ケニー、安らかにお眠りください…。
この曲は過去に掲載したものの再掲載です。
↓↓↓↓↓

当時、"Coward Of County"(カワード・オブ・カウンティ)がなぜ邦題「弱虫トミー」なのか、って思っていました。

◆"Coward"…これは辞書を引くと、意気地なし、臆病者、弱虫、軟弱者、腰抜け、腑抜け、ひきょう者(英辞郎 on the WEB:アルク)と出たので「弱虫」というのはわかります。(でも"臆病者"と"ひきょう者"って別な意味だよなあと思いますな)

"County"…これは主にイギリスでは「州」(行政・司法・政治上の最大区画)のこと、主にアメリカでは「郡」(各州の政治・行政の最大下位区画)のことを言うらしい。

 まあ"州(郡)いちばんの臆病者"ってことでしょうね。そしてタイトルには出てきませんが主人公は「トミー」。おおっここでやっと「弱虫トミー」につながりましたな。

Song Title:「Coward Of The County」
Artist:Kenny Rogers


0105141153_5c303c99ad0ad

Songwriter(s)
Roger Bowling, Billy Ed Wheeler

Released in 1979
US Billboard Hot100#3
US Cash Box Chart #1
From The Album“Kenny”

Everyone considered him
The coward of the county
He'd never stood one single time
To prove the county wrong
His mama named him Tommy
But folks just called him yellow
Something always told me
They were reading Tommy wrong


誰もが彼をこう思ってたんだ
"町一番の臆病者"だって
ヤツはそう言われても 一度たりとも
みんなの誤解を解こうとはしなかった
母親はトミーって名付けたのに
人々はヤツを"臆病者"って呼んだのさ
いつも思ってたよ このままじゃ
トミーはグレちまうんじゃないかって

He was only ten years old
When his daddy died in prison
I looked after Tommy
Cause he was my brother's son
I still recall the final words
My brother said to Tommy
Son my life is over
But yours has just begun


ヤツがまだ10歳の頃のこと
父親が獄中で亡くなった
それから私が面倒をみてるのさ
トミーは私の甥だからね
最後の言葉をまだ思い返せるんだ
父親はトミーにこう言った
"息子よ 私の人生は終わるけど
おまえの人生は始まったばかり…"

Promise me, son
Not to do the things I've done
Walk away from trouble if you can
Now it don't mean you're weak
If you turn the other cheek
And I hope you're old enough to understand
Son, you don't have to fight to be a man


"約束だ 息子よ
俺と同じ間違いをするんじゃないぞ
できるだけ揉め事は避けることだ
されるがままになったとしても
だからといって 弱虫ってことじゃない
おまえにはわかってほしいんだ
息子よ 喧嘩しないってのも立派な男なんだ"

There's someone for everyone
And Tommy's love was Becky
In her arms he didn't have
To prove he was a man
One day while he was working
The Gatlin boys came calling
They took turns at Becky
N'there was three of them


誰にも恋人ができるように
トミーにもベッキーという恋人ができた
彼女の腕のなかでは トミーは
証明しなくても十分に男だったよ
ある日 トミーが仕事に出てるとき
ガトリンの奴らがやってきた
奴らはベッキーを交代で暴力をふるったのさ
そう3人ともがね

Tommy opened up the door
And saw Becky crying
The torn dress, the shattered look
Was more than he could stand
He reached above the fireplace
Took down his daddy's picture
As his tears fell on his daddy's face
I heard these words again


トミーが帰ってドアを開くと
そこではベッキーが泣いていた
引き裂かれたドレス や
粉々になった見た目は
トミーは見るに忍びなかった
トミーは暖炉の上の棚に手を伸ばし
父親の写真を手に取った
トミーの涙が父親の顔の上にこぼれ落ちたとき
またあの父親の言葉が聞こえてきたよ…

Promise me, son
Not to do the things I've done
Walk away from trouble if you can
Now it don't mean you're weak
If you turn the other cheek
And I hope you're old enough to understand
Son, you don't have to fight to be a man


"約束だ 息子よ
俺の間違いを繰り返さないでくれ
できるだけ揉め事は避けることだ
されるがままになったとしても
だからといって 弱虫ってことじゃない
おまえにはわかってほしいんだ
息子よ 喧嘩しないってのも立派な男なんだ"

The Gatlin boys just laughed at him
When he walked into the barroom
One of them got up
And met him half way cross the floor
Tommy turned around they said
Hey look, old yeller's leavin'
You could've heard a pin drop
When Tommy stopped and locked the door


ガトリンの奴らはトミーを見ると笑った
バールームにトミーが入ってくると
ひとりが立ち上がって身構えた
部屋の真ん中でにらみ合うと
くるっと背を向けたトミーに奴らが言う
"おい見ろよ 臆病者のお帰りだぜ"
でもトミーが止まってドアをロックしたら
一本のピンが落ちる音が聞こえるほど
あたりは静まりかえったんだ

Twenty years of crawling
Was bottled up inside him
He wasn't holding nothing back
He let 'em have it all
Tommy left the bar room
Not a Gatlin boy was standing
He said, This one's for Becky
As he watched the last one fall
N' I heard him say


這いつくばってた20年の屈辱が
彼のなかで煮えくり返ってた
トミーは思いを隠すことなく
すべてを奴らに見舞ってやったのさ
トミーがバールームを出たときには
ガトリンの奴らはみな床の上さ
トミーは最後の一人を倒すときこう言った
"これはベッキーの分だ"
そしてトミーはこう言ったんだ…

I promised you, Dad
Not to do the things you've done
I walk away from trouble when I can
Now please don't think I'm weak
I didn't turn the other cheek
Papa, I should hope you understand
Sometimes you gotta fight
When you're a man


"父さん、約束するよ
父さんがやった間違いは繰り返さない
トラブルもできるだけ避けるようにする
でも僕が言いなりにならなかったからといって
僕を意思が弱いヤツと思わないでほしい
父さん わかってほしいんだ
一人前の男だったら
立ち向かわなきゃいけないときがあるんだよ"

Everyone considered him
The coward of the county


誰もが彼をそう思ってた…
"町一番の臆病者"だと…

(Words and Idioms)
Yellow=臆病な
turn the other cheek=(不当な処置を受けても)反発しない, 甘んじている
someone for everyone=みんなに誰か
come calling=訪れる、やって来る
take turns=〔…を〕交替でやる
bottle up=〈怒りなどを〉抑える, 隠す
cf.hold back nothing= 何も隠さない


日本語訳 by 音時


tommycoward


◆「これはベッキーの分だ!」と言いながら最後のひとりを倒す場面では、やっぱり、漫画(ドラマ)「ドラゴンボール」の「これはクリリンの分だ!」という孫悟空のセリフを思い出しますね(笑)。相手に倒された仲間の名前を呼んで相手を倒す、という「あるある場面」です。

 でも実際には「ドラゴンボール」に「これはクリリンの分だ!」と言って相手を倒すシーンはない、って知ってましたか?こちらの方のブログにも書いてありますが、実際には「クリリンのことかー!」というセリフ、またはナッパ戦で「ヤムチャの恨み!」というセリフはあったそうです(^▽^;)。そう言われてみればそうだったかも(確かめてはいません)。

R-1289201-1456230469-6955.jpeg

◆歌詞に出てくる悪い奴ら(The Gatlin boys)ですが、実はカントリーシンガーで"Larry Gatlin"と"The Gatlin Brothers"が実在するんですね。(全米カントリーチャートでは1位の曲も持っている有名アーティストのようです)ケニーはもちろんですが、作者であるRoger BowlingとBilly Ed Wheelerも"The Gatlin Brothersとは関係ないよ"と言っています(^▽^;)。

wikipediaによると、でもそののちに、Larry Gatlin は、インタビューに応えて「作者のRoger Bowlingは なんでだかわからないけど、僕に恨みを持っているようなんだ…」等の発言をして物議を醸したようです(^▽^;)。
こういう"物語のある曲"って好きなんですよね。日本の楽曲にはあまりないでしょう。


◆“弱虫トミー”が最高位3位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For Week Ending January 26, 1980

マイケル"ロック・ウィズ・ユー"がNo1.スーパースターの貫禄が出てきた頃です。
2位キャプテン&テニール。邦題は「愛の証し」。ケニー・ロジャースは3位を3週間続けます。
4位"エスケイプ"。邦題は「ピニャ・コラーダ・ソング」。ピニャ・コラーダを飲みに横浜まで行った。
飲み口が甘くてガンガンいっちゃって後で頭が痛くなるパターンのお酒だったなあ(^▽^;)。

-1 1 ROCK WITH YOU –•– Michael Jackson 
-2 2 DO THAT TO ME ONE MORE TIME –•– The Captain and Tennille
-3 4 COWARD OF THE COUNTY –•– Kenny Rogers
-4 3 ESCAPE (The Pina Colada Song) –•– Rupert Holmes
-5 6 CRUISIN’ –•– Smokey Robinson

-6 5 SEND ONE YOUR LOVE –•– Stevie Wonder
-7 7 WE DON’T TALK ANYMORE –•– Cliff Richard
-8 18 CRAZY LITTLE THING CALLED LOVE –•– Queen
-9 11 THE LONG RUN –•– Eagles
10 15 SARA –•– Fleetwood Mac

◆歌詞に忠実にイラストでストーリーを語ってくれる動画です。お父さん、若過ぎないか?



◆こちらも歌詞に忠実なイラストで綴る動画。やっぱお父さん、若いよね。トミーとベッキー同じ顔だよね。ガトリン兄弟、弱すぎるよね。上の動画とラストは同じだよね。



◆ステージで歌うケニー。ちょっとテンポが早いな。