってるので、この曲が好きなんです。
音時
が
しました
この曲を女性歌手のIvyがカヴァーしたバージョンが久々に聴きたくなって、歌詞も調べてみたところ、このブログに辿り着きました。
心のこもった、知見たっぷりのよいブログですね。
この記事も読みごたえがありました。そんな背景があったなんて…。
Ivyがカヴァーした、少しハウス・ボサノヴァっぽい、洗練されたアコースティックな「Digging your scene」は、15歳くらいのころローカルラジオで初めて聴いて以来のお気に入りの曲でした。
オリジナルのバージョンも初めて聴きましたが、味があります。
音時
が
しました
ラジオでミックスしたバージョンのこの曲が使われていたんですね。たしかに歌詞がわからなくても、雰囲気やノリもいい、素敵な曲だと思います。懐かしさでググって辿り着いていただいた記事でご満足いただけたら…本望です!今後ともよろしくお願いいたします。
音時
が
しました
最近の姿も見られて、いま知りたい、必要なことが満たされました。
2019/5/24のDJ ossy のラジオ番組「ファミリーディスコ」でブロウモンキーのディギングユアシーンがミックスされていて、あまりに懐かしくてググって辿り着きました。
音時
が
しました